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兄と弟
唾液
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「はっ…はっ…あっ、ん、ふぅっ……」
ずちゅ、ずちゅ、という水音を立てながら。
ぺち、ぺち、と肌をぶつけながら。
玲の腰が俺の上で跳ねる。
ナメクジのようと形容していたスピードはとうに過ぎていて、今ではちょっと早いと感じるくらいのペースだ。
「あっ、あっ、あぁっ……はっ、はぅっ……んぅぅ!」
玲の腰が往復する度に水音は激しさを増していく。
鳴り響く卑猥な音はそれだけ性器が潤滑液を吐き出しているということであり、
玲の中が濡れているということだ。
濡れていれば摩擦は減る。
肉壁がきゅぅっと陰茎を締め付けても、滑るようにお互いを擦り合うだけで。
滑る腰を止めるにはそれなりに力を入れなければならない。
「くぅっ…だっ……ぇっ……とま…ら……っ」
快感に打ち震えている玲がそんな力を入れるなんてできるはずもなく。
自分で腰を動かしているにも関わらず、玲は体中に走る快感に翻弄されているようだった。
「んっ、ふっ……あっ、いっ……くっ、だぇっ……っ」
「っ……うっ……くっ……!」
玲の高い嬌声に寄り添うように、俺の口からも声が漏れ始める。
速度が上がって快感が増すのは玲だけじゃない。
俺の体に走る快感も、徐々に密度と量が増え始めている。
玲が喘ぐ度に、柔らかく濡れた粘膜が亀頭を舐めるかのように擦りあげる。
ぴったりと密着するほどに締め付ける肉壁は、腰が上がる度に敏感なカリ首を刺激する。
深く腰が密着すれば、精液を絞り上げんとばかりに竿全体をしごきあげる。
段々と玲の観察をするような余裕も無くなって来て、
意識と思考を快楽に明け渡そうとし始めた時、
何かが俺の胸の上に垂れてきた。
「……?」
それは透明で。
水よりは粘度があって。
指で掬えば糸を引いて。
視線を上げれば、玲の唇の淵から同じ液体が顔を見せていて――
当の本人は、顔を真っ赤にして俺に垂れた液体を見ていた。
「……」
「っ……もっ、もうしわけありません!」
玲は慌てた様子で傍に置いてあったティッシュ箱へ手を伸ばすと、乱暴に中身を引き出して俺の胸元と指を拭った。
「もうしわけありませんっ……んっ、んくっ……かっ一宏様に、唾液を垂らすなど……と、とんだ粗相をっ……んぅっ」
謝罪の言葉を言いつつも快感に悶えている玲。
説得力が皆無なのは言うまでもない。
「詫びはいいから、再開してくれ」
せっかく快感が高まってきているのだ。
つまらないことで中断したくなかった。
「はっ、はい……あぅっ……」
玲の俺の意図を汲んだのか、すぐさま腰を動かし始める。
時間を空けなかったおかげか、そのペースはすぐに涎を垂らす前まで戻った。
「あっ、あっ…いっ…うっ…んくっ……んんっ! はっ、はっ…………あむっ」
「?」
ずっと俺の体に触れていた玲の両手。
自身の体を支えるために使っていた内の片方を、玲は突然咥え始めた。
「ふっ、ふっ……ふうぅ……っ、んんぅぅっ……!」
それはおそらく自身の喘ぎ声を少しでも抑えるため。
そして、涎を俺に垂らさないための苦肉の策なのだろう。
「うぅっ……んっ、ふっ……!」
口呼吸を自ら封じた玲は、顔を真っ赤にしながら鼻息を荒くしている。
くぐもった喘ぎ声と合わさって、まるで俺が乱暴しているようだ。
「んぅっ! んっ……! んくっ、んっ、ぐっ……んぅ!」
「うっ……くっ……いっ、いいぞ……玲……」
玲の左手が涎でべとべとになっていく。
口から溢れ出す涎は玲の小さな手では抑えられそうになく、その内また俺の体に垂れるだろう。
しかし、そんなことを気にしている場合じゃない。
どんどんと速度を上げる玲の動きに射精感が高まってきた。
思考が快感に飲まれて行って。
意識が性器に乗っ取られているかのような感覚に陥り始めて。
射精の準備を体が始めたその時――
