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十六 罪人
長い沈黙の後、紅鴛はようやく口を開いた。
「……士慧さんはどこにいるの? 彼に会わせて」
「会って、どうするの? 私の話が信じられなかった?」
紅鴛は首を振った。
「もういいの。真偽はどうだっていい。あなた達が想い合っていようといまいと、士慧さんの私への気持ちが嘘だろうと。私一人が傷つくだけで済むなら…。
だけど、武当派と柯家の名を傷つけたことは許されない。あなたの罪は武当派が裁くわ。士慧さんの罪は、身柄を柯家に引き渡して清算させる。それだけよ。さあ、あの人に会わせて」
「姉さん」翠繡は小さな、しかし決意のある声で言った。「罪を償えというなら、私は命をとられても構いません。でも……どうか士慧さんは見逃してください」
「何ですって?」
「こんなことになってしまったのは申し訳ないと思ってます。でも、武当にも柯家にも大きな迷惑をかけるつもりは無かったんです。私達の計画では、仇敵に襲われてやむなく婚礼前に山を離れるという筋書きでした」
言われて、紅鴛も察しがついた。
「……蜈蚣大尊のことね?」
翠繡は頷いた。
「そうです。姉さんに討たれた蜈蚣尊者の縁者なら、武当を襲い、姉さんの婚礼を邪魔する理由もあると思って。逃げ出す日の晩は、調合した薬を飲んで毒にあたったように見せました。本当は、襲撃の証拠をもっと残すはずだったけれど、士慧さんが婚礼の支度に追われていたから、なかなか二人きりになれなくて。夜遅くに慌ただしく下山するしかなかった。それで、道中それとなく蜈蚣大尊の噂を流しながら、この湖南まで来たんです」
道理で、紅鴛達の追跡も困難を極めたわけだ。翠繡と士慧の計画は杜撰だった。だから消息も断片的で、紅鴛もその謎に振り回されてしまった。彼女は思わず吐き捨てた。
「やり方が稚拙過ぎたわ! 武当派の殆どは、仇に襲われたなんて思いもしなかった。あなたが士慧さんをそそのかしたか、二人で示し合わせて逃げたとばかり……」
「どうせ二度と戻らないのだから、江湖の噂なんて気にかける余裕は無かったんです」
身勝手な理屈に、紅鴛は怒りを抑えきれず、とうとう声を荒げた。
「あなたは武当派の弟子なのよ! たとえ技量が低くて地位が無くとも、一挙一動が江湖では武当派の行いとしてみなされるの。一門の名声は、祖師様や先代の門弟達が数百年かけて築いてきたものよ。師匠や兄弟弟子達も、その名を傷つけまいと日々力を尽くしてる。わかってるでしょう? それをあなたは、たった一晩で滅茶苦茶にした! 二度と戻るつもりが無かったって? あなたを育ててくれた師匠への恩は? あなたに期待してた兄弟弟子達の思いは? 入門した時に、武当の弟子として強く正しく一生を生きると誓ったことは? それが全部、一時の情のためにどうでもよくなったというの?」
翠繡は奇妙な表情を浮かべた。双眸には失望したような、あるいは紅鴛を憐れむような色があった。
「姉さんは、武当のことが何より大切なのね? 義妹や婚約者よりも?」
「あなたや士慧さんだって大切よ。だからこそ、こんなことして欲しくなかった」
「でも、見逃してはくれないのね」
「私は武当の人間として正しいことをするだけ」
翠繡は姉弟子の許しも得ず、いきなりその場を立ち上がった。そして紅鴛が口を開くより先に言った。
「姉さんが私の命を欲しいなら、あげる。婚約者を奪ったし、姉妹の誓いにも背いて、恨む理由があるんだもの。でも、あくまで武当の命令でそうするつもりなら、渡したくない」
紅鴛は眉根を寄せた。
「どういう意味?」
「今は知らなくていいの。これから、ゆっくり時間をかけて話すつもりだから」
翠繡の口元に、淡い笑みが浮かぶ。
瞬間、紅鴛の頭に警告が響いた。十六の頃から江湖で揉まれ、研ぎ澄まされた直感が、いつも彼女を助けてくれた。
ところが、今度ばかりはしくじった。
翠繡が腰を落として踏み込み、右掌で強襲をかけてきた。普段の紅鴛ならば飛びのいてかわすか、即座に返し技で応じたはずだ。しかし、何が起きたのか、四肢が鉛のように重くなっていた。
右掌が下腹に直撃した。臓腑が潰れるほどの衝撃だったが、紅鴛は咄嗟に内力を丹田へかき集めて防御し、辛うじて倒れずに済んだ。
すかさず第二撃が来る。紅鴛は全精力を右手に集中し、どうにか反撃を間に合わせた。掌と掌がぶつかる。恐ろしい寒気と毒気が右腕に伝わってきたのを感じ、紅鴛は驚愕した。これは邪道の技――蜈蚣尊者の毒功と同じものだ!
