R18二次創作が禁止されたオタクたちの行く末を憂う

papporopueeee

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終わりの始まり

 都内のビル内にある貸会議室の一室。
 そこではとあるジャンルの同人誌の頒布会を行っている。

 この頒布会の存在を知っているのはごく一部の人間だけだ。
 インターネット上での広告などは一切なく、全員が口伝による紹介だけでこの場所に辿り着いている。

 ここに見知った顔なんていない。
 知っている顔が居ても、ここでは知らないフリをしなければならない。
 誰もが後ろめたい気持ちで参加しているから。

「うぉっ……」

 思わず声が出てしまった。

 目の前で展示されている同人誌のその表紙。
 それは紛れもなく表の世界で名を馳せている神絵師の絵だったからだ。

「っ……」

 俺の視線から逃れるように、サークル主が帽子を目深に被った。
 もしもここに参加していることがバレたら、彼は二度と公では絵が描けなくなるに違いない。

 それでも、誰も彼を咎めたりなんてしない。
 ここに居る全員が、同じ穴のムジナなのだから。 

「あっ……あの……俺の推しカプ少しマイナーなんですけど、良かったら本の交換いいですか?」

 自己満足で描いただけだったはずのスケベブック。
 それが今はこの場での通貨であり、神絵師のスケベブックとの交換素材だ。

「……ありがとうございます」

 神絵師によるフルカラードスケベイラストブックが手に入った。
 俺のモノクロスケベコピー本と交換で。

 この令和の時代に、まるでオタク文化の黎明期さながらのように。
 俺たちはこそこそと隠れて同人誌の物々交換に興じている。

 それもこれも、全部俺たちが悪い。
 社会は悪くない。
 企業は悪くない。

 ただ、俺たちがエロ同人を禁止しているゲームへの性欲を制御できなかったのが悪いのだ。
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