無色の君

代永 並木

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9話

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「美空居ないのか‼︎ いるなら返事しろ」
「……ここ……に」
俺が呼びかけると声がしたので声のした方の木を退けると血だらけの少女が倒れて居た
「美空‼︎ 大丈夫か?」
「うん、まぁ大丈夫だよ。貴方達を狙った人の事が分かった。早くしないと不味い。貴方のよく知っている人物で私が前に殺しかけた人物」
「それって……まさかいやなんで、あいつは有り得ない筈、だけど心配ない。俺の可愛い妹が相手をすれば大丈夫だ」
「たしかに大丈夫だよ。でも、国民にバレてしまう。彼女達の存在をだから貴方は早く行って今のこの国から変わるまでの少しの時間守って必ず、そうじゃないとこの世界に災いが……」
美空はそう言って意識を失う
……まさかの国が変わる直前の問題に世界が関わるとはどれだけやばいの?
……知らん。ニーナ取り敢えずシーナに伝えろ。戦いが終わった後はそこを拠点にしてお前ら全員を守る。まずはこいつを医者に見せる
……おっ、言い切ったね。
俺は会話を終わらせてから美空を抱えて移動する。
「マジであいつなのか?」
「本当だよ。概念武装を持ってはいなかったけど、家が一撃で壊された。一体なんの力を持っているんだろう?」
「概念武装ではない? 人体強化手術? 確かそんなの前に聞いた事があったような」
人体強化手術とはその名の通り人体を強化する為の手術で成功確率50パーセントである。50は高いと思うだろうがそれは違う。100人の内50人が成功するが他の50人が死ぬという事である。2分の1などと言えば危なそうに見えないかもしれない
「50%で成功する物を使って力を強くしたんだね」
「だろうな。シーナはあいつを多分生かす」
「どうして言い切れるの?」
「妹だからか? 分からんけど、それもあいつの概念武装は言われてないが大体の予想は出来る。あいつの概念武装は……」

「私の概念武装は敵が強ければ強いほど勝つ確率が上がる」
私はそう言って敵と対峙する。敵は男で成人行っている程度の歳の人に見えて爽やかなイケメンという雰囲気であるが殺意が滲み出ている。姉さんの概念武装で認識をずらしている為通行人はこの戦いの事を知らない
「殺す。悪く思うなよ」
「出来るならやってみなよ。兄さんの知り合いかな? 這い蹲られてあげる」
私はそう行って男を挑発すると男は刀を振るってくるので私は紙一重で避けて挑発を続ける
「まさか、命を狙ってきた人が刀の扱いが素人とはよくそんなので殺しに来たね弱い事をご丁寧に教えてくれて感謝するわ。雑魚君」
「黙れ、俺は強い。舐めるなよ小娘が」
男はキレて刀をでたらめに振り回すがわたしには当然当たらない。
(小娘ね。この言葉実に不愉快ね。楽には死なせない。いや、殺したら兄さんに怒られるから駄目か。兄さんに嫌われたくないからやめておこう)
私はため息をついて男に掌底を打ち込む。
「あの女と同じで俺を見下しやがって、殺す貴様は何が何でも殺してやるよ。死ねや」
「死ね? 殺す事が出来るの? 私を」
私は笑う。男の言った言葉が面白く笑う。『殺す』『死ね』という言葉は私にとって意味が無い。私には死という物はよく分からない。概念武装が関係するのではなく。私自体が死に関して疎い。痛みや苦しみなどは分かるが死というものは分からない。昔、腕や足を折られた時もナイフで胸を刺された時も刀で斬られた時も首を絞められた時も死ぬ事は無かった。意識は鮮明で痛みも苦しみもあったけど死ぬと思えなかった。私が恐れたのは死ではなく苦しみや痛みのみ今はそれを概念武装が補ってくれている。だから恐れるものは1つしかない。兄さんが私の側から居なくなる事、そうなったらもう私は生きていけない。だから兄さんが愛してくれなくても構わないけど嫌われても良いから一緒に居たい
