死の間際、あなたは親友ですか?

papporopueeee

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一日目:いつものふたりで、いつもどおりに

食後の後には歓談を

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「いや、食えると思ったんだよ。というか食えるはずなんだ、前までの俺なら。しかし何故かこれ以上食ったら吐くと体が訴えかけてきていてな。いやほんと不思議」

 食べかけの料理たちを前にして、抄は少しも悪びれていなかった。

「男のお前とその小柄な体で同じ量が食えるわけがないよな、そりゃ」
「というわけで食いたかったら食っていいぞ。ほら、エビフライもハンバーグもステーキも残ってるし、なんならライスだって小盛りぐらいは残ってる」
「……なんで全部一口は齧ってあるんだよ」
「三角食べって健康に良いっていうじゃん?」
「絶対違う。三角食べってそういう食べ方じゃない」
「いやー、昨日も食が細くてさ。その時は転生して日が浅いからだって勝手に思ってたけど、もう女の子の体なんだよな、俺……。美味い食事がたくさん食べられないのは少しショックだな」

 それは、抄が転生してから初めて見せるしょげた顔だった。
 そこまで食事にこだわりがあったとは思えないが、今まで出来ていたことが出来なくなったのがショックなのかもしれない。

「……別に、女子だから量が食べられないってわけじゃないだろ。世の中には小柄な女性でもたくさん食べる人はいるんだし。その体に慣れたらまたたくさん食えるんじゃないか?」
「タク……」
「だから、元気だして――」
「つまり、俺の残飯たちを片付けてくれるってことか?」
「残飯って言うな! 気分が悪いわ!」
「それじゃあ、美少女との関節キッス?」
「うっ!」

 抄の言葉に釣られて、視線がその唇に引きつけられる。
 小さく控えめでありながらも桃色を主張しているそれは、紛れもなく男性ではなく女性のものだ。

「意識しちゃったのか?」

 視線をあげると、ニヤニヤとしている腹立たしい笑みが目に入った。
 抄の面影を残した見慣れた表情だ。

「うるさいな! 言っとくけど、こっちとしては小食の方が食費的にありがたいんだからな!」

 ただでさえ既に服代で割と出費が激しい。
 親からの仕送りで生活している身からすると、食費が増えるというのは死活問題だ。

「食費か……。良いことを教えてやろう、タク。女性とデートするときは取り敢えず一回は奢っておけ」
「……どうして?」
「一回奢られた後も平気で奢られ続ける女性。これはきっと童貞のお前の手には負えない。金だけ搾り取られて捨てられてしまうのが関の山だ。だから一回奢って様子を見て、二回目も平然としているならば、その女性はやめておいた方がいいぜ」
「まあ、デートの度に食事代を二人分払うのはきついな」
「だろ?」
「でもそれってその……女性経験の豊富さに限った話じゃなくないか? 社会人はともかく、学生はデートの度に奢れるような収入はないだろうし」
「俺はむしろそういう女性の方が大歓迎だけど」
「なんでだよ」
「男慣れしてるってことは、処女じゃない可能性が高いってことだからな」
「ぶふっ!」

 平日の昼のレストランにはあまりにも似つかわしくない単語を聞いて、ボクは飲んでいた水でむせ込んでしまった。

「げほっ、げほっ! おま、急に変なこと言うなよ!」
「変なことなものか。これはとても重要なことだ」

 抄の顔はふざけているようには見えない。
 どうやら抄にとっては相手が経験済みか否かがとても重要なことであるらしい。

 ボクは一度落ち着いて、少し冷めたステーキを口に入れてから抄に続きを促すことにした。
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