9 / 68
3. 容疑者:烏丸 純夏、倉持 嶺二
1
「あれ、烏丸くん?」
三葉が連れてきたふたりの男子生徒の内の1人。
明るい髪色をした短髪の男子には見覚えがあった。
「ん? お前誰だ?」
「あっ、そうだよね。ボクは1組の十八女 思音」
「1組ってことは、中田と同じクラスか。あー、確かにクラスに髪の長い男子いたけどお前か」
「う、うん……。烏丸くんよくうちのクラスに遊びに来てるから、苗字と顔だけ知ってた」
「んじゃ、初対面ってことは間違いないな。3組の烏丸 純夏だ」
「烏丸くんって写真部だったんだね。中田くんと同じサッカー部だと思ってた」
「あー……まあな。というかそんなことよりミツ先輩! 容疑者ってなんの話すか!?」
純夏が三葉に食ってかかる。
どうやら純夏はまだプリン盗難事件のことは知らないらしい。
もしくは、知らない振りをしているのだろうか。
「……相田さん、僕も容疑者ってことですか?」
「んー、レイくんも一応容疑者かな。でも基本的には証人って感じかも?」
三葉にレイくんと呼ばれた男子。
純夏とは対照的に目が隠れそうなくらいの黒髪は、少し不気味な雰囲気がある。
「ん? あー……。僕は二年の倉持 嶺二。わかってると思うけど、写真部ね」
シオンの視線に気付いた嶺二は気怠げに自己紹介をした。
性格もダウナー系のようで、つくづく純夏とは対照的だ。
「あ、ありがとうございます。ボクは――」
「いいよ、さっきの聞いてたから。で、十八女君はどうしてここに?」
「私が呼んだのよ。思音くんは探偵なの」
「はぁ……?」
「十八女、どういうことだ?」
「えっと、実はボク探偵同好会に参加してて――」
ボクはふたりに三葉から訊いた事件のあらましを説明した。
「――というわけで、相田さんの後に部室に入ったのが烏丸くんと倉持先輩だけってことですよね? 相田先輩」
「そういうことよ。ふたりの内のどちらかが、私のプリンを食べたはずなんだけど……」
「まあ、烏丸でしょうね」
「なんでそうなるんスか!? 嶺二さんの可能性だってあるでしょ!」
「カラスくんには悪いけど、私も一番に疑ってるのはカラスくんなのよね」
「なんでっスか!?」
「あの……良ければボクにも説明いただけませんか?」
「うん、それじゃあまずは私から説明させてもらうわ」
概要は理解した。
現場検証もあらかた終えた。
次は関係者からの話だ。
三葉が連れてきたふたりの男子生徒の内の1人。
明るい髪色をした短髪の男子には見覚えがあった。
「ん? お前誰だ?」
「あっ、そうだよね。ボクは1組の十八女 思音」
「1組ってことは、中田と同じクラスか。あー、確かにクラスに髪の長い男子いたけどお前か」
「う、うん……。烏丸くんよくうちのクラスに遊びに来てるから、苗字と顔だけ知ってた」
「んじゃ、初対面ってことは間違いないな。3組の烏丸 純夏だ」
「烏丸くんって写真部だったんだね。中田くんと同じサッカー部だと思ってた」
「あー……まあな。というかそんなことよりミツ先輩! 容疑者ってなんの話すか!?」
純夏が三葉に食ってかかる。
どうやら純夏はまだプリン盗難事件のことは知らないらしい。
もしくは、知らない振りをしているのだろうか。
「……相田さん、僕も容疑者ってことですか?」
「んー、レイくんも一応容疑者かな。でも基本的には証人って感じかも?」
三葉にレイくんと呼ばれた男子。
純夏とは対照的に目が隠れそうなくらいの黒髪は、少し不気味な雰囲気がある。
「ん? あー……。僕は二年の倉持 嶺二。わかってると思うけど、写真部ね」
シオンの視線に気付いた嶺二は気怠げに自己紹介をした。
性格もダウナー系のようで、つくづく純夏とは対照的だ。
「あ、ありがとうございます。ボクは――」
「いいよ、さっきの聞いてたから。で、十八女君はどうしてここに?」
「私が呼んだのよ。思音くんは探偵なの」
「はぁ……?」
「十八女、どういうことだ?」
「えっと、実はボク探偵同好会に参加してて――」
ボクはふたりに三葉から訊いた事件のあらましを説明した。
「――というわけで、相田さんの後に部室に入ったのが烏丸くんと倉持先輩だけってことですよね? 相田先輩」
「そういうことよ。ふたりの内のどちらかが、私のプリンを食べたはずなんだけど……」
「まあ、烏丸でしょうね」
「なんでそうなるんスか!? 嶺二さんの可能性だってあるでしょ!」
「カラスくんには悪いけど、私も一番に疑ってるのはカラスくんなのよね」
「なんでっスか!?」
「あの……良ければボクにも説明いただけませんか?」
「うん、それじゃあまずは私から説明させてもらうわ」
概要は理解した。
現場検証もあらかた終えた。
次は関係者からの話だ。
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。