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176話 意外な共通点
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誰が予想しただろうか。
まだ猛暑が続くとはいえ、部屋にこんなでかい氷塊を置く事になるなんて。
「ありがとナナノハ、助かったよ。
まさかこの時期にエアコンが壊れるなんてな……。」
部屋の備え付けのエアコンだったから、元々年季が入ってたのだろうか。電源を入れても吹き出し口が開くだけで、風は出ず。
解決案として最初に当たったナナノハが居てくれて、ほんと助かった。
「いえいえ、これくらいならいつでも!
協力の返礼も、最近滞ってしまってたとも聞きますし。」
修理待ちの数日間、灼熱地獄を覚悟していた。
だけど完全に失念していた。魔法が役に立つのは、別に戦いに限らない事。そしてナナノハが、氷の術も使えるという事。
結果、水道水を直に円柱型の氷にするイリュージョンじみた一時しのぎという答えにに至った次第だ。
「ところで『暑さ』って、人にとってそんな大変なものなのです?」
話しながらもナナノハの魔法によって台所からの水流が空中を走り、次の氷にする為に水桶の上に円柱を形作る。
「むしろナナノハは平気なのか? 暑さとかって。」
「ボクは温度を感じる機能が無くて、暑いも寒いも分からないのです。
ですが、こちらに来た皆さんも、こちらの夏の暑さについて訴えていたので、気になったのです。」
あまりに自然に接してるから時々失念するが、ナナノハは自身の事を「人工物」と言っていた。
こういう常識のズレが出るのも道理というものか。
「…まぁ、ここ数年の夏は特に暑さヤバいからな。俺だってできる限り外出たくないくらいだし。
てか暑さ対策ないと、冗談でも比喩でもなく普通に死ぬ。」
「そこまで言い切る程、ですか。ただ不快というだけでなく。」
「ところで、よければでいいんだけど、前に言ってた『葛藤フェイズ』ってどんなんだったんだ?
もうなんか人間と違うの、なんとも思ってないみたいだけど。」
2つ目の水の円柱が魔法で凍り、3つ目に取り掛かり始めたところで、今度はこちらから質問を。
「構いませんよ。
そもそも『物という扱い』というのも、多分ユートさんが思うような悪い話じゃないんです。
法的に特例を作るより、物として扱ってしまった方が安全性が高い。『独立した何か』より『何らかの支配下にある所有物』とした方が何かと話を通しやすい。そういう便宜によるものなので。
ボク自身も最初はちょっと嫌でしたが、それで助かった場面は多かったので、今はそうしてくれた事に感謝です。」
3つ目の桶の上に、新たな水の円柱が形作られる。
よく見るとナナノハの右手が溶けて、水道水の流れと一体となってる。
「でも法的にそうでも、普段の扱いもそれでいいのか?」
「それは二の次でいいんです、ボク自身がどういう見られ方でも。生き物ではないのは事実ですし。
それ以上に常識からして違うような世界での事、伝達が正しい方が大事と思っての事です。」
「どう見られてもって、じゃあナナノハ自身は自分の事をどう思ってるんだ?」
「この水を媒介とする身も意思のベースも作り物ですが、得体の知れない異界への先陣を切った程の好奇心はボクのもの。それで充分です。」
「それがナナノハの根底、って事か。」
「まぁ、『敵の手に落ち味方を襲う』展開も経験済みなので、もう大概の事では動じないつもりです。」
ファンタジーモノやアンドロイドモノ創作でたまにある展開…あれ、それって……。
「…多分俺も似た経験あるな、それ。」
「本当ですか? ユートさんの事もよければ聞かせてください!」
「そうだな、俺自身、あの時の事はちゃんと思い出しておきたい。
あれは確か3つ前の満月の夜、俺が人狼の呪いを受けた日──」
まだ猛暑が続くとはいえ、部屋にこんなでかい氷塊を置く事になるなんて。
「ありがとナナノハ、助かったよ。
まさかこの時期にエアコンが壊れるなんてな……。」
部屋の備え付けのエアコンだったから、元々年季が入ってたのだろうか。電源を入れても吹き出し口が開くだけで、風は出ず。
解決案として最初に当たったナナノハが居てくれて、ほんと助かった。
「いえいえ、これくらいならいつでも!
協力の返礼も、最近滞ってしまってたとも聞きますし。」
修理待ちの数日間、灼熱地獄を覚悟していた。
だけど完全に失念していた。魔法が役に立つのは、別に戦いに限らない事。そしてナナノハが、氷の術も使えるという事。
結果、水道水を直に円柱型の氷にするイリュージョンじみた一時しのぎという答えにに至った次第だ。
「ところで『暑さ』って、人にとってそんな大変なものなのです?」
話しながらもナナノハの魔法によって台所からの水流が空中を走り、次の氷にする為に水桶の上に円柱を形作る。
「むしろナナノハは平気なのか? 暑さとかって。」
「ボクは温度を感じる機能が無くて、暑いも寒いも分からないのです。
ですが、こちらに来た皆さんも、こちらの夏の暑さについて訴えていたので、気になったのです。」
あまりに自然に接してるから時々失念するが、ナナノハは自身の事を「人工物」と言っていた。
こういう常識のズレが出るのも道理というものか。
「…まぁ、ここ数年の夏は特に暑さヤバいからな。俺だってできる限り外出たくないくらいだし。
てか暑さ対策ないと、冗談でも比喩でもなく普通に死ぬ。」
「そこまで言い切る程、ですか。ただ不快というだけでなく。」
「ところで、よければでいいんだけど、前に言ってた『葛藤フェイズ』ってどんなんだったんだ?
もうなんか人間と違うの、なんとも思ってないみたいだけど。」
2つ目の水の円柱が魔法で凍り、3つ目に取り掛かり始めたところで、今度はこちらから質問を。
「構いませんよ。
そもそも『物という扱い』というのも、多分ユートさんが思うような悪い話じゃないんです。
法的に特例を作るより、物として扱ってしまった方が安全性が高い。『独立した何か』より『何らかの支配下にある所有物』とした方が何かと話を通しやすい。そういう便宜によるものなので。
ボク自身も最初はちょっと嫌でしたが、それで助かった場面は多かったので、今はそうしてくれた事に感謝です。」
3つ目の桶の上に、新たな水の円柱が形作られる。
よく見るとナナノハの右手が溶けて、水道水の流れと一体となってる。
「でも法的にそうでも、普段の扱いもそれでいいのか?」
「それは二の次でいいんです、ボク自身がどういう見られ方でも。生き物ではないのは事実ですし。
それ以上に常識からして違うような世界での事、伝達が正しい方が大事と思っての事です。」
「どう見られてもって、じゃあナナノハ自身は自分の事をどう思ってるんだ?」
「この水を媒介とする身も意思のベースも作り物ですが、得体の知れない異界への先陣を切った程の好奇心はボクのもの。それで充分です。」
「それがナナノハの根底、って事か。」
「まぁ、『敵の手に落ち味方を襲う』展開も経験済みなので、もう大概の事では動じないつもりです。」
ファンタジーモノやアンドロイドモノ創作でたまにある展開…あれ、それって……。
「…多分俺も似た経験あるな、それ。」
「本当ですか? ユートさんの事もよければ聞かせてください!」
「そうだな、俺自身、あの時の事はちゃんと思い出しておきたい。
あれは確か3つ前の満月の夜、俺が人狼の呪いを受けた日──」
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