「あなた……まさか……!」
「姉さん」翠繡の口調はあくまで淡々としていた。「許して」
「師姐――」
楊楓が剣を抜きながら加勢に加わろうとする。が、足元がふらつき、その場へ片膝を着いた。
紅鴛は理解した。あたり一面の空気が、既に無色無臭の毒煙で満たされていたのだ。翠繡が恭順を装い、長々とした話に持ち込んだのも、全てはこの毒がまわるようにするためだったのか。
義妹はどうやって邪悪な毒功を身につけたのだろう。戦いを挑んできたのは、紅鴛を殺し、士慧とここに隠れ続けるためなのか。そもそも彼女の語った話は真実だったのか。
あれこれ考えている暇は無かった。翠繡が怒涛の勢いで攻めてくる。全ての真相を確かめるには、ここで相手を倒すしかない。
紅鴛は息を深く吸い、力をかき集めて袖剣功を繰り出した。普段ならこの一手でじゅうぶんなはずが、毒煙と最初に受けた傷のせいで、思ったほどの威力が出ない。袖は翠繡の手刀で退けられた。
袖と掌がぶつかり合い、たちまち数十手が過ぎる。
戦うほどに紅鴛は驚いた。相手は技の巧みさといい、内力の深さといい、紅鴛の知っている翠繡ではなかった。達人の域とまでは言えないが、相当修練を積んでいる。
蜈蚣尊者を討伐して帰山した日、師匠は言っていた。蜈蚣尊者はもともと武術の心得が無い人間だったが、それでも邪道の奥義書「蜈蚣天毒経」を読んで恐るべき力を身につけた。もし武芸者が悪意を以てあれを読めば、恐ろしい事態になると……。
師匠はあの日、奥義書を紅鴛と翠繡の前で燃やした。もうこの世にあの本は無いはずだった。どういう経緯で翠繡が技を学べたのかはわからないだが、いずれにしても、邪道の者は武林のために倒さなければならない。
それがたとえ、契りを結んだ義妹だったとしても。
「……士慧さんはどこにいるの? 彼に会わせて」
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だけど、武当派と柯家の名を傷つけたことは許されない。あなたの罪は武当派が裁くわ。士慧さんの罪は、身柄を柯家に引き渡して清算させる。それだけよ。さあ、あの人に会わせて」
「姉さん」翠繡は小さな、しかし決意のある声で言った。「罪を償えというなら、私は命をとられても構いません。でも……どうか士慧さんは見逃してください」
「何ですって?」
「こんなことになってしまったのは申し訳ないと思ってます。でも、武当にも柯家にも大きな迷惑をかけるつもりは無かったんです。私達の計画では、仇敵に襲われてやむなく婚礼前に山を離れるという筋書きでした」
言われて、紅鴛も察しがついた。
「……蜈蚣大尊のことね?」
翠繡は頷いた。
「そうです。姉さんに討たれた蜈蚣尊者の縁者なら、武当を襲い、姉さんの婚礼を邪魔する理由もあると思って。逃げ出す日の晩は、調合した薬を飲んで毒にあたったように見せました。本当は、襲撃の証拠をもっと残すはずだったけれど、士慧さんが婚礼の支度に追われていたから、なかなか二人きりになれなくて。夜遅くに慌ただしく下山するしかなかった。それで、道中それとなく蜈蚣大尊の噂を流しながら、この湖南まで来たんです」
道理で、紅鴛達の追跡も困難を極めたわけだ。翠繡と士慧の計画は杜撰だった。だから消息も断片的で、紅鴛もその謎に振り回されてしまった。彼女は思わず吐き捨てた。