(私は兄さんの敵を許さない。傷1つつけようものなら兄さんを悲しめるようものならそいつを永遠の苦しみを与えてやる‼︎)
私は決意を決める。殺しはしないだけど兄さんの敵を倒す。その為に私は力を身につけた
『体温操作右灼熱左極寒』
私は右手の体温を一気にあげる。
(姉さん体温操作は貴方の専売特許じゃないんですよ。貴方が呑気に遊んでいる間これを操れるようにしていた。そしてたどり着いた)
左手の体温を下げて右手のに乗せる。そうやって体温バランスを変えずに手の温度だけを変える。男が刀を振るって来たので右手で防ぐと刀身が溶ける。痛みがあるが概念武装を使い痛みと傷を与えてると男が怯えている
「化け物が、くっそ、なんでだよ。手術はした筈なのに」
「自分の力じゃないんだ。じゃあ勝てないよ。私も言えたことではないけど努力していない奴に負ける気は無い」
「他のやつだけでも殺してやる」
男はそう言ってナイフを投げるが姉さんの概念武装で防がれる。安全なのを確認して男に向き直り首を絞め上げて体温を下げる
「ねぇ、死にたくないでしょ? だから答えて何の為に戦っているの?」
「教えるかよ。女ごときの力で殺せるとでも?」
「力なんて要らない。人ってさ寒かったりすると体の機能が著しく低下してその場所が凍死するんだよ?」
「なっ‼︎ 分かった話す。ある国の奴だよ。国の名前は知らんが軍事に力を入れている国だ。この国は終わりだ」
「それなら兄さんか沖田さんをそっちに放り込めば大丈夫のような気がするんだけど」
私はその状況を想像すると笑いがこみ上げてくる。特に兄さんの状況だ。兄さんは初めて概念武装を使った時悪魔と言われていたのでそんな奴が国を滅ぼそうとしているなんて絶対世界が混乱する
「それは見てみたい気がする」
「あの二人は死ななそうだから安心だね」
「何でお前らはそんな平気なんだよ」
「「「だってあの人達が負ける事ってそれ相応の概念武装が無いと無理だもん」」」
3人は口を揃えてそう言う。男の首を離す。実際私や姉さんのような特殊型の概念武装無しでは多分倒しきれない上に負けるだろう。むしろ兄さんの概念武装は負の概念武装なので未知数でありこれ以上負の感情を飲み込めば私の概念武装でしか対応が出来なくなるかも知れない。
(何で兄さんが概念武装を持っているか分からない。兄さんにはとある加護が付いているから要らない筈、兄さん以外は私の他にもう知っている人が居ないあの加護があるのだから)
「シーナ‼︎」
兄さんの声がしたのでその方向を向くと兄さんがいた。
「兄さん……ごめんなさい」
私はそう言って倒れ込む

「シーナ‼︎ どうした‼︎ 何があった」
「これはおかしいよ冷た過ぎる。まさか体温操作で体温を下げ過ぎたの? 上げていたであろう片方が完全に戻ってるからその後に体温を下げて戦ったんだね」
「数秒でもそんなことになれば身体が凍ってしまう。どうする?」
「お湯をかけるよ。一気にではなくゆっくりとだよ。一緒について来て」
「中に風呂があったはずだ。行こう。すまんがこいつを縛っといてくれ」
俺はそう言って美空と一緒にシーナを連れて中に入り風呂場でシャワーを使ってシーナを温める。しばらくするとシーナが目を覚まして周りを見渡す。そして状況を把握して俺たちの方を向く
「良かったぜ。無茶しやがって」
「ごめんなさい。少し体温を下げ過ぎて」
「無事だったんだから良かったじゃない。それより彼の目的を聞かないと」
「それなら聞いてるよ。この国を狙っている国があってその国は軍事に力を入れているそうだよ」
