死の間際、あなたは親友ですか?

papporopueeee

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初日:知らない誰かと、知っている筈の自分

生きるために、食よりも知を

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 講義終了の鐘が鳴ると講師は足早に教室から去って行った。
 講師もこの授業にかける熱意なんてないのだろう。
 講義終わりに生徒からの質問を待つという気遣いが微塵も感じられない。
 もちろん、そんな生徒なんて存在しないのだから講師の行動はなにも間違っていないのだが。

 生徒たちも講師に続いて続々と教室を出て行く。
 食堂に向かう者が大半で、それ以外はきっと校外に食べに行ったり、もしくは帰路に着くのだろう。
 やがて広い講義室にはボク一人だけが残された。

 小さく伸びをすると体の骨がバキバキとなり、口から情けない声が少しだけ漏れた。
 こんな状況で講義に集中できるわけもなく、手元のプリントには空白が目立っている。
 それでも、きっとこの講義の単位は取れるのだろうと言う安心感はあった。

 ボクも昼飯を食べに行こう。
 そして午後も講義を受けて、それが終わったら家に帰ろう。
 そう考えていたのだが、それでいいのかという疑問が頭をよぎった。
 悩んでいても仕方ないという理由で大学には来たが、講義を受けている余裕なんて今のボクにあるのだろうか。

 大学の単位が取れたとして、それが何になる。
 昨日の夜とは違い、今のボクには三日という制限があるのだ。

 死ね神を呼び出したことによって三日という制限が生まれてしまったが、それでも情報源が死ね神にしか存在しないことは変わっていない。
 講義中に頭を悩ませても、結局は何も進展しなかったのだから。

 幸いなことに、今居る講義棟は敷地内の端にある寂れた建物だ。
 頻繁に使用されることもなく、昼休みに訪れる人間も数少ない。
 ボクは死ね神を呼び出し、再度質問をすることにした。

「おい、いるんだろ……。出てきてくれ」
「……」

 死ね神はいとも容易く出現した。
 まるで最初からそこに立っていたかのように。

 こんな不気味な物をまるで使い魔か何かのように呼び出している自分が少し可笑しくなる。
 もちろん力関係はボクよりも死ね神の方が上なのだが。

「…………」

 死ね神は何も言わずにボクの言葉を待っている。
 白い仮面を鼻先まで近づけ、気味の悪い呼吸音のようなものを響かせながら、早く要件を済ませろと言わんばかりに無言で佇んでいる。

「……っ」

 重圧のせいか呼吸がしにくい。
 体が命の危機を感じているのか、心臓が早鐘を鳴らし始める。

 こいつはボクの命を狙っている化け物だ。
 決して敵うような相手ではなく、生殺与奪の権利は四六時中こいつが握っている。

 ここで下手なことを言えば殺され、そうでなくても制限事項が増える可能性がある。
 制限時間が三日よりも短くなることだってありえなくはない。

 それでも、死ね神を制御できる可能性もある。
 こうしてボクの好きなタイミングで呼び出せているように。
 付け入る隙がないわけじゃない。

 まずは簡単な質問から始めよう。
 ボクは声が震えていることを自覚しながらも、必死に息を吐きながら疑問を投げかけた。
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