「やり方が稚拙過ぎたわ! 武当派の殆どは、仇に襲われたなんて思いもしなかった。あなたが士慧さんをそそのかしたか、二人で示し合わせて逃げたとばかり……」
「どうせ二度と戻らないのだから、江湖の噂なんて気にかける余裕は無かったんです」
身勝手な理屈に、紅鴛は怒りを抑えきれず、とうとう声を荒げた。
「あなたは武当派の弟子なのよ! たとえ技量が低くて地位が無くとも、一挙一動が江湖では武当派の行いとしてみなされるの。一門の名声は、祖師様や先代の門弟達が数百年かけて築いてきたものよ。師匠や兄弟弟子達も、その名を傷つけまいと日々力を尽くしてる。わかってるでしょう? それをあなたは、たった一晩で滅茶苦茶にした! 二度と戻るつもりが無かったって? あなたを育ててくれた師匠への恩は? あなたに期待してた兄弟弟子達の思いは? 入門した時に、武当の弟子として強く正しく一生を生きると誓ったことは? それが全部、一時の情のためにどうでもよくなったというの?」
翠繡は奇妙な表情を浮かべた。双眸には失望したような、あるいは紅鴛を憐れむような色があった。
「姉さんは、武当のことが何より大切なのね? 義妹や婚約者よりも?」
「あなたや士慧さんだって大切よ。だからこそ、こんなことして欲しくなかった」
「でも、見逃してはくれないのね」
「私は武当の人間として正しいことをするだけ」
翠繡は姉弟子の許しも得ず、いきなりその場を立ち上がった。そして紅鴛が口を開くより先に言った。
「姉さんが私の命を欲しいなら、あげる。婚約者を奪ったし、姉妹の誓いにも背いて、恨む理由があるんだもの。でも、あくまで武当の命令でそうするつもりなら、渡したくない」
紅鴛は眉根を寄せた。
「どういう意味?」
「今は知らなくていいの。これから、ゆっくり時間をかけて話すつもりだから」
翠繡の口元に、淡い笑みが浮かぶ。
瞬間、紅鴛の頭に警告が響いた。十六の頃から江湖で揉まれ、研ぎ澄まされた直感が、いつも彼女を助けてくれた。
ところが、今度ばかりはしくじった。
翠繡が腰を落として踏み込み、右掌で強襲をかけてきた。普段の紅鴛ならば飛びのいてかわすか、即座に返し技で応じたはずだ。しかし、何が起きたのか、四肢が鉛のように重くなっていた。
右掌が下腹に直撃した。臓腑が潰れるほどの衝撃だったが、紅鴛は咄嗟に内力を丹田へかき集めて防御し、辛うじて倒れずに済んだ。
すかさず第二撃が来る。紅鴛は全精力を右手に集中し、どうにか反撃を間に合わせた。掌と掌がぶつかる。恐ろしい寒気と毒気が右腕に伝わってきたのを感じ、紅鴛は驚愕した。これは邪道の技――蜈蚣尊者の毒功と同じものだ!
「あなた……まさか……!」
「姉さん」翠繡の口調はあくまで淡々としていた。「許して」
「師姐――」
楊楓が剣を抜きながら加勢に加わろうとする。が、足元がふらつき、その場へ片膝を着いた。
紅鴛は理解した。あたり一面の空気が、既に無色無臭の毒煙で満たされていたのだ。翠繡が恭順を装い、長々とした話に持ち込んだのも、全てはこの毒がまわるようにするためだったのか。
義妹はどうやって邪悪な毒功を身につけたのだろう。戦いを挑んできたのは、紅鴛を殺し、士慧とここに隠れ続けるためなのか。そもそも彼女の語った話は真実だったのか。
あれこれ考えている暇は無かった。翠繡が怒涛の勢いで攻めてくる。全ての真相を確かめるには、ここで相手を倒すしかない。
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