「っ……あっ、いっ……いっ……っ! ひゃっ、ひゃめ……っ!」
突然、玲の動きが止まった。
ずちゅ、ずちゅ、という水音を立てながら。
ぺち、ぺち、と肌をぶつけながら。
玲の腰が俺の上で跳ねる。
ナメクジのようと形容していたスピードはとうに過ぎていて、今ではちょっと早いと感じるくらいのペースだ。
「あっ、あっ、あぁっ……はっ、はぅっ……んぅぅ!」
玲の腰が往復する度に水音は激しさを増していく。
鳴り響く卑猥な音はそれだけ性器が潤滑液を吐き出しているということであり、
玲の中が濡れているということだ。
濡れていれば摩擦は減る。
肉壁がきゅぅっと陰茎を締め付けても、滑るようにお互いを擦り合うだけで。
滑る腰を止めるにはそれなりに力を入れなければならない。
「くぅっ…だっ……ぇっ……とま…ら……っ」
快感に打ち震えている玲がそんな力を入れるなんてできるはずもなく。
自分で腰を動かしているにも関わらず、玲は体中に走る快感に翻弄されているようだった。
「んっ、ふっ……あっ、いっ……くっ、だぇっ……っ」
「っ……うっ……くっ……!」
玲の高い嬌声に寄り添うように、俺の口からも声が漏れ始める。
速度が上がって快感が増すのは玲だけじゃない。
俺の体に走る快感も、徐々に密度と量が増え始めている。
玲が喘ぐ度に、柔らかく濡れた粘膜が亀頭を舐めるかのように擦りあげる。
ぴったりと密着するほどに締め付ける肉壁は、腰が上がる度に敏感なカリ首を刺激する。
深く腰が密着すれば、精液を絞り上げんとばかりに竿全体をしごきあげる。
段々と玲の観察をするような余裕も無くなって来て、
意識と思考を快楽に明け渡そうとし始めた時、
何かが俺の胸の上に垂れてきた。
「……?」
それは透明で。
水よりは粘度があって。
指で掬えば糸を引いて。
視線を上げれば、玲の唇の淵から同じ液体が顔を見せていて――
当の本人は、顔を真っ赤にして俺に垂れた液体を見ていた。
「……」
「っ……もっ、もうしわけありません!」
玲は慌てた様子で傍に置いてあったティッシュ箱へ手を伸ばすと、乱暴に中身を引き出して俺の胸元と指を拭った。
「もうしわけありませんっ……んっ、んくっ……かっ一宏様に、唾液を垂らすなど……と、とんだ粗相をっ……んぅっ」
謝罪の言葉を言いつつも快感に悶えている玲。
説得力が皆無なのは言うまでもない。
「詫びはいいから、再開してくれ」
せっかく快感が高まってきているのだ。
つまらないことで中断したくなかった。
「はっ、はい……あぅっ……」
玲の俺の意図を汲んだのか、すぐさま腰を動かし始める。
時間を空けなかったおかげか、そのペースはすぐに涎を垂らす前まで戻った。
「あっ、あっ…いっ…うっ…んくっ……んんっ! はっ、はっ…………あむっ」
「?」
ずっと俺の体に触れていた玲の両手。
自身の体を支えるために使っていた内の片方を、玲は突然咥え始めた。
「ふっ、ふっ……ふうぅ……っ、んんぅぅっ……!」
それはおそらく自身の喘ぎ声を少しでも抑えるため。
そして、涎を俺に垂らさないための苦肉の策なのだろう。
「うぅっ……んっ、ふっ……!」
口呼吸を自ら封じた玲は、顔を真っ赤にしながら鼻息を荒くしている。
くぐもった喘ぎ声と合わさって、まるで俺が乱暴しているようだ。
「んぅっ! んっ……! んくっ、んっ、ぐっ……んぅ!」
「うっ……くっ……いっ、いいぞ……玲……」
玲の左手が涎でべとべとになっていく。
口から溢れ出す涎は玲の小さな手では抑えられそうになく、その内また俺の体に垂れるだろう。
しかし、そんなことを気にしている場合じゃない。
どんどんと速度を上げる玲の動きに射精感が高まってきた。
思考が快感に飲まれて行って。
意識が性器に乗っ取られているかのような感覚に陥り始めて。
射精の準備を体が始めたその時――
「っ……あっ、いっ……いっ……っ! ひゃっ、ひゃめ……っ!」
突然、玲の動きが止まった。
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