廻る

幼稚園

「ぞうさん組のそうすけくーん」

「はあーい！！」思いっきり手を挙げて吉村先生に声をかけた。

「返事はいいわね。ただね」

人差し指を立てて、「乱暴はやめてね。」と言われた。

宗介はこの状況を把握してはいるが、自分を曲げなかった。

「美優ちゃんに謝りなさい！」

「いやだ！」

事のなりゆきは、お昼時間の時に美優ちゃんにちょっかいをかけたことだった。
牛乳が苦手な美優ちゃんに対して「うわ！牛乳飲めないのかよ！」と言った。

そのことに傷ついたことに腹立てて「そうちゃんだって、ピーマン食べれないじゃん」と
言い返した。

カチンときた宗介は彼女の髪をひっぱってきた。

泣いた美優は先生に話をしたらしい。

そのせいで宗介にもとばっちりがついた。というか問題ありなのは宗介自身であった。

しもうら幼稚園に宗介が入園した頃、保護者として稔と勝が来ていた。
その頃はおとしなしい性格と稔は思っていた。

ただ、1ヶ月してから宗介は性格が変わったように問題児へと変わっていった。

そのたびに、呼び出されるのは稔だった。

今回の件もそうだ。


「申し訳ございません！」女性の藍田先生に稔は謝った。

「いえいえ、そこまで謝られても。。子供同士ではよくあることですよ。」
と言ってくれた。

「帰ってからガツンと言い聞かせるので」ため息をつきながら、午後の4時には宗介を連れて帰った。