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さようなら先輩
先生が私に話したことは、殆ど憶えていない。
多分、上からわかったような口調で、当たり前の説教を垂れ流しているだけだったから。
ただ黙って。
俯いて。
弱々しく相槌を続けて。
そんな様子から教師は反省の色をくみ取ったらしくて。
私は思ってたよりも早く解放された。
(死ねばいいのに……)
「あっ、里中さん」
「っ!?」
生徒指導室を出ると、私の目の前には先輩が居た。
(そういえば、先輩からも話を聞くと言っていたっけ……)
「良かった、ここに居たのね。私も呼び出されちゃって。それを伝えないとって思ってたんだけど、教室にも校門にもいなかったから。すれ違ったせいで待ちぼうけさせてしまったらどうしようって気にしてたところなの」
「……そうですか」
「でも、私と里中さんのふたりともが呼び出されるなんて……もしかして、買い食いがバレちゃった? ふふ、それだったら大変ね」
「……」
「あっ、でも安心して。あれは私が勝手に始めて、里中さんを付き合わせていただけだから。ちゃんとそこは説明して、里中さんに迷惑はかからないように――」
「先輩、今日は私一人で帰りますね」
「えっ…………。そ、そうね。もしかしたら、里中さんを長い事待たせちゃうかもしれないし……。それなら、また明日の朝にね、里中さん」
「……いえ、もう付き添いはいいです。登校も一人でできますから」
「……えっ? で、でも――」
「これからは登下校は一人でします。ですので――」
――私は縋る手を振りほどいて――
「さようなら、先輩」
――先輩に別れを告げた。
多分、上からわかったような口調で、当たり前の説教を垂れ流しているだけだったから。
ただ黙って。
俯いて。
弱々しく相槌を続けて。
そんな様子から教師は反省の色をくみ取ったらしくて。
私は思ってたよりも早く解放された。
(死ねばいいのに……)
「あっ、里中さん」
「っ!?」
生徒指導室を出ると、私の目の前には先輩が居た。
(そういえば、先輩からも話を聞くと言っていたっけ……)
「良かった、ここに居たのね。私も呼び出されちゃって。それを伝えないとって思ってたんだけど、教室にも校門にもいなかったから。すれ違ったせいで待ちぼうけさせてしまったらどうしようって気にしてたところなの」
「……そうですか」
「でも、私と里中さんのふたりともが呼び出されるなんて……もしかして、買い食いがバレちゃった? ふふ、それだったら大変ね」
「……」
「あっ、でも安心して。あれは私が勝手に始めて、里中さんを付き合わせていただけだから。ちゃんとそこは説明して、里中さんに迷惑はかからないように――」
「先輩、今日は私一人で帰りますね」
「えっ…………。そ、そうね。もしかしたら、里中さんを長い事待たせちゃうかもしれないし……。それなら、また明日の朝にね、里中さん」
「……いえ、もう付き添いはいいです。登校も一人でできますから」
「……えっ? で、でも――」
「これからは登下校は一人でします。ですので――」
――私は縋る手を振りほどいて――
「さようなら、先輩」
――先輩に別れを告げた。
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