「俺か沖田さんがその国に行って暴れれば大丈夫じゃないのか? 俺は悪魔だし」
「ちゃっかり気に入っているの? その名前それよりあの人と一体兄さんは何の関係があるの」
「あの人は斗真といっても合気道を習ってた人だ。美空に負けた後行方不明になっていたんだがまさか人体強化手術を受けていたとは思わなかった。まぁ、俺の自慢の妹には勝てなかったみたいだけどな」
俺はそう言って外に出て斗真の前に立つ
「よう、姉さんを連れて来た方が良いか? がっかりするだろうな。門下生がまさかこんな事になっているとはな」
「久し振りだな。連、元気そうだな」
「そんなもんはスナイプした時に気づいただろう? お前が力を欲していたのは分かるがだからといってこいつらを傷つけようとした事を許すつもりは無いぞ」
「だろうな。お前は昔から自分を傷つけても仲間を助けようとする人間だ。だからこそなぜお前が負の概念武装に力を貸した‼︎ 奴の犯した大罪は……」
「そこまでにしてもらおうか斗真殿」
「お前は霊雷壊殲か?」
そこには若い少女が立っていた。少女は金髪で可愛いイメージのある少女であった。
「そうよ。ごめんねマスター、君を利用したんだよ。そして君を殺すごめんね」
俺は貫かれてしまう
「なっ‼︎ がはっ…………なんてな。手前如きに負けるほど俺は弱くねえぞ。クソガキ」
「嘘……君は一体誰なの」
俺は腹を勢いよく殴り少女は倒れ込む。
「兄さんいや、天城徹、何故今出て来たの」
「こいつは死にかけていたんだよ。だから俺が変わってやったのさ。まぁ、変わったというよりかはこいつと俺は同じ人格だけどな。人格移動の加護、俺の力だ。名前が違うのは俺が分かりやすくしておいたからだ。ところでこいつはどうする? 殺すか?」
「殺さない。それより兄さんに早く戻ってじゃないと何をするか分からない」
「はいはい、早く戻るよ。たく仕方がないな。お前の愛しの兄に戻ってやるよ」
そう言って徹は俺と変わる
「が、なんだよまたか変わったのか。助かったから感謝はしているがこの加護は厄介だな」
「兄さんそれよりこの子どうします?」
「こいつが犯した大罪について教えてくれ斗真」
「こいつの罪は強欲と憤怒だ。欲深く1人の人間を欲して怒りで国を滅ぼした。それがこいつの罪だ」
「よくそんなこと知っているな。まぁ、良いが今はこいつのマスターは俺だからそんな事はさせない。こいつは俺の命令に従わせる。良いな?」
俺はそう言って霊雷壊殲を抱える。こいつは気絶しているが油断がならないため部屋の中で閉じ込めて全員で警戒しながら色々と聞くか
「異議はないよ。兄さんの命令なら多分聞くと思うよ」
「そうか、それなら良いが取り敢えず全員でこいつを見張るぞ。斗真は放置しておいても良いだろう」
俺はそう言って店の中に入って部屋のベッドに寝かせる。その後全員が集まってから扉を閉めて起きるのを待つ。約2時間くらい経った後に目を覚ました
「ここは? ‼︎ マスター?」
「俺はお前のマスターだ。あいつも変わらんがまぁ、そんなのは後だ。お前はなんで俺を殺そうとしたんだ?」
「その前になんで貫かれて平然としているの?」
「気にするな。そんな事よりなんで殺そうとしたんだ?」
「大罪がバレたから」
「くだらない。そんなことで俺は殺されかけたのかよ。マジでくだらない」
俺はため息をついて叩く
「くだらないって何‼︎ 結構私にとっては……」
「お前にとって大事でも俺にとっては大事じゃないんでな。取り敢えずは解決という事で良いか、他にもやることがあるんだから力をとっととかしやがれ。俺の概念武装様よぉ。しっかりと働いてから文句があるならその後に言え。シーナちょっと来い」
俺はそう言ってシーナとともに退室する。外に出て人のいない場所についてから止まりシーナの方を向く
……おい、少し聞きたいのだがこれ以上厄介ごとは無いよな?
