アブノーマル・アビリティ

ハイドン

文字の大きさ
7 / 14

登場

しおりを挟む
静かな廊下を園部の部屋に向かって歩く
自分の足音だけがいたずらにコツコツと響いた。

俺は歩きながら頭の中を整理していた。

今1番最優先することは能力の発動条件を知ることだ。実践で役に立てるように…


そして俺はもっと大きな問題に気が付いた。

何故気付かなかったのか。

よく考えたらおかしいじゃないか。

あんなことが起こりうるはずはないのだ。

なにがどうなったらあんなことが起こるんだろうか……


鍵をかけた部屋に理乃さんがいた……。


恐怖の事実に気が付いてしまった俺は園部の部屋の前に着いた。
今度はしっかりノックする。


「はーい」


中から出てきたのは園部…ではなく知らない女の子だった。


確か園部は肩甲骨のあたりまで綺麗な黒髪が伸びていていて整った顔立ちをしている溌剌とした女性だったはず。

しかし俺の前に立っているのは前髪を雑にゴムで縛り、ところどころ寝癖がついていて、ダボダボのTシャツを着た引きこもりのような女性だった。


「すみません、部屋を間違えました。園部さんの部屋を教えてもらえないかな?」


「寝ぼけてるんですか?ここであってますよ?」


「あー、ルームメイトの子だったのか。呼んでもらってもいいかな?」


「ここは私1人の部屋ですよ?誰を呼ぶんですか?」


「園部……さん…?」


「はい?」


華のJKって感じだったのに少しがっかりした。


「能力のことについて聞きたいんだけどいいかな?」


「あがってください。変なことしたら凍らせます。」


苦笑いするしかなかった。
あまり整理された部屋ではなかったが、女子らしい部屋だった。


「私の能力は熱操作です。対象の温度を操れます。物質の内側でも外側でも凍らせたりとか燃やしたりとか。」


「能力を出す時はどーやってるの?」


「念じる感じですかね?うーんって」


「へ、へー(わからない。。)」


そのときだった。警報が鳴った。


「あ、私今日お休みもらってるんで、頑張ってください」


「え。」


「おい新人行くぞ!」


突然入ってきた神谷にまた引っ張られて目的地へ向かった。


今度も北地区だった。

前回のカメレオンの時からまだ復旧は間に合っていない。
建物は倒壊しているものが多いとは言えど、早く敵を発見できた方がいいので神谷と二手に別れた。
太陽の陽射しがあたり一面を明るく照らしている。
前回のように姿を消しているかもしれないので警戒しながら進む。


「おーい、お兄さーん」


上から声が聞こえた。
見上げると壊れかけたビルの上に人影があった。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

予言姫は最後に微笑む

あんど もあ
ファンタジー
ラズロ伯爵家の娘リリアは、幼い頃に伯爵家の危機を次々と予言し『ラズロの予言姫』と呼ばれているが、実は一度殺されて死に戻りをしていた。 二度目の人生では無事に家の危機を避けて、リリアも16歳。今宵はデビュタントなのだが、そこには……。

『お前を愛する事はない』なんて言ってないでしょうね?

あんど もあ
ファンタジー
政略結婚で妻を娶った息子に、母親は穏やかに、だが厳しく訊ねる。 「『お前を愛する事は無い』なんて言ってないでしょうね?」

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

あなたが後悔しても、私の愛はもう戻りません

藤原遊
恋愛
婚約者のアルベルトは、優しい人だった。 ただ――いつも、私より優先する存在がいただけで。 「君は分かってくれると思っていた」 その一言で、リーシェは気づいてしまう。 私は、最初から選ばれていなかったのだと。 これは、奪われた恋を取り戻す物語ではない。 後悔する彼と、もう戻らないと決めた私、 そして“私を選ぶ人”に出会うまでの、静かな恋の終わりと始まりの物語。

処理中です...