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追及偏
質問されました
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「……いや、私は男性には落ちませんよ」
「ふーん……♡ おちんちん大きくしたまま言っても説得力ありませんけどねー♡」
「性欲と恋愛は別の話です。私はツキさんに興奮はしても、好意は持っても、落ちることはないです」
「……♡」
ツキがジトっとした目でこちらを見る。
勝ち気で、もう勝ち誇っているかのような、扇情的な表情だ。
今の発言はツキに対しては逆効果だったかもしれない。
ツキのやる気を上げてしまったのかもしれない。
でも、それが本心だ。
ツキのことは嫌いじゃない。
嫌いになれる気がしない。
しかし、だからと言って付き合いたいとは思わない。
ツキとセックスをしたいかどうかは別の話だ。
少なくとも今までの人生で好きになってきた女性に向けていた感情と、
ツキに向けている感情が別物であることは断言できる。
それにここで強がっておかないと、この先ツキには一生勝てないような気がした。
「それじゃあ、そんなアキラさんに1つ質問があります♡」
「……解放してくれたら答えますよ」
「くすっ♡ 今は抱き着いてるだけで、拘束なんてしてないじゃないですか。アキラさんがちょっと押し退けるだけで、私はベッドの下まで転げ落ちますよ?」
「暴力は、できることなら振るいたくありませんから……」
「紳士的なんですね♡ おちんちんはこんなに野性的で、今すぐにでも貫かんばかりなのに……♡」
「お望みなら突き落としますけれど」
「えへへっ♡ 冗談ですよ、冗談。そんなに怒らないでください。それに、私の質問って結構まじめなやつですから……多分、退屈はしないですよ?」
「まじめ……?」
ここまでの振る舞いでよくそんな言葉を吐けたものだと感心すらしてしまう。
まじめなんて、今のツキから最もかけ離れた言葉だろう。
「あっ、疑ってますね?」
「それはそうですよ。まじめな質問をする人は人を騙したり、童貞を翻弄するのが趣味だなんて告白しませんし――」
「人のことも拘束しないし?」
「……わかってるじゃないですか」
「でも、そんな人だって心の内では色々悩んだりしてるんですよ。むしろ、そういう人の方が、心の中はぐちゃぐちゃだったりするかもしれません」
そう言うと、ツキは視線を逸らした。
本当にまじめな質問をするのではと思わされるような、少し陰のある表情だった。
「……それで、質問ってなんですか?」
「……アキラさん」
「はい……」
「アキラさんは、男の人は好きですか?」
「……は?」
ツキが演技派であることを忘れていた。
同性が好きかなんて、そんなこと答えるまでもない。
今までのやり取りを踏まえれば、ツキだって訊くまでもなくわかっているだろう。
「……それのどこがまじめな質問なんですか」
「いいじゃないですか。ちゃんと答えてくださいよ」
「……恋愛的には意味では好きではないですよ」
「……それじゃあ――」
答えを聞き遂げたツキは1つ頷くと、まっすぐにこちらを見つめて――
「アキラさんはこの先、絶対に男の人を好きにならないと言い切れますか?」
真面目な顔で、そう質問した。
「ふーん……♡ おちんちん大きくしたまま言っても説得力ありませんけどねー♡」
「性欲と恋愛は別の話です。私はツキさんに興奮はしても、好意は持っても、落ちることはないです」
「……♡」
ツキがジトっとした目でこちらを見る。
勝ち気で、もう勝ち誇っているかのような、扇情的な表情だ。
今の発言はツキに対しては逆効果だったかもしれない。
ツキのやる気を上げてしまったのかもしれない。
でも、それが本心だ。
ツキのことは嫌いじゃない。
嫌いになれる気がしない。
しかし、だからと言って付き合いたいとは思わない。
ツキとセックスをしたいかどうかは別の話だ。
少なくとも今までの人生で好きになってきた女性に向けていた感情と、
ツキに向けている感情が別物であることは断言できる。
それにここで強がっておかないと、この先ツキには一生勝てないような気がした。
「それじゃあ、そんなアキラさんに1つ質問があります♡」
「……解放してくれたら答えますよ」
「くすっ♡ 今は抱き着いてるだけで、拘束なんてしてないじゃないですか。アキラさんがちょっと押し退けるだけで、私はベッドの下まで転げ落ちますよ?」
「暴力は、できることなら振るいたくありませんから……」
「紳士的なんですね♡ おちんちんはこんなに野性的で、今すぐにでも貫かんばかりなのに……♡」
「お望みなら突き落としますけれど」
「えへへっ♡ 冗談ですよ、冗談。そんなに怒らないでください。それに、私の質問って結構まじめなやつですから……多分、退屈はしないですよ?」
「まじめ……?」
ここまでの振る舞いでよくそんな言葉を吐けたものだと感心すらしてしまう。
まじめなんて、今のツキから最もかけ離れた言葉だろう。
「あっ、疑ってますね?」
「それはそうですよ。まじめな質問をする人は人を騙したり、童貞を翻弄するのが趣味だなんて告白しませんし――」
「人のことも拘束しないし?」
「……わかってるじゃないですか」
「でも、そんな人だって心の内では色々悩んだりしてるんですよ。むしろ、そういう人の方が、心の中はぐちゃぐちゃだったりするかもしれません」
そう言うと、ツキは視線を逸らした。
本当にまじめな質問をするのではと思わされるような、少し陰のある表情だった。
「……それで、質問ってなんですか?」
「……アキラさん」
「はい……」
「アキラさんは、男の人は好きですか?」
「……は?」
ツキが演技派であることを忘れていた。
同性が好きかなんて、そんなこと答えるまでもない。
今までのやり取りを踏まえれば、ツキだって訊くまでもなくわかっているだろう。
「……それのどこがまじめな質問なんですか」
「いいじゃないですか。ちゃんと答えてくださいよ」
「……恋愛的には意味では好きではないですよ」
「……それじゃあ――」
答えを聞き遂げたツキは1つ頷くと、まっすぐにこちらを見つめて――
「アキラさんはこの先、絶対に男の人を好きにならないと言い切れますか?」
真面目な顔で、そう質問した。
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