……多分無いんじゃないかな? 分からないけど
……これ以上あったら精神的に持たん
……そうだね
「何か用? 兄さん」
「お前も体温操作出来たんだな」
「私たち二人は出来るの」
「成る程な。美空の占いの結果お前達の存在を国民が知るそうだ。だから俺は国が変わるまで俺が守るらしい。他の奴にも伝えようと思うが最も面倒ごとになりやすいのはお前だから先に言っておきたかった」
「たしかにそうだね。兄さん私達を守ってくださいよ。頼みましたよ」
「任せろ。必ず守ってやるよ」
……任せましたよ。必ず守ってくださいね。私も
……分かってるよ。ニーナもしっかりと守るまぁ、美鶴の概念武装を使って騙してそれでも無理だったら俺が悪魔の姿になって前に出れば混乱して近づかなくなるだろうよ。近づいてきたら殺すかな?
……駄目だよ。殺すのはNG、マスターは攻撃をしてきたら腕一本程度なら良いよ
……腕一本ならいいのかよ。まぁ、巫山戯たこと言ってたら腕一本は最低貰っていくぜ。
……美鶴ちゃんが暴走しないように見えおきますね。
……分かった。頼んだぞ。
俺はそう言って店に入り全員に伝えて美鶴に概念武装を使ってもらい認識を変更するがこれは店自体は変わらない為バレたら一気に来られる。そうなったらおれが出るしかない。警察や自衛隊など国の人も闇商人なども今回は関与して来ないのでただの一般人しか来ないので勝負になったらややこしくなるが負ける事は無い。こちらには戦場育ちの兵士とサイコパスと概念武装使い3人と概念武装本人が1人と闇商人と茉耶姉さんが武器を持ってこちらにすぐに来るそうなので合流してから後々どうするかを決める。約2時間程経った後3人が店に来たので全員を集めて作戦を考える
「時間はどれくらい?」
「3日だ。食料とかは足りるが問題は一般人どもだ」
「殺しては駄目だよね? 一応非殺傷武器も持って来てるけど」
「殺しては駄目だ。まぁ、巫山戯た前をしたら俺が全力で戦う」
「少しは痛い目に合わせるぐらいなら仕方ないよね」
「相手の行動によってはありだと思います」
「良いんじゃないの? 澪非殺傷銃を貰っていくね」
「はい‼︎ どうぞ茉耶様、どうか私も貰ってください」
「良いわよ。遊んであげるわ。澪」
「……茉耶様? 茉耶姉一体何をしたんだ?」
「さぁね、何をしたんだろうね」
茉耶姉さんはそう言って笑い澪を抱き寄せている
……怖いんですけどこの人
……茉耶姉何をしたんだ。恐ろし過ぎるぞ。見ないうちに何があったし
……澪さん知らない内に……怖過ぎる
……下手をしたら1番変わったのって茉耶姉なのか?
「各自準備せよ。さて、防衛戦だ。敵の行動次第では手加減する必要は一切ない‼︎ 最初は非殺傷銃で応戦でそして相手が殺傷道具を持って使って来たらこちらも殺傷武器にて応戦せよ」
「分かったわ。私が前に出るわ。わたしの事は知らない筈だから澪行くわよ」
「はい、絶対に守ります」
「任せたわよ。頼りにしてるね澪」
そう言って茉耶姉は澪と一緒に部屋に移動する。
「……じゃあ俺も部屋に行くな。多分明日はまだ大丈夫だと思うが油断せずに準備しておけよ」
「なら私達も部屋に行こうかニーナ行こ」
「姉さん私達も行こうよ話をしたいし」
「じゃあ私も」
「? 分かったよ」
全員各自部屋に戻り明日に備える
……どうします?
