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第二章
第1話 突然の訪問者
「お前ら!今日もオル様の配信始めるぞ!」
ゲーミングチェアに寄り掛かりながら、大きな声で拳を突き出す。
この俺、人気ゲーム配信者のオルこと尾崎 累(おざき るい)は、今活躍するゲーム配信者だ。
『オルの配信来たぁぁぁぁ!!』
『俺の癒し』
『待ってたぜー!!』
『やっほーオル!!!!』
☆『待ってた、オル』
いろいろあって高三になった現在、俺のチャンネル登録者数はぐんぐんと成長し、今ではかなりの知名度を獲得した!
順調だからこそ、俺はこれからも手を抜かずにいつも通り配信をしていく。
調子のいいことを言ったり、ふざけたりする自由な配信が、今の若い世代に響いたようで──日に日にコメントや視聴者数は伸びていく一方だ。
「今日はこの敵を倒す。前回は勝てなかったから今回こそ……!!」
☆『いや無理だろ。オレが手伝うよ』
『前回あんなに無様に負けたのにww』
『ノーキさんにサポートしてもらお笑』
『オル、旦那さんに頼むんや』
『ノーキさんに土下座して頼もうぜw』
そう。コメントでチラホラと名前の上がる「ノーキ」という人物。
そいつの正体は、俺と同じく配信者をしている、茶髪イケメン男子高校生だ。
「いいやノーキの手は借りない! 俺はひとりで倒すんだ!」
俺がムキになっているのには訳がある。それはノーキのチャンネル登録者に、悔しいほど僅差で負けていることだ。
微妙な差は縮まらないまま、俺たちは二人とも上へ上へと昇ってきている。
ノーキと胸を張って肩を並べるためにも……俺ひとりでも出来るってところを見せつけなければ!
そんな想いを込めながら俺は、気合を入れてコントローラーを握った。
「よし。行くぞ、お前ら!!」
『やる気がすげぇwww』
『応援してんぞー!』
『オルがんば!!』
☆『その雑魚は目玉を狙えば倒せる。手伝おうか?』
『やっちまえオルー!』
俺はふうーっと息を吐き、完全集中モードに切り替えながら画面を見つめる。
さあ、今度こそ勝ってみs──
「オル」
ゲームスタート直前。
俺は背中から響いた声に反応し、コントローラーから手を離す。反射的に振り返ると……その人物は、なんと、俺の真後ろに立っていたのだ。
『え? 今なんか声しなかった??』
『オル? どうした?』
『ゲーム始まるよー?』
『なになに? どしたん……』
『動かない!?』
『……どしたオル??』
俺がコントローラーを握っていないためゲームは開始されない。リスナーさんは動かない画面に戸惑いの声を上げている。
『オル?……誰か来た?』
『え、怖い怖い』
『生きてる……? どうした?』
『大丈夫かっ!?』
『さっき名前呼ばれてなかった!?』
俺はコメントを見る余裕もなく、驚きのあまり、その場で声を張り上げてしまった。
「な、なんでいるんだよ? ノーキ!」
そう。俺の後ろに現れたのは──
茶髪のイケメン高校生。ノーキこと、宇野 光輝(うの こうき)だった。
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