【完結】陽キャのフリした陰キャ配信者がコラボきっかけで付き合う話

柴原狂

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第三章

第25話 仲直り


 俺とノーキはキルさんの部屋を後にしてもなお、互いに口を閉ざしていた。

 気まずい……すごく気まずい。何から話せばいいのか分からない!!
 言いたいことは沢山あるのに、言葉より感情が溢れ出てしまい、どうにかなりそうだ。

 するとその時。ノーキが突然、俺の手を握ってきた。

「……え? 光輝?」

 俺はすぐさまノーキに戸惑いの声を上げる。だがノーキから言葉は返って来なかった。

 オル混乱しながらも、目前の男に従って歩くことにした。

* * *

「ここは……」

 そうしてやってきた場所を見上げるなり、唖然と目を見開く。俺の視界が捉えたのは、ノーキの家だった。

「入って」

「お、おう」

 相変わらず彼の両親は居ないようだ。数日来てなかっただけだと言うのに、この部屋の空気感に懐かしささえ覚える。

「累」

 そんなことを考えていたら、リビングに着いたところで突然、光輝に名前を呼ばれた。話すなら今がチャンスだ……!

 彼の言葉に反応した俺は、ギュッと拳に力を込めると大きな声で言った。


「光輝……ごめん! そもそも俺が周りの意見に左右されず、光輝の言うことをちゃんと聞いてればこんな事にはなってなかった。誤解を招くようなことしてごめん。何度も言うけどあれは……」


 咄嗟にあの時の誤解を解こうとしたが突然、光輝に頭を撫でられてしまい、俺はボッと頬を染める。

 すると光輝はいつも優しい笑みを見せたあと、眉を下げて俺に言った。


「オレの方こそ、ごめん。累はそんな事しないって、本当は分かってた。でも……分かっててもイライラして、モヤモヤして、嫉妬を抑えきれなかった。傷つけてごめん。嫌な思いさせてごめん」

「いや、光輝は何も悪くないって……! 俺の方こそ、本当にごめん」


 突然、頭を下げ出した光輝を見て、焦った俺も対抗するように頭を下げる。

「「……」」

 数十秒間、俺たちは互いに黙ったまま、頭を下げ続けた。

* * *

「こ……こーき?」

「……」

「光輝?」

「……」

「……おい光輝っ! もう顔上げろよ……!」

 しばらく時間が経った後。痺れを切らした俺はとうとう沈黙を破ると、お辞儀したままの光輝に話しかける。

「累、許してくれるの?」

 光輝は上目遣いで俺を見ると、不安そうな表情でそう言った。

「いやいや、光輝は何も悪いことしてないから! 俺が悪いんだよ。謝るのは俺の方なんだって……」

 俺がそう言って困った表情を浮かべると、光輝は何故かいつもの笑顔を浮かべ、笑い声を上げた。

「ふっ……なんか二人して謝ってるの面白いね。それじゃあ累、一緒に仲直りしよ」

「な……仲直り??」

「うん」

 俺は頭にハテナを浮かべるが、光輝は何故か楽しそうに部屋からナニカを探し出す。
 一体何をしようとしてるのだろうか。

「あった」

 それからすぐ、光輝が声を上げたのを見て俺はジッと彼を見つめる。そして──


「お、お前……それっ」


 頬を真っ赤に染めて、俺が驚きの声をあげると、光輝はにっこりと綺麗な笑顔を浮かべて言った。


「おいで累、仲直りしよ」



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