真水のスライム

ふぃる

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レミレニア編

57話 試験案内②

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 数日後の昼過ぎ、レミレニア入り口の大砦前。
 エンも含めた3人で少々人待ちだ。


 銀板級への昇級試験を受ける事を決め、今日がその初日。
 …なのであるが、ちょっとした不測の事態。

 本来は担当試験官との顔合わせなども無く隠密に行われるらしいのだが、急用につき少し遅れるとの事。
 というのも、この間のミニ銀鞭の一件、あれに似た騒動が連日で起こっている。
 当然対策は後手後手。事務側がてんやわんやなのが、酒場の席からもよく見えた。
 おそらく今回のも、そういう事だろう。


「ああいう事って、前にもあったのか?」
 雑談がてら、エンに聞いてみる。
「ううん、今回が初めての状態ね。
 大道芸人が連れてるとかは聞いた事あるけど、実際に街の中で魔物を見た事は無いし。
 …一人を除いて。」
「カウントは『一人』なんだ。」
「『匹』で数えるのも、なんか違うでしょ。」
 まぁ確かに。
「外からは遠い場所なのに移動中の目撃証言が極端に少なかったり、大まかにだけど現れるエリアが絞られてたり。
 人為的なものである可能性が高いとして、調査が進められてるわね。」
「じんいてき?」
 そのラディの質問に、手早くエンが答える。
「例えば誰か悪い人が、何らかの目的のために連れ込んだ、とか。」
「…ぶっそう、というやつですね。」
「不穏さを伝播させたくないから、街としては対処を焦ってる状態ね。
 ただでさえ外の対処で人手が足りないのに、逆に悠長というか……。」
 そう言いため息をつくエンには、諦観の色すら見えた。


「お取込み中のようだが、いいかな?」
 思案の中に割り込んできたのは、聞きなれた声だった。
「どうも。偶然ですね、ハルドレーンさん。」
「偶然、か。偶然といえば偶然ではあるが、面白い偶然もあるものだな。」
 含みのある言い方。少し考え、おそらくたどり着く。
「え、じゃあ試験官って……。」
 そしてそれは、的中していた。
「本来は対面すらせず行われるはずだったが、こうなった以上、私の流儀にのっとらせてもらおう。
 私はハルドレーン・ロンドラーレ、金板級冒険者にして今回の銀板級昇格試験を担当させてもらう者だ。
 見知りの相手とはいえ、手心は加えんぞ。」
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