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病研究編
病弱聖女は妹に魔力の操作を教わる
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城に戻ってからは食事を取り風呂に入ってすぐに眠りにつく
疲れていたからぐっすりと眠れる
翌日朝に目を覚ます
寝た時間が早かったからだろう
「まだちょっと眠いなぁ」
欠伸をしているとエルリカが入ってくる
「朝食の時間です」
「個人でお願い」
「分かりました。着替えも持ってきます」
エルリカが立ち去る
……魔力は回復してる
少し考えた
私は強くなる必要がある
聖女の魔法は使える、これより強くなるには新しい魔法か詠唱短縮や戦闘経験
「……手っ取り早いのは魔物狩り」
朝食を取った後、待機していたレオナルドさんと合流する
「どこかへ行くか?」
「魔物を狩りに」
「魔物を? ……それは難しいな」
「何故です?」
「昨日の戦いで恐らく付近に居た魔物も殆ど居なくなったから探すなら遠出するしかない。しかし、今の状況で遠出は無理だ」
現在、侵攻後の後処理をしている
そして戦力が減り大きな穴が空いた
そんな状況で聖女と騎士が動くのは止められるだろう
せめて城壁等が元通りになるまでは防衛に力を注がないと行けない
……確かに……
「そうですね」
「魔物狩りに行って何がしたいんだ? 研究素材か? それなら昨日倒した奴で必要なのが居たら優先的に渡すが」
研究用の素材も確かに欲しいけどそれよりも重要な話
「強くなりたいです」
「お前は充分に強いだろ」
レオナルドさんに力を認めて貰えているのは嬉しいが足りない
私は足りていない
「もっとです。もっと強くならないと」
私1人が出来る事なんて限られてる
そもそも無能と罵られていたような私が力を得たから調子に乗っていると思われるかも知れない
だけど
「後悔はしたくないので」
私は強い意志を持って言う
私は聖女の力が使えると分かった時から聖女として役目を果たす
ならやれる事は全てやる
どうせ私の命は短いのだからこの命を削ってでも
「と言っても聖女の力だからなぁ。私も分からないな」
「私が出来ます」
声がした方を振り向くとヒナが立っていた
護衛無しで歩いている
城の中だからだろうか
「ヒナ、あれ護衛は?」
「おや、ヒナ様」
「護衛の方とは城に入る時に別れたの。私なら聖女の訓練を受けていますから訓練を出来ます」
確かにヒナは聖女でありずっと訓練を受けていた
そのヒナならやり方を知っている
……あっ、そうかヒナなら
「ヒナは訓練受けてるもんね」
「そうか……だがしかし」
レオナルドさんは少し考える
何か問題でもあるのだろうか
「どうしました?」
「ヒナ様もティロス家の人間だ」
その言葉で私はハッとする
私の件に関わっていないとは限らない
ヒナ以外と言っていたらしいが関わっていないとは限らない
昨日の行動から関わっていないと信じたいが……
「家族の件は聞いています。私に言える事は何もありません。私は見ようとしなかった、そして私の存在が苦しめていた……なら加担していないとは言えません。しかし、力になりたいのは本当です」
「……2人きりには出来ない。良いな」
「はい、構いません。訓練は見られても問題ありませんから」
「それじゃお願い」
「はい、では外に行きましょう。室内は危険なので」
3人で城の外に向かい誰も居ない所で訓練を始める
……聖女の訓練どんな物なんだろ
ワクワクする
訓練は初めて受ける、私には本の知識しかない
どんな物があるか知らない
「聖女の訓練は魔法習得の為の座学と魔力操作、詠唱暗記の練習の3つ」
「成程」
……魔法習得の座学、成程確かに必要、ただ詠唱の暗記とは違うのかな。魔力操作か
「お姉ちゃんは魔法をどのくらい習得してる?」
「全部使えるかな」
「全部? 聖女の名を冠する魔法も全部?」
「そうだよ」
まだ使っていない魔法もあるが使えると感覚で分かる
この感覚は正しいだろう
実際にこの感覚通りに魔法を使って成功してる
「凄い……なら座学と暗記は要らないから魔力操作かな。やった事はある?」
「独学でなら」
ベットの上ではやる事がなかった
僅かな魔力を操作して遊んだ物だ、楽しかった
それは独学な上、訓練とは言えない物ではあったが魔力操作の一環ではある
「ならまず手元に魔力を集めて」
「手元に魔力」
言われた通りに手元に魔力を集める
これはやった事あるので出来る
「小さな玉を作る」
「魔法?」
「魔法は使ったらダメ」
「魔法無し……」
「そう、魔力だけで作る」
習得している魔法なら簡単、既に用意されている流れ通りに魔力を通せばいい
ヒナが使っていた魔法は今の私も使えるからそれを使えばいいから楽なのだ
しかし、魔法無しとなると難しい
魔力を自分で何の補助も無く形作る必要がある
自分で思い描き自分で作らないとならない
頑張って作ると小さな折れ曲がった玉が出来た
「小さな玉が出来たらこれを増やす」
そう言って手馴れたように空中に10個の小さな玉を作っている
全部綺麗な丸い玉
私も真似するが3つ目で爆散した
そして誘爆するように2つの変形した玉も爆散する
……玉が爆散した。魔力って爆散するの? 室内は確かに危険だね
室内で爆散したら周囲への被害が出る
外に出たのはそういう被害を出さない為なのだろう
「ほう、凄いな。初めて見るが中々だ」
レオナルドさんも感心している
そのレベルの魔力操作なのだろう
流石ヒナ、優秀と言われているのは伊達では無い
……流石ヒナ
「師匠が言うには15個作れれば魔力操作が充分だって、後は玉以外の形を作ってそれを増やすとか複雑になる程難しいからそれで訓練かな」
「成程、15個……参考までに今のヒナの最大は何個?」
「最大は数えた事ないかな。何個だろ」
ヒナは試しにどんどん玉を作っていく
1個2個、増える所ではない
15個も余裕で超えている、まだ魔力の玉が増え続ける
……な、何個まで増えるの?
