せんせい、僕に描き方を教えてください

てるる

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「あれから、いろいろ考えたのですが」


翔は仔細らしく言葉を選ぶ。


「映画などは、短く凝縮されたものが好きです」


ほうほう。


「何度でも観たいものや、名作と言われるものには
無駄がありません」


ふむふむ。


「長いものも長いなりの好さがありますが、
僕はギリギリまで削いだもののほうが好みですね」


同感だ。


「でも、先生の作品には、余白がありません」


俺の話はいいから、と制止しようとしたが、
翔の口は止まらない。


「短ければいいというものではありません。
説明不足に過ぎませんか?逆に過剰だったり。
過不足がないというところが、佳い作品の特長です。
まあ、別に本業じゃないから好きに書けばいいと思いますが、
背景をサボったマンガみたいですよ。
捨てゴマや背景から物語が匂い立つようでないと」


的を射すぎていて、ぐうの音も出ない。
何故、キミは俺の傷を抉るかな?
本当のことを言われると、ひとはとっても傷つくものだよ。
ところが、さらにダメ出しは決定的になる。
斜め袈裟斬りから胴を払われた。


「失敗から学ぶことのほうが多いんだって、せんせい
言ってましたよね?作品も、できているとこより、
できていないところから
学びや気づきがあるのだと思いますよ」


もう、どちらが生徒か先生かわからない。


「だから、せんせいの作品のダメなところを
解析すれば、きっと創作のあるべき姿が
浮かび上がることでしょう」


解析と分析って、どう違うんだっけ?

などとは、訊けない。
後で調べておこう。

甚だ不本意だが、頭のいい提案ではある。
が、羞恥で悶え死ねそうなので、うまいこと軌道を
修正して、往年の名画などに話を持っていくとしよう。
そうしよう。
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