そして俺は召喚士に

ふぃる

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12話 身近なファンタジー④

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「人混みに隠れてたつもりなんだろうけどさ。
 最初からバレバレなんだよ、ユート。」
 立ち止まり振り返ったキリは、明らかにこちらを見ていた。

 名指しまでされてるんだ、確信あっての事だろう。
 となるとこのまま物陰に隠れていても仕方がない。罪悪感も今更だ。
 キリが手振りで呼んでいる。腹をくくり、それに従う。


 低いビルの間を抜け、それらの外へ。
 山の側に面するそこは余計に人気ひとけが無く、野が広々としている。
 そんなところにわざわざ来る人も居なく、会話は他に漏れ出さなさそうだ。
「で、なんか用でもあるんか?
 それとも、うちに惚れたか?」
 いたずらっぽくニヤリと笑いながらの問い。
 …もしかしなくても、面白がられてるな。
 だけどそのノリには乗らず、言葉を選んで返す。
「キリって『何者』なんだ?」
「……なんだと思う?」

 …試されてる、そう感じた。
 少し思案の時間。
 人の姿を取り成りすます存在、そう考えればいくらかの予想は浮かぶ。
 …ただ神とかそんなレベルの存在だったら看破は無理だろうし、その可能性は諦めて無いものと考えよう。
 思い返すと、人のような姿をした空想存在は多い。けど写真の事から、見た目を誤魔化している事は分かってる。
 そうなると人に化ける存在…妖狐とか?
 あるいは──

 奇妙な感覚だった。
 例えば耳に残ったワンフレーズから、曲を思い出したかのような。
 例えば名前で思い出せなかった漫画のキャラを、絵を見たら全て思い出したような。
 それくらい自然に、認識が切り替わった。
 茶色い毛皮、特徴的な顔の模様。自分でも不思議なくらいに自然と、その狸獣人を、キリであると認識していた。
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