Forever Friends

てるる

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イノダの工藤くん3

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十余年前の今日、冷たい川風の吹く三条河原にて。

お似合いのカップルだった工藤くんとリケ女さんが
別れたと聴かされたときは、本当にショックだったな。
工藤くんが居たからあたしも遠距離恋愛をがんばって
これたのに。
そして、お先にウェディングベルを鳴らすことができたのに。
次は工藤くんの番だと思っていたのに。
そんな諸々の思いが、全部涙になって溢れ出した。

本当は泣きたい思いだったのは、工藤くんのほうだった
ろうにね。
先に泣いちゃってゴメン、だったよ。

何か気の利いたことを言わなくちゃと思って、
工藤くんのコートの袖を掴んだけど、
何も言えなかった。

工藤くん、呆れてあたしの手を離して
握ってくれたよね。
手袋を通して、工藤くんの体温が伝わってきて、
ますます悲しくなってしまったのに、
いきなり笑い出すとは、なんとしたことでしょう。
ひとが真剣に悲しんでいるというのに!
怒ったら、ますます大笑いで、さ。

まあ、少しでも気が晴れたのならよかったけどね。


それから10年近く後に、元鞘カップルとして、
ご家族だけで華燭の典を挙げられて、ようございました。
あるべき姿にたどり着いただけだよね。
うれしかったな、とっても。
年賀状のお写真は、しゅっとした工藤くんと
落ち着きのあるエレガントな花嫁さん。
工藤くんにはもったいない美人さん。

工藤くんは大好きだから、絶対幸せになってほしかったの。


「奥さんとラブラブで、創作活動が疎かなら幸せなことだね」

って、からかったら、照れくさそうにお礼を言うんだもん。
ご馳走さま!
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