……まずは姉さん達に任せる。ニーナと霊雷壊殲は変な動きをしている者がいたらバレないように排除を頼む。
……スパイの可能性があるからね。分かった任せて
……店の位置のせいで多分バレやすいけどまぁ、今更だからな。取り敢えず反対側の建物の屋上で俺は見張るからニーナは警戒範囲を最大にして構えておけ
……異変があったら伝えるね。それまでは出来る限りバレないように隠れてて
……分かった。茉耶姉と澪なら心配はないと思うけど万が一があったら困るからな
俺はそう言って眠る。
翌日、扉を叩く音がしたので目を覚まして扉を開くとそこには美鶴が立っていた
「? どうした美鶴」
「中入って良い?」
「良いぞ。今の時間は3時か。何用なんだ?」
「特に用は無いけどただ一緒に居たかったからだけど駄目?」
上目遣いで聞いてくる。俺は美鶴から顔を逸らす。
……おやおやどうしたのかな?
……おやおやどうしたんですか?
……笑ってんじゃねえよ。こいつ可愛いんだよ。てか、お前らって寝ないのか?
……概念武装は寝ませんよ。
……幽霊は寝る事ありませんよ。
……暇人どもが‼︎
……襲っちゃえば?
……巫山戯んな。そんな事は出来ねえよ。それよりもまだ終わってねえんだぞ。
……それじゃあ、いつまでもそのままだよ?抑止力として戦うんだから
……抑止力として俺は働くがちゃんと
……人は死ぬんだよ? まぁ、わたしの力を使えばなんとかなるけどさ
……そんな事は分かってるんだよ。はぁ、もういい、手っ取り早く終わらせてやるよ
……? それってどういう
……抑止力として働くさっき考えた作戦が台無しになった。この国の秩序を維持する為に俺と沖田さんと朝霧さんで契約を交わす。朝霧さんは概念武装を持っては居ないが十分強いだろうから戦闘になっても心配ない。俺は他の場所に向かう。連絡を取らないとな。
「美鶴すまないが少し今日防衛作戦とは違う事をしたいから指揮を取ってくれないか?」
「嫌だ。それだったら私も行く」
「……分かった。お前も来い」
「うん、行く。邪魔はしない」
……守りなよちゃんとな
……守る絶対にな。お前らこそ頼んだぞ
……任せなさい
……頑張ります。任せてください
「美鶴準備しろ。すぐに向かうぞ。眠いか?」
「眠い……1時間したら起こして」
美鶴はそう言い残して眠ってしまう。ベッドに寝かせてから準備をする。2人と連絡を取り沖田さんには急遽警察署で行う事を教えて
準備してもらう。相方には沖田さん佐原で朝霧さんは朱音を連れてくるそうだ。
サブマシンガン二丁とハンドガン一丁を隠し持つ。これは契約時に問題が起きた時に使うという建前の為に持っていくものだ。持っている事が分かるように微妙にマガジンを見せる。3人のリーダーが契約を交わすのだから警戒しているように見せる。本当に戦闘にでもなったら銃なんて使わん。朝霧さんは銃を使うと思うが特別製の物だろう。
警察署でやる理由は今の状況で1番落ち着いている場所であるからと記者が集まりやすいからである。ちなみにもう国の変化には全員気づいている為会社とかが休みになって多分ニュースを見ていると思う
「一時間経ったぞ。起きろよ」
俺は美鶴を起こして準備させる。
「お前も銃を持っておけよ」
「建前でしょ。分かってるよ」
「記者の前に出るんだぜ。それぐらいしとかないとな。まぁ、俺たちは普通にしていれば良い。記者に何か言われても答え無くて良いぞ」
「3人の組織リーダーが契約する為に会うか。ついこないだ全メンバーで揃っていたような気がするんだけど」
「気にするな。今回はシーナが前に作った契約書を使う。朝霧さんに不利そうに見えて沖田さんには有利そうに見えて俺には損得が無いような感じの内容だった筈だ」
「国民を騙すと言う事?」
「そんな感じだな。準備出来たか? 行くぞ」
「出来たよ。早く行こう。時間はいつ?」
「9時だ。記者達が集まってからその場所に全員集まるという事にするらしい。沖田さんで俺で朝霧さんの順番でな。その時だけ敬語はなしだってさ」
俺達は一時間経った後に店を出て夜鬽に用意してもらったバイクに乗る。二人乗りは駄目だが警察が動いていない為ぶっちゃけバレない。俺達はバイクに乗って警察署に向かう。
……外に誰もいなかった?
……居なかったぞ。誰一人としていなかった
……分かった。警戒はしておけよ
2時間程走って向かう。沢山の車が同じ方向に向かっている為記者や野次馬辺りだと思われる。俺達がいる事がかなり怪しいと考えられるが気にしている余裕はないらしく無視される。
「まさか二人乗りしとる奴が3人のうちの1人とは思わんよな」
「だね。元高校生だしね。まぁ、記者とかに舐められないようにしないとね」
「そうだな。鎧を纏えば良いかな?」
「それはそれで混乱するから駄目だよ。まぁ、そんな野暮なこと聞く奴はいないと思うよ」
「そうだな。面倒ごとは避けたいな。他にも色々とやる事あるから」
警察署に着いたので中に入ると沖田さんがもう記者会見をする場所に座っていて話をしているようだ。後ろに佐原がいる。朝霧さんが扉の前に立って待っている
「朝霧さん早いですね」
「あぁ、そろそろお前の番だ。準備しろよ」
「分かってますよ」
「シーナが作戦の奴用意したんだろう?」
「そうですよ」
「あいつが作ったんなら心配無いな」
しばらく待つと沖田さんが手を組んだ。合図である。俺たちは部屋に入り沖田さんに話しかける
「よう、沖田久し振りだな」
「久し振りだな連、あいつはまだなのか?」
「知らねえぞ。まだ来てねえんじゃねえのか?」
俺たちは会話をして俺は座ると記者が一気にこっちを向く
「若いぞ。こんな子供が第3の組織のリーダー?」
「後ろの子も若いぞ。高校生ぐらいじゃ無いか?」
「若いとかそんなんどうでも良いだろうがとっととやりたいんだけど?」
俺はそう言って記者を威嚇する。記者が大人しくなって少し経ったら朝霧さんが入ってくる
「よう、元気そうだな」
「元気だぜ。最近色々とあったがな。なんとか無事だ」
「元気だぜ。久しいな朝霧、お前があの契約を結ぶ気とはな」
「そうでもしないと何をされるか分からんからな。大人しく3分の1で許可してやるよ」
「それよりさぁ、俺のアジトになってる店が国民がわんさか来てんだけど記者もいたなぁ。手を引いてもらえねえか?」
「無理だな。警察としても止めれるような量じゃ無い。忠告はしておこう」
「それで頼むぞ」
「それなら警察がこっちに来ないようにしてくれねぇか?」
「それは駄目だ。貴様が何がするか分かったもんじゃ無いからな」
「たしかにそうだね」
「朱音お前が笑うな。まぁ、良い早く本題入るぞ」
「契約の事が書かれた物です。スクリーンにも写します。今回は記者の皆さまでも分かるようにこの場をお借りして発表します」
佐原が説明を始める。美鶴はその手伝いをする。設定では俺は中立のため2人と友好関係を築いているで2人は仲が悪い警察と犯罪者となっている。全員が演技をしっかりとやらないと怪しまれる為全員がボロを出さないようにしている。一応俺はタメ口だけど敬語になっても良い。年下だからという理由で通るだろう
……今どんな状況だ?
……国民が大量に来てる茉耶姉と澪が前に出てどうにか止めているけどいつまで持つか分からない。それに土下座しろとか言ってきてる。下心丸見えで
……メールを送ってくれ。今こちらで話を振るから
……分かりました
俺はメールを送られてきたのを確認して携帯を開く。内容は『国民大量発生』と書かれていた
「沖田、国民が大量に発生して困っているそうだ」
「発生とかいうなよ。それはマジか? 相手はなんかして来たか?」
「土下座しろとか言っているみたいだ。なんでだろう? 後下心丸見えらしいぞ。何かをしようとした瞬間に俺はここから出てそいつを吊るし上げる気でいる」
「マジかよ。やっちまっても良いんじゃ無いのか?」
「それは許しがたいね。君の仲間って全員女の子でしょ」
「そうだぜ。個性的ではあるが女だ。沖田と佐原何か方法はないか?」
「早く契約を結ぶぞ。そうすれば警察の方で守れる」
俺達は会話をしているとまたメールが来た。内容は『茉耶さんと澪さんがスタンガンでやられて国民に囲まれてる』
……囲まれて何かされてるよ
……あれは上着? ⁉︎服を脱がされてる。
……非殺傷武器で応戦しろ。茉耶姉達を守れ
……茉耶姉達は上着を脱がされただけで外傷はないし何もされてないそうだよ
……店の中に入って非殺傷武器を撃つ。
……誰一人として中に入れるなよ
「ちっ‼︎ くそが‼︎ 席を外す。美鶴後は頼んだぞ」
俺は立ち上がり部屋を出ようとするが沖田さんに止められる
「連何があった」
「茉耶姉と澪がスタンガンで気絶させられたそうだ。後上着が脱がされかけていたらしいまぁ無事だがな」
「行くな。契約を結んでからだ」
「だが‼︎ 奴等を許す気はないぞ。国民であろうと俺は秩序を維持する為にそいつらを殺す」
「殺すのは駄目だ。しかし、法で裁くことは出来る。あいつらを信用しろ。こっちはこっちで進めるぞ」
「分かったぞ。続けよう」
俺は再び座り続きを行う
……状況を伝え続けろ
……分かった。この子達全身を服で覆ってたから良かったよ。彼女らの肌をこんな下衆どもに見られなくて良かった。
……頼んだぞやむ終えない場合は殺傷武器を使っても構わん。しかし、殺すなよ。生かしておけ
……分かった
……分かりました
「契約の内容ですがこれで皆さん大丈夫でしょうか」
「異議なし」
「異議はない」
「問題ない」
「それでは契約を結びます。あの言葉をお願いします」
「「「我らはこの契約を元にこの国を変えることを誓う」」」
「連これで法律を使える。やるぞ。朝霧力を貸せ。佐原も来い」
「分かっている。朱音お前も来い」
「分かった」
「分かりました」
「美鶴行くぞ」
俺たちは走って部屋を出る。記者達は何が呆然と立ち尽くしていた
……終わったぞ。そっちにこの場の全員で向かっている
……こっちはなんとか大丈夫、数人を軽く撃ったから動いていない。まぁ、ぎゃあぎゃあうるさいけどね
……死守しますよ。こっから先には行かせません。
俺たちは各自来た車とバイクに乗って移動する。交通ルールガン無視で急ぐ。相手の数は大体5万人程度だそうだ。ただの一般人だけなら造作もない事であると同時に俺は鎧を纏って抑止のリーダーはあの一時期話題になった悪魔であることを知らしめて恐怖を与える。相手は近接武器と飛び道具を持っているようだが飛び道具は盾で防がれて近接戦闘はまず出来ないのでこちらが今は優勢らしいがいつまで持つか分からないそうだ。
「今の状況はどうだ?」
「現在こちらが優勢のようです。しかし、数が多いのでいつまで持つか分からないそうです。後10分でつきます」
「概念武装を使うぞ。朝霧はどうする?」
「俺は銃二丁で充分だ」
「ですよね。大丈夫そうですね。では恐怖を味合わせて上げましょう」
「殺る気バッチリだな」
「殺すなよ。駄目だからな」
「心配無いですよ。殺しはしませんので」
その後すぐに俺たちはその場に着いたので降りて店の前まで掻き分けて進む。
……銃撃を止めろ。俺たちが着いた
……分かりました
銃撃が止まった瞬間に前の奴らが襲いかかるが朝霧さんが銃を撃って敵を無力化する。
「貴様ら止まれ。全員捕らえる」
沖田さんがそう言って全員を止めるが武器を持っていた奴が全員沖田さんに攻撃をしようとする。
「無能が」
沖田さんは概念武装を身に付けて完全に攻撃を防ぐ
「赤服の魔導師だと‼︎ いや待てお前さっきニュースで見たぞ。警察だろうが」
「警察だ。だからこそ貴様らを捕らえる逃がさない」
美鶴が水を使い周りを囲む。俺は前に出る
「おい、お前らは何がしたいんだ?」
「ガキに用はない」
「こいつ組織のリーダーだぞ」
「お前達が攻撃をする奴らは俺の仲間でな。もう一度貴様らが何をしたいんだ?」
「国を変えるとか言ってたんだろ? お前らので色々と面倒になっているんだよ。こいつらに何かしてもらわないと困るんだよ」
「そうか。仕方がないな」
俺はそう言って鎧を纏い刃と尻尾を生やして攻撃をする
「な‼︎ 悪魔だと‼︎」
「悪いがお前ら全員捕らえる。総員捕らえよ」
俺が指示を出すと店内に居た全員が飛び出して制圧して行く。沖田さんは峰打ちで気絶させて俺は縛り上げて投げて壁や地面にぶつけて気絶させる。他のメンバーは非殺傷武器で制圧する。約10分程度で制圧を完了させて近くの刑務所に全員放り込んで刑務所を閉める
「全員無事だな。良かった」
「じゃあ俺たちは戻るな」
そう言って沖田さん達は各自帰って行く。
「これで終わり?」
「多分な、まぁ、これからだ仕事は」
「そうじゃあ行こう」
「そうだな」
……美鶴ちゃんに何も言わないの?
……は?
……言いなよ。美鶴ちゃんのおかげでもあるんだから
……分かったよ。何を言おうかな?
「美鶴少しいいか?」
「? 良いけど何?」
俺は美鶴が近づいてきたのを確認して抱きつきてキスをしてすぐに離れる
「え? 何を」
「ただ意思を固めようと思っただけだ」
「? どういう事?」
「行こうぜ。お前を離さないから心配は無いぞ」
俺はそう言って美鶴の手を強く掴んで店に歩いて行く。
その後この事件の事は色々と問題になったがすぐに解決した。その後は抑止力として大きくなり過ぎた力をこちらで抹消して無かったことにして警察や裏ルートを使って情報を手にしたりしたが記者が問題を聞いてきても沖田さん達が解決して裏の方で何かを企んで居たらそいつらを朝霧さん達が捕らえるなどをしてこの国のバランスを保っている。国民に力で支配されていると言われて批判しているが秩序を守るためにはこの方法しかないと言ってあえてその問題を長引かせている。
そして2年後
「起きたの? 連」
「起きたぞ。いつも通り可愛いな美鶴、今日は何か問題があったか?」
「ええっとね。立て籠り事件の犯人が人をまた殺したという情報が出ているよ」
「警察は何をしているんだ? まぁ、良い。仕事だ。行くぞ」
俺たちは準備をして下に降りる
「おっ、仕事?」
「私たちがやって上げましょうか? ねぇ澪」
「はい、私たちがやりましょう茉耶様」
茉耶姉と澪がそう言う。この2人はなんか前よりも距離が近づいている
「いや、この仕事は俺たちでやる。お前らは他の仕事を済ませろ」
「私たちも他の仕事するからお2人でごゆっくりイチャイチャでもしながらさ」
「仕事なんだけど夜鬽ちゃん? うるさいよ」
夜鬽がふざけていると笑顔で美鶴が叱る。後ろに黒い何かが見える概念武装の力なのか?
「はい‼︎ ふざけましたすみませんでした」
「子供は作らないの?」
「2人の時間を邪魔されたく無いので」
美鶴が美空の問いに淡々と答える
「なんだこれ」
俺は苦笑する。いつも通りの日常で楽しんでいるが俺たちの仕事は秩序を保つ事である事を忘れてはいけない。これからもずっと俺たちはこの仕事を誇りに思い仕事をする事にする
「じゃあ行ってくる。行くぞ美鶴」
では今日も仕事をしようか。この国の為に秩序の為に仲間の為にそして美鶴の為に俺は生きる。
まだ終わりでは無い……この力を使いこの国のいや世界の改変する
改変……内容を変えて違ったものにすることすなわち今迄の当たり前など変わった国では適応されない
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