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7. 推理:容疑者
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「ちょ、ちょっとっ、ふたりとも落ち着いてください」
シオンは何とか二人の間に体を割り込ませた。
これ以上ヒートアップされたら、体格差的にシオンと三葉では止められそうにない。
「倉持先輩、烏丸くんが先輩をハメたってどういうことですか?」
「僕が部室に入ったら、空のプリンの容器がテーブルの上に放置されてたんだよ」
「容器だけがですか?」
「ああそうだよ」
嶺二が部室に入った時には、既にプリンは食べられた後で容器だけがテーブルの上に残されていた。
この言葉が真実ならば、嶺二はプリンを食べていないということになる。
「嘘だ! だったら、どうしてわざわざ容器を隠したんスか。嶺二さんが食べたんじゃないなら、そんなことする必要はないはずっスよ!」
「っ……僕が疑われるに決まってるだろ……! 相田さんが入って来た時に、僕と空のプリン容器がいっしょにあったら! ……ただでさえ、僕と相田さんは普段から衝突してるんだ」
衝突、というのはカメラとスマホの派閥争いのことだろう。
部外者