真水のスライム

ふぃる

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シント編

154話 拠点制圧①

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 当初、拠点制圧というものは静かなものだった。

 屋内戦闘であるが故に、外からしか見れない一般市民には何が起こってるかろくに分からず、アピール活動には足り得ないとされ、淡々と行われていた。
 しかしそんな活動でも、日常外の出来事として民衆は興味を持ち。予測に反し、徐々に見物人も増えていき。
 それならば、と当初の目的を見失わない程度に英傑側もイベント化を施し。
 そうして今のように、大がかりなものとなっていった。
 …と昨日読んだ本にあった。


 現地は既に配備は完了。
 テムスさんとミレースさんは現地の建物前地上。今回は珍しく…というか初めて見る、ミレースさんの戦闘着だ。
 テムスさんはいつもの棍を既に携え。だがミレースさんはまだ何も持たず。出していないだけなのか、それとも術のみで戦うタイプなのか?

 逆に三兄弟は距離を置き、囲むように三方に分かれた場所で構え。
 それぞれが範囲探知を展開し、逃走者の追跡、および外部からの乱入への警戒。
 見つけた場合どうするかというと「彼らも英傑として十分戦える」との事だが、なんだかそういうイメージは湧かいてこない。

 そして自分とラディは、その中間。
 現地の正面、ではあるが中央に路を空けそれをラディとで挟むような配備。
 状況次第で前線か警戒か、戦力が不足した所を補助する役割だ。

 しかし、今前線にいる二人ですら、観衆にとっては副菜だろう。
 本命はおそらく……。


 そんな観衆は、今回はいつもより遠巻きに。それだけ戦闘域が広がる事も想定しているのだろう。
 加えて目立つ点は、普段は見かけないカメラマンが多く待ち構えている。
 …というかカメラマンに関してはそこだけじゃない。基本的に英傑しか許されない「英傑の路」にも特例で何人か待機している。
 それだけ催し物という側面も強い、という事だろうか? それとも──


 などと思案する中、後方遠くから聞こえる轟く音。
 この間も見た空中足場により整えられた特設の「路」を、数台の二輪の乗り物を駆り走り抜けてくる。
 それらは音圧と共に、目の前に停車し。
 トップチーム「ダーティ・ホイール」のご到着だ。
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