12 / 84
初日:知らない誰かと、知っている筈の自分
生きるために、食よりも知を
しおりを挟む
講義終了の鐘が鳴ると講師は足早に教室から去って行った。
講師もこの授業にかける熱意なんてないのだろう。
講義終わりに生徒からの質問を待つという気遣いが微塵も感じられない。
もちろん、そんな生徒なんて存在しないのだから講師の行動はなにも間違っていないのだが。
生徒たちも講師に続いて続々と教室を出て行く。
食堂に向かう者が大半で、それ以外はきっと校外に食べに行ったり、もしくは帰路に着くのだろう。
やがて広い講義室にはボク一人だけが残された。
小さく伸びをすると体の骨がバキバキとなり、口から情けない声が少しだけ漏れた。
こんな状況で講義に集中できるわけもなく、手元のプリントには空白が目立っている。
それでも、きっとこの講義の単位は取れるのだろうと言う安心感はあった。
ボクも昼飯を食べに行こう。
そして午後も講義を受けて、それが終わったら家に帰ろう。
そう考えていたのだが、それでいいのかという疑問が頭をよぎった。
悩んでいても仕方ないという理由で大学には来たが、講義を受けている余裕なんて今のボクにあるのだろうか。
大学の単位が取れたとして、それが何になる。
昨日の夜とは違い、今のボクには三日という制限があるのだ。
死ね神を呼び出したことによって三日という制限が生まれてしまったが、それでも情報源が死ね神にしか存在しないことは変わっていない。
講義中に頭を悩ませても、結局は何も進展しなかったのだから。
幸いなことに、今居る講義棟は敷地内の端にある寂れた建物だ。
頻繁に使用されることもなく、昼休みに訪れる人間も数少ない。
ボクは死ね神を呼び出し、再度質問をすることにした。
「おい、いるんだろ……。出てきてくれ」
「……」
死ね神はいとも容易く出現した。
まるで最初からそこに立っていたかのように。
こんな不気味な物をまるで使い魔か何かのように呼び出している自分が少し可笑しくなる。
もちろん力関係はボクよりも死ね神の方が上なのだが。
「…………」
死ね神は何も言わずにボクの言葉を待っている。
白い仮面を鼻先まで近づけ、気味の悪い呼吸音のようなものを響かせながら、早く要件を済ませろと言わんばかりに無言で佇んでいる。
「……っ」
重圧のせいか呼吸がしにくい。
体が命の危機を感じているのか、心臓が早鐘を鳴らし始める。
こいつはボクの命を狙っている化け物だ。
決して敵うような相手ではなく、生殺与奪の権利は四六時中こいつが握っている。
ここで下手なことを言えば殺され、そうでなくても制限事項が増える可能性がある。
制限時間が三日よりも短くなることだってありえなくはない。
それでも、死ね神を制御できる可能性もある。
こうしてボクの好きなタイミングで呼び出せているように。
付け入る隙がないわけじゃない。
まずは簡単な質問から始めよう。
ボクは声が震えていることを自覚しながらも、必死に息を吐きながら疑問を投げかけた。
講師もこの授業にかける熱意なんてないのだろう。
講義終わりに生徒からの質問を待つという気遣いが微塵も感じられない。
もちろん、そんな生徒なんて存在しないのだから講師の行動はなにも間違っていないのだが。
生徒たちも講師に続いて続々と教室を出て行く。
食堂に向かう者が大半で、それ以外はきっと校外に食べに行ったり、もしくは帰路に着くのだろう。
やがて広い講義室にはボク一人だけが残された。
小さく伸びをすると体の骨がバキバキとなり、口から情けない声が少しだけ漏れた。
こんな状況で講義に集中できるわけもなく、手元のプリントには空白が目立っている。
それでも、きっとこの講義の単位は取れるのだろうと言う安心感はあった。
ボクも昼飯を食べに行こう。
そして午後も講義を受けて、それが終わったら家に帰ろう。
そう考えていたのだが、それでいいのかという疑問が頭をよぎった。
悩んでいても仕方ないという理由で大学には来たが、講義を受けている余裕なんて今のボクにあるのだろうか。
大学の単位が取れたとして、それが何になる。
昨日の夜とは違い、今のボクには三日という制限があるのだ。
死ね神を呼び出したことによって三日という制限が生まれてしまったが、それでも情報源が死ね神にしか存在しないことは変わっていない。
講義中に頭を悩ませても、結局は何も進展しなかったのだから。
幸いなことに、今居る講義棟は敷地内の端にある寂れた建物だ。
頻繁に使用されることもなく、昼休みに訪れる人間も数少ない。
ボクは死ね神を呼び出し、再度質問をすることにした。
「おい、いるんだろ……。出てきてくれ」
「……」
死ね神はいとも容易く出現した。
まるで最初からそこに立っていたかのように。
こんな不気味な物をまるで使い魔か何かのように呼び出している自分が少し可笑しくなる。
もちろん力関係はボクよりも死ね神の方が上なのだが。
「…………」
死ね神は何も言わずにボクの言葉を待っている。
白い仮面を鼻先まで近づけ、気味の悪い呼吸音のようなものを響かせながら、早く要件を済ませろと言わんばかりに無言で佇んでいる。
「……っ」
重圧のせいか呼吸がしにくい。
体が命の危機を感じているのか、心臓が早鐘を鳴らし始める。
こいつはボクの命を狙っている化け物だ。
決して敵うような相手ではなく、生殺与奪の権利は四六時中こいつが握っている。
ここで下手なことを言えば殺され、そうでなくても制限事項が増える可能性がある。
制限時間が三日よりも短くなることだってありえなくはない。
それでも、死ね神を制御できる可能性もある。
こうしてボクの好きなタイミングで呼び出せているように。
付け入る隙がないわけじゃない。
まずは簡単な質問から始めよう。
ボクは声が震えていることを自覚しながらも、必死に息を吐きながら疑問を投げかけた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる