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兄と弟
兄弟喧嘩
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「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ……んっ、ふっ……」
射精というのは疲れる行為だ。
射精だけでなく、性的刺激で昂るだけでも体力はガンガンに持っていかれる。
絶頂を我慢して性的刺激に耐えるなんて語るまでもないだろう。
玲は俺の知る限りまともに運動をしたことがない。
学校の体育レベルですら怪しいものだ。
したがって、玲に度重なる寸止めによる疲弊をカバーしうるだけの持久力があるはずもなく。
余韻で体を震わせながら、玲は肩を大きく上下させて息を切らしていた。
「……で? 玲がイきそうになることと、動きを止めることの関連性は? 汚すのは気にするなって言ったよな?」
玲の精液を進んで浴びたいわけじゃない。
しかしすでにシャツには玲の唾液やらカウパーで紋様が描かれている。
玲が動かなくていい理由としては弱い。
「しっ、しかしっ……んぅっ……。かっ、かずひろさまよりも、私が先に果てるなど……そっ、そんなことは、あってはなりません……はぅっ……」
「……じゃあ、何か? 玲は今までに俺よりも先にイったことなんて無いって、そう言いたいわけか?」
「そっ、それはっ……」
「言ってみろ、玲。前回の夜伽の時、挿入してから玲は俺よりも先にイかなかったのか?」
「っ……いっ、いえ……」
「その前はどうだ? ほら、よく思い出してみろ」
「っ……わ、私が先に果てました」
「今までに、玲が俺より先に無様に精液を漏らさなかった事はあったのか?」
「…………あっ、ありません……」
自身の情けなさを恥じ入っているのか、
玲の声は消え入りそうで、耳まで真っ赤になっている。
「よく聞こえないな?」
「ひぅっ!? もっ、申し訳ありません! わっ、私はいつもかずひろさまより先に果てております! だっ、だからっ、とめっ…いっ…いぅっ……いっ……っっ! ……っ……はぁっ……はぁっ……」
「そうだよな? ……それで? さっき玲は俺になんて言った? 玲が俺より先にイくのは許されないって? よく玲がそれを言えるよな……。まるで今までの粗相は無かったことにしてるみたいだ」
「……しっ、しかし……夜伽において、私がかずひろさまより先に果てるなんて……。ましてや、私がそれを容認することなど……許されません……」
「……はぁ」
玲は気づいていないのだろう。
玲が意図していてそれを言えるわけがないのだから。
玲はずっと俺に従ってきた。
玲が俺に逆らうことなんてあり得ない。
それは俺も玲も長い共同生活の中でわかっている。
しかし今、玲は俺の言葉よりも、教育されて教え込まれたことの方が上だと言っているのだ。
正面から面と向かって、よりにもよって俺に対して。
それを否定するつもりはない。
俺も家からの教育を受けてきて、その通りに玲を扱っているのだから。
しかし納得と苛つきは別の話だ。
特に、こんな事を夜伽の度に繰り返されるのは癪でしかない。
「……そうか。それなら仕方ないな?」
「? かっ、かずひろさま?」
久しぶりの挿入なのに興を削がれているからだろうか。
いつもは玲をいたぶりたいだなんて思わないのだが。
玲が怪我をすれば、困るのは世話を任せている俺だ。
玲が痛みで動きを鈍らせるようなことがあれば、すぐさま俺の日常生活にも影響が出てくる
(でもまあ、今日くらいはいいだろ……。要は、後に響かなければいいんだ)
「……」
「?」
玲の体に向かって手を伸ばす。
抵抗することもなく――
拒絶することもなく――
不思議そうな表情で――
――玲は伸びてくる手を見つめていた。
射精というのは疲れる行為だ。
射精だけでなく、性的刺激で昂るだけでも体力はガンガンに持っていかれる。
絶頂を我慢して性的刺激に耐えるなんて語るまでもないだろう。
玲は俺の知る限りまともに運動をしたことがない。
学校の体育レベルですら怪しいものだ。
したがって、玲に度重なる寸止めによる疲弊をカバーしうるだけの持久力があるはずもなく。
余韻で体を震わせながら、玲は肩を大きく上下させて息を切らしていた。
「……で? 玲がイきそうになることと、動きを止めることの関連性は? 汚すのは気にするなって言ったよな?」
玲の精液を進んで浴びたいわけじゃない。
しかしすでにシャツには玲の唾液やらカウパーで紋様が描かれている。
玲が動かなくていい理由としては弱い。
「しっ、しかしっ……んぅっ……。かっ、かずひろさまよりも、私が先に果てるなど……そっ、そんなことは、あってはなりません……はぅっ……」
「……じゃあ、何か? 玲は今までに俺よりも先にイったことなんて無いって、そう言いたいわけか?」
「そっ、それはっ……」
「言ってみろ、玲。前回の夜伽の時、挿入してから玲は俺よりも先にイかなかったのか?」
「っ……いっ、いえ……」
「その前はどうだ? ほら、よく思い出してみろ」
「っ……わ、私が先に果てました」
「今までに、玲が俺より先に無様に精液を漏らさなかった事はあったのか?」
「…………あっ、ありません……」
自身の情けなさを恥じ入っているのか、
玲の声は消え入りそうで、耳まで真っ赤になっている。
「よく聞こえないな?」
「ひぅっ!? もっ、申し訳ありません! わっ、私はいつもかずひろさまより先に果てております! だっ、だからっ、とめっ…いっ…いぅっ……いっ……っっ! ……っ……はぁっ……はぁっ……」
「そうだよな? ……それで? さっき玲は俺になんて言った? 玲が俺より先にイくのは許されないって? よく玲がそれを言えるよな……。まるで今までの粗相は無かったことにしてるみたいだ」
「……しっ、しかし……夜伽において、私がかずひろさまより先に果てるなんて……。ましてや、私がそれを容認することなど……許されません……」
「……はぁ」
玲は気づいていないのだろう。
玲が意図していてそれを言えるわけがないのだから。
玲はずっと俺に従ってきた。
玲が俺に逆らうことなんてあり得ない。
それは俺も玲も長い共同生活の中でわかっている。
しかし今、玲は俺の言葉よりも、教育されて教え込まれたことの方が上だと言っているのだ。
正面から面と向かって、よりにもよって俺に対して。
それを否定するつもりはない。
俺も家からの教育を受けてきて、その通りに玲を扱っているのだから。
しかし納得と苛つきは別の話だ。
特に、こんな事を夜伽の度に繰り返されるのは癪でしかない。
「……そうか。それなら仕方ないな?」
「? かっ、かずひろさま?」
久しぶりの挿入なのに興を削がれているからだろうか。
いつもは玲をいたぶりたいだなんて思わないのだが。
玲が怪我をすれば、困るのは世話を任せている俺だ。
玲が痛みで動きを鈍らせるようなことがあれば、すぐさま俺の日常生活にも影響が出てくる
(でもまあ、今日くらいはいいだろ……。要は、後に響かなければいいんだ)
「……」
「?」
玲の体に向かって手を伸ばす。
抵抗することもなく――
拒絶することもなく――
不思議そうな表情で――
――玲は伸びてくる手を見つめていた。
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