女として兄に尽くすよう育てられた弟は、当たり前のように兄に恋をする

兄と弟

夜伽完了

　体を寄せて、玲の腰に両手を当てる。
　玲の腰は細く、しっかりと掴むことが出来た。

「ひゃぁっ！　かっ、かずひろさま……なっ、なにを……？」
「このままじゃいつまで経っても終わらないだろ。だから、文句は言わないよな？」
「しっ、しかしっ……夜伽でかずひろさまのお手を煩わせるなど……」
「だから、そういうのは玲が先にイかないようになってから言えって。それに俺が腰を動かすつもりは毛頭ない。そんなことしたら玲が死にそうだ」
「でっ、では……何をするおつもりですか……？」
「何って……何だろうな……。玲を……使う……？」
「私を……使う……？」

　玲は頭の上にはてなマークを浮かべている。
　俺自身も上手く言葉にできていないのだ。
　その反応も無理はないだろう。

「……まあ、こういうことだ」
「えっ……んぅぅっ！」

　玲の腰に差し込んだ手に力を入れて、玲の腰を持ち上げる。
　ずぷずぷという音と共に性器が玲の中から出てきて、耳元で玲の嬌声が響いた。

「玲、もうちょっと声を抑えられないのか。耳元でそうもうるさいと、鼓膜に響く」
「しっ、しかし……あぁぁっ！」
「つっ……ああ、もう。ほら、タオル。これでも咥えていてくれ」
「んむっ……っ！」

　乱暴に手元に落ちていたタオルを玲の口元に放り込む。
　多分俺の性器を拭いたやつだけれど、そもそも直で舐めているのだから別にいいだろう。

「それと、腕も俺の体に回せ。言っとくけど俺はあくまで玲の動きを補助するだけだからな。あくまで動くのは玲だ。いいな？」
「んっ……んっ……」

　肩にこつこつと玲の顎が当たる。
　おそらく頷いているのだろう。

「よし、じゃあほら動け。いくらでもしがみついてもいいし、射精もしていい。だけど、俺がイくまで動きを止めるなよ？」
「っ……ふぁっ、ふぁい……！」

　そして、玲は腰を動かし始めた。

　首に回された腕にしっかりと力を込めて。
　べとべとになったシャツに胸をすり寄せるように密着して。
　玲は腰を震わせながら、ピストンを始めた。

「ふーっ……ふーっ……んんぅっ……んぅ、んっっ！」

　くぐもった嬌声が鼓膜を揺らす。
　荒い鼻息で耳をくすぐりながら、玲は自らの性器を俺の腹に挿入するかのように腰を振る。

「んーっ、っ、っ……んぅっ……っっ！」

　掌に感じる玲の体重。
　玲ほどではないにしろ、俺も運動に熱中した経験はない。
　おそらく、同年代の平均より体力も筋肉も劣っている。

　そんな俺でも玲の腰振りを補助するのは苦ではなかった。
　見た目通りに軽い玲の体重では、快感を阻害するほどの邪魔にはならない。
　その気になれば、文字通り道具として玲を使うこともできそうだ。

「んっ、んぅっ、いうっ、いぅっ……いっ、いぃぉうぇぅっ……んぅっ！」

　耳元での玲の喚きが一層激しくなった。
　おそらく射精が近いのだろう。

　玲が先にイくことはわかっていたので、俺はそのまま玲の腰に力を入れ続けた。

「んんぅぅっ！　んぅっ、んぅっ……いっ……うぅっっ！！」

　そして、玲は絶頂した。
　これで通算３回目だ。

　密着している玲の体全体が震えて――
　シャツ越しに玲の精液が胸に当たって――
　玲の動きが止まり始めて――

「だから止まるなって」
「んんぅぅっ！？」

　減速していく玲の腰に加速度を与えると、玲の体が大きく飛び跳ねた。

「玲、このまま止まったら俺は好きに玲を動かすからな。俺がイくまで、今の比じゃないくらいのスピードで玲を使う。だから止まるな、玲」
「んっ、んっ……んんっ……んむぅっ……！」

　俺の言葉が通じているのか。
　それとも生存本能なのか。
　とにかく玲の腰は止まらなかった。

　性器から汁を吐き出し続けながら。
　体を痙攣させ続けながら。
　玲は懸命に腰を動かし続けた。

「おっ……うっ……いいぞ、玲。もうすぐ俺もイきそうだからな……くっ……」
「んーっ…んーっ……んいぃっ…！」

　射精直後の玲の体は全身に力が入っていて、性器を挿入している中もぎゅぅっと締まっている。

　その状態で腰を上下されると、脳が吹っ飛びそうなくらいの快感が走った。
　正直、玲に添えている手の制御も覚束ないくらい、気持ちよすぎて頭が茹だっている。

「あっ、うっ……いっ…くっ……玲、イくぞっ……！」
「んーっ、んっ、んぅっ！　んぅっ、んんっ！！！」

　顔は見えていないけれど、玲は泣いてるんじゃないかって、そう思ってしまうような喘ぎ声。

　肉壁に締め付けられるままに。
　粘膜にしごかれるままに。
　玲の望むままに。

　痛いくらいに腰を密着させて。
　玲の奥の奥まで性器を挿入して。
　はじけそうな玲の体を抱え込んで。

　そして――

「っ……くぅっ！！」
「んーっ、んぅーっ！！」

　俺は玲の中に射精した。

　快楽のままに、狭すぎる玲の中に白濁液を満たしていく。
　焦らされた分だけ長く、多く。
　玲の中に精子を排出していく。

「うっ……ふっ……ふーっ……」
「っ！　っっ！　……っっ！！」

　射精した俺よりも大きく体を震わせている玲。

　玲の性器は、まるで注ぎ込まれた体液がそのまま出てきているかのように――
　びしゃびしゃと液体を吐き出していた。