ボクはヒモを飼ってます

papporopueeee

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お仕事お疲れさまえっち

大きなヒモの手の中で

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「ちょっ、ちょっと、まっ――あぁっ♡」

 抗議しようとした声が、ボク自身の嬌声によって遮られる。

 ひーくんがタッピングだけで終わらせてくれる訳も無かった。
 今では膨らんだズボンの先端を、指先で包み込まれてしまっている。

「んぅっ♡ だっ、だめだったらっ……ねえってばぁっ♡」
「~♪」

 聞こえているはずなのに、ひーくんはボクの言葉を無視している。
 鼻歌なんて囀りながら、ボクの性器を服越しに刺激している。

 無視しているのは言葉だけじゃない。
 ボクの必死の抵抗すらも、ひーくんはまるで意に介していない。

「んっ……ふっ……くぅっ♡」

 それは、口先だけじゃない本気の抵抗。

 だって、洋服を着たままなんてお漏らしのようなものだ。
 社会人にもなって、そんな無様を晒すなんて耐えられない。

 だからボクは全力で、一生懸命に、ひーくんの手から逃れようとしているのだけれども――

「~♪」

 ――ひーくんの楽しそうで余裕な態度は、いつまで経っても崩れそうにない。

 両腕がかりでも、ひーくんの左手一本に敵わない。
 軽く体重をかけられているだけで、足をバタつかせることもできない。

 圧倒的な体格差の前では、ただひーくんの下でビクビクと体を震わせることしかボクにはできない。

「ん~ちゅっ♪」
「んむっ――」

 ついにボクを喘がせることにも飽きたのか。
 それとも本格的にイカせることにしたのか。

 ひーくんの舌が、再びボクの口の中に入ってきた。

「ちゅっ、ちゅるっ……ん~♪」
「っ♡ っっ――♡」

 キスの経験回数は変わらないはずなのに。
 ボクとひーくんの間にあるこの差はなんなのだろうか。

 ひれ伏し、ひーくんの舌に蹂躙されるしかないボクの舌。
 何もしなくても勝手に気持ちよくさせられて。
 息を吐く暇もないくらいに快楽を与えられて。

 それはもちろん口だけじゃなくて、下半身でもそうで――

「んぅっ♡ んんっ♡」
「あ~、もしかしてイっちゃいそうなの~? いいよ~……僕の手の中で、たくさん気持ちよくなってね~♡」
「んっ♡ んふぅっ♡」

 元々体格差があるのに、快楽で骨抜きにされては余計に敵わない。
 ひーくんからすれば赤子の手をひねるようなものなのだろう。

 まるで寝かしつけるかのように性器を擦られて。
 キスで酸素を奪われ、快楽を与えられ、思考を奪われて。

 もう恥なんて考えることもできなくなるくらいに頭が熱くて、くらくらして、とうとう――

「――っ♡♡」

 喘ぎ声すらもひーくんの口に奪われながら、
 服を脱ぐことも許されないままに、
 ボクはその手の中で果ててしまいました。
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