死の間際、あなたは親友ですか?

papporopueeee

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一日目:いつものふたりで、いつもどおりに

親友か、それとも――

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「口に出して明言してる女子はいなかったけど、様子を見てると大体わかるからな。中学でも、高校でも、もちろん大学でも。俺の傍にはいつだってタクがいただろ?」
「そんな四六時中じゃなかっただろ……多分」
「それでも、一番長く近くにいたのはタクだ。さっきも言った通り、俺ってモテてたけど誰と付き合うこともしなかったからさ。タクにヘイトを向ける女子は少なくなかったぜ?」
「なんかそれ、理不尽だな……」

 抄のようなイケメンが誰とも付き合わずボクとつるんでいれば、フラれた女子がボクを妬んでもおかしくはないのかもしれない……のだろうか。

「……なんなら、俺がホモなんじゃないかって女子の間で噂になってた」
「……いや、それはおかしくないか!? だってその話の流れだと、ボクがショウの相手ってことになるじゃないか!」
「そう思ってた女子がいたってことだよ」
「いや、いやいやいやっ! その発想に至ること自体がおかしいだろ? だって、ショウは女性相手にナンパしまくってるんだから、男であるボクが相手なわけないじゃないか」
「確かに俺はナンパしてることは隠してないし、告白されたらちゃんとその事も話してた。でもさ、俺がナンパしてるところを誰かが監視してるわけじゃないし、セックスしてるところを写真に撮って証明したりもできないだろ? 俺のナンパ好きは、同性愛の隠れ蓑って思われてたんだよ」

 つまり、抄くらいのイケメンが誰とも付き合わないのはおかしいから、何か事情があるに違いないと考える女子が少なくなかったのだろう。
 それくらい抄のナンパセックス理論は女子からの理解を得られなかったということだ。

 そして、ありもしない事情にボクは祭り上げられてしまっていたらしい。

「いやでもだからって……! そうなるかっ!?」
「まあまあ、落ち着けってタク。そういう噂をしてる女子がいたってだけだからさ。そんな気にすることねーよ」
「っ…………」
「ん?」

 ボクのまじまじとした視線を、抄は不思議そうな笑みを浮かべながら受け止めている。

「ショウは……」
「なんだ?」

 抄は、その噂をどう受け止めていたのだろうか。
 ボクは少なからず動揺しているというのに、抄はなんとも涼し気な態度だ。

 ボクと違って抄は前から噂の存在を知っていたのだ。
 知ったばかりのボクと同じように驚く方がおかしい。
 それはわかっている。

 けれど、抄がその噂を知った時はどんな気持ちで……。
 ボクの動揺は、今その瞳にどう映っているのだろうか……。

「あのさ――」
「ふっ……いいよ、タク。言わなくてもわかってる」
「っ……!」
「でもごめんな。いくら体が女性になったと言ってもさ、タクの童貞はもらってやれないんだ」
「……は?」

 この親友殿はなにを言っているのだろうか。

「この体は処女だからな。そうじゃなかったら、親友の筆下ろしも吝かではなかったんだけど……。ごめんな、やっぱあんな痛そうなこと俺には我慢できそうにない。だから諦めてくれ」
「おいちょっと待てなんの話だ」
「いやだから、俺処女なんだよ」

 それはそうだろう。
 むしろそうじゃなかった方が驚きだ

「そうじゃなくて、ボクがいつショウに筆下ろしを頼んだんだよ!」
「違うのか? 熱い視線を送ってくるもんだから、てっきりそうかと勘違いしたわ」
「誰がいつそんな視線を向けた!?」
「胸」
「え?」
「見られてる側はわかるんだって。タク、お前俺の胸チラチラ見すぎだぜ?」
「ぐっ!」

 これ見よがしに両腕でその胸を挟んで強調してみせる抄に対し、ボクは何も言えなかった。
 女体化した親友とのセックスについてなんてこれ以上掘り下げたくなかったし、何より抄の言葉を否定することができなかったから。
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