20、25とどんどん増えていく
ヒナは止まらないで増やし続ける
「はっ、やべぇな。どんな技術だよ」
レオナルドさんの表情が変わる
私は今3つ目で爆散した
なのに目の前でヒナはその数倍いや10倍を今作っている
その表情からは余裕すら見える
そうだ、ヒナは今まで1人で現役聖女として数年間活動していた
私のように聖女の名を冠する魔法を使える訳では無いから聖女の力で言えば今の私の方が上
私は愚かにもそう思ってしまっていた
それは間違いだった
私が知らないだけでずっと訓練を積み重ねていた努力家、優秀なのはそれだけの努力をしてきたから
その磨き上げてきた技術は私なんて足元にも及ばない程の精度を誇る
これが現役の聖女様なのだ
「訓練すればお姉ちゃんも出来るようになるよ」
ヒナの周囲に漂う小さな魔力の玉、それが圧倒的な技術力を示している
「これが限界かな」
限界と言って止めた数は40個、小さな玉が空中に40個それも全て綺麗な球形
「数は40個だな」
「これ以上はこの形の球形維持出来ないと思います」
「球形が維持できないか」
綺麗な球形の維持に拘らなければもっと数が作れると言う宣言
……凄いなぁ
私もそのくらい出来るようになればもっと強くなれる
今のヒナは目標だ
「まずは15個」
「そうだね、焦らずやろう」
魔力は多い、だから何度失敗しても良い
何度でもやり直す
何日でもひたすらに繰り返す
時間が無いけど焦ったら何も得られない
今まで時間を無駄に使っていたと思うが過去はどれだけ後悔しても変わらない
今は今やれる事を全力でやる
ヒナに教わりながら訓練を始める
疲れていたからぐっすりと眠れる
翌日朝に目を覚ます
寝た時間が早かったからだろう
「まだちょっと眠いなぁ」
欠伸をしているとエルリカが入ってくる
「朝食の時間です」
「個人でお願い」
「分かりました。着替えも持ってきます」
エルリカが立ち去る
……魔力は回復してる
少し考えた
私は強くなる必要がある
聖女の魔法は使える、これより強くなるには新しい魔法か詠唱短縮や戦闘経験
「……手っ取り早いのは魔物狩り」
朝食を取った後、待機していたレオナルドさんと合流する
「どこかへ行くか?」
「魔物を狩りに」
「魔物を? ……それは難しいな」
「何故です?」
「昨日の戦いで恐らく付近に居た魔物も殆ど居なくなったから探すなら遠出するしかない。しかし、今の状況で遠出は無理だ」
現在、侵攻後の後処理をしている
そして戦力が減り大きな穴が空いた
そんな状況で聖女と騎士が動くのは止められるだろう
せめて城壁等が元通りになるまでは防衛に力を注がないと行けない
……確かに……
「そうですね」
「魔物狩りに行って何がしたいんだ? 研究素材か? それなら昨日倒した奴で必要なのが居たら優先的に渡すが」
研究用の素材も確かに欲しいけどそれよりも重要な話
「強くなりたいです」
「お前は充分に強いだろ」
レオナルドさんに力を認めて貰えているのは嬉しいが足りない
私は足りていない
「もっとです。もっと強くならないと」
私1人が出来る事なんて限られてる
そもそも無能と罵られていたような私が力を得たから調子に乗っていると思われるかも知れない
だけど
「後悔はしたくないので」
私は強い意志を持って言う
私は聖女の力が使えると分かった時から聖女として役目を果たす
ならやれる事は全てやる
どうせ私の命は短いのだからこの命を削ってでも
「と言っても聖女の力だからなぁ。私も分からないな」
「私が出来ます」
声がした方を振り向くとヒナが立っていた
護衛無しで歩いている
城の中だからだろうか
「ヒナ、あれ護衛は?」
「おや、ヒナ様」
「護衛の方とは城に入る時に別れたの。私なら聖女の訓練を受けていますから訓練を出来ます」
確かにヒナは聖女でありずっと訓練を受けていた
そのヒナならやり方を知っている
……あっ、そうかヒナなら
「ヒナは訓練受けてるもんね」
「そうか……だがしかし」
レオナルドさんは少し考える
何か問題でもあるのだろうか
「どうしました?」
「ヒナ様もティロス家の人間だ」
その言葉で私はハッとする
私の件に関わっていないとは限らない
ヒナ以外と言っていたらしいが関わっていないとは限らない
昨日の行動から関わっていないと信じたいが……
「家族の件は聞いています。私に言える事は何もありません。私は見ようとしなかった、そして私の存在が苦しめていた……なら加担していないとは言えません。しかし、力になりたいのは本当です」
「……2人きりには出来ない。良いな」
