真水のスライム

ふぃる

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シント編

198話 それぞれの答え④

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「なるほど、魔物飼いか。」
 大卓のゲーム、自分もそこに混じり7人に。ゆるく、という事で掛け金は銅貨単位だ。
 ポーカーの亜種で2枚のカードを手札として持ち、卓の中央には4枚目のカードが開示されている。
「『飼育』とはちょっと違う感じの関係だけど、立場的にはそうですね。」
「敬語はいらねぇ、俺ァお前を立派な勝負師と認めてんだからよ。
 コールだ。」
「わかりま…わかった。
 同じくコールで。」
 賭けの手番を回しながら、卓内7人、たまにジェイクさんも混じる雑談の場。その様相はレミレニアでの酒場を思い出すものがあった。

「しかしまぁ、なんとも悪いタイミングだったな。こんな時に路地裏に来ちまうなんて。
 ジェイクの宿なんだろ? あいつ路地裏に来たばかりの奴を取って食うように宿に誘って稼ぐからよ、狩りみてぇに。」
「おい。」
 奥から野次が飛んで来るが、特に気に留める様子もなく。
「タイミングってどういう? トヨロズ…さん?」
「『さん』もいらねぇ。
 今、下の階の店、てんやわんやだろ?」
「比較では分からないけど…確かに慌ただしいとは思ったな。」
「前はもうちょい気楽だったんだ。だが外からひとを誘致して人口は増える半面、英傑は手強くなって『仕入れ』は厳しくなる一方。
 なのにちょっと前に何やら魔術事故があったみてぇで、一気に表から人が流れ込んできてよ。
 物不足なんだよ、端的に言えば。
 レイズだ。」
「物って食料とか?
 コールで。」
「まぁ色々あるが…一番はそれだな。
 このまま行きゃ、路地裏はじり貧だ1。」
「鈍色仮面の勧誘が来たのも、もしかしてそれの関係か?」
「だろーな。鈍色仮面がなんかの準備してるって噂は立ってる。近々何か動くつもりなんだろうな。
 オープン、スリーカードだ。」
「…ツーペアだ。」
 卓の中で最も強い手役の、トヨロズの元へと掛け金が流れる。


「…やべ、もう時間だ、お先失礼するぜ。」
 ラウンドの区切り、ふと時計を見たトヨロズが慌てて席を立つ。
「ぜってぇまた来いよな! 今度は別のゲームで勝負だ!」
 そう一方的に言い残し、返す間も無いまま扉の向こうへ。

「やっと騒がしいのがいなくなったな。」
 と逆側から。言葉の内容のきつさに対し、やれやれといった調子で悪く言った様子ではない。
 見た感じ、普通の徒人ヒューマのひとだ。
「あれでも本当にルールを知らない人にはしっかり教えてやってくれてるから、面倒見がいい…と言えなくはないかもな。
 あ、オレはノグノル。お前と同じで、魔物飼いだ。
 これも何かの縁ってやつだ、今後困った事があったら頼ってくれ。」
 そう言い求められた握手に応じる。
「ありがと、その時はよろしく頼むよ。」
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