英傑活動の傍らで

ふぃる

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102話 そして触れる第三勢力③

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 その日の夕方、鳴る通信機。
 時間の分からない折り返し待ちで場を離れられずの作業の静けさが、そこで区切られる。
「はいこちらダーティ・ホイール。」
「チーム『旋風陣』のテムス・プラーネだ!
 言伝を聞き連絡をつけた次第!」
 圧。
 ミレースのとこの人員というイメージからは、意外過ぎる熱量の男の声だった。

「まずは連絡感謝する。
 赤霧の鎧と交戦したと聞いたが、本当か?」
「あぁ、短時間ではあるが手合わせしたぞ!
 それで何を聞きたい? 平和の為なら協力は惜しまんぞ!」
「交戦してみて、どんな敵だった? 奴の戦闘能力を聞きたい」
 他の情報源では薄い所。被害状況など脅威度を示す記事ばかりで、交戦の記録がほとんど無かった。
「やはり特筆すべきは飛行能力だな。
 移動時の速度は報道されてる通りだが、戦闘においてもそれは脅威的だった。」
「速度がか?」
「それだけでなく鋭敏な軌跡、それによるシット&アウェイの格闘。近接に付き合うのはロスが多い。
 そして距離があっても、黒い針のような飛び道具もある。近接主体の俺では、相性の面で大きく不利、そう感じた。」
 高速の空中機動力と魔術により生成した武器、ロイノから聞いたそれとおおよそ一致する。
 だとしたら、

「もう1つ聞きたい。
 赤霧の鎧の行動に、妙なところはなかったか?」
「戦闘以外において、か?」
「あぁ。報道でも破壊規模の割に、妙に偏ってるように見える。
 …具体的には、人的被害はあったか?」
 思考の間を開けて、テムスが答える。
「確かに、移動の高度が高く赤霧の鎧の攻撃はほとんど地上には届いていなかった。
 失踪まで高度を維持して移動していたから、地上への損害は殆ど出していない、そう予測できる。」
「そうか、ありがとう。」
 思い付き程度だった推測が、確信に変わる。
 奴…ではないにせよ、その背景はおそらく。
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