「はい、構いません。訓練は見られても問題ありませんから」
「それじゃお願い」
「はい、では外に行きましょう。室内は危険なので」
3人で城の外に向かい誰も居ない所で訓練を始める
……聖女の訓練どんな物なんだろ
ワクワクする
訓練は初めて受ける、私には本の知識しかない
どんな物があるか知らない
「聖女の訓練は魔法習得の為の座学と魔力操作、詠唱暗記の練習の3つ」
「成程」
……魔法習得の座学、成程確かに必要、ただ詠唱の暗記とは違うのかな。魔力操作か
「お姉ちゃんは魔法をどのくらい習得してる?」
「全部使えるかな」
「全部? 聖女の名を冠する魔法も全部?」
「そうだよ」
まだ使っていない魔法もあるが使えると感覚で分かる
この感覚は正しいだろう
実際にこの感覚通りに魔法を使って成功してる
「凄い……なら座学と暗記は要らないから魔力操作かな。やった事はある?」
「独学でなら」
ベットの上ではやる事がなかった
僅かな魔力を操作して遊んだ物だ、楽しかった
それは独学な上、訓練とは言えない物ではあったが魔力操作の一環ではある
「ならまず手元に魔力を集めて」
「手元に魔力」
言われた通りに手元に魔力を集める
これはやった事あるので出来る
「小さな玉を作る」
「魔法?」
「魔法は使ったらダメ」
「魔法無し……」
「そう、魔力だけで作る」
習得している魔法なら簡単、既に用意されている流れ通りに魔力を通せばいい
ヒナが使っていた魔法は今の私も使えるからそれを使えばいいから楽なのだ
しかし、魔法無しとなると難しい
魔力を自分で何の補助も無く形作る必要がある
自分で思い描き自分で作らないとならない
頑張って作ると小さな折れ曲がった玉が出来た
「小さな玉が出来たらこれを増やす」
そう言って手馴れたように空中に10個の小さな玉を作っている
全部綺麗な丸い玉
私も真似するが3つ目で爆散した
そして誘爆するように2つの変形した玉も爆散する
……玉が爆散した。魔力って爆散するの? 室内は確かに危険だね
室内で爆散したら周囲への被害が出る
外に出たのはそういう被害を出さない為なのだろう
「ほう、凄いな。初めて見るが中々だ」
レオナルドさんも感心している
そのレベルの魔力操作なのだろう
流石ヒナ、優秀と言われているのは伊達では無い
……流石ヒナ
「師匠が言うには15個作れれば魔力操作が充分だって、後は玉以外の形を作ってそれを増やすとか複雑になる程難しいからそれで訓練かな」
「成程、15個……参考までに今のヒナの最大は何個?」
「最大は数えた事ないかな。何個だろ」
ヒナは試しにどんどん玉を作っていく
1個2個、増える所ではない
15個も余裕で超えている、まだ魔力の玉が増え続ける
……な、何個まで増えるの?
20、25とどんどん増えていく
ヒナは止まらないで増やし続ける
「はっ、やべぇな。どんな技術だよ」
レオナルドさんの表情が変わる
私は今3つ目で爆散した
なのに目の前でヒナはその数倍いや10倍を今作っている
その表情からは余裕すら見える
そうだ、ヒナは今まで1人で現役聖女として数年間活動していた
私のように聖女の名を冠する魔法を使える訳では無いから聖女の力で言えば今の私の方が上
私は愚かにもそう思ってしまっていた
それは間違いだった
私が知らないだけでずっと訓練を積み重ねていた努力家、優秀なのはそれだけの努力をしてきたから
その磨き上げてきた技術は私なんて足元にも及ばない程の精度を誇る
これが現役の聖女様なのだ
「訓練すればお姉ちゃんも出来るようになるよ」
ヒナの周囲に漂う小さな魔力の玉、それが圧倒的な技術力を示している
「これが限界かな」
限界と言って止めた数は40個、小さな玉が空中に40個それも全て綺麗な球形
「数は40個だな」
「これ以上はこの形の球形維持出来ないと思います」
「球形が維持できないか」
綺麗な球形の維持に拘らなければもっと数が作れると言う宣言
……凄いなぁ
私もそのくらい出来るようになればもっと強くなれる
今のヒナは目標だ
「まずは15個」
「そうだね、焦らずやろう」
魔力は多い、だから何度失敗しても良い
何度でもやり直す
何日でもひたすらに繰り返す
時間が無いけど焦ったら何も得られない
今まで時間を無駄に使っていたと思うが過去はどれだけ後悔しても変わらない
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ヒナに教わりながら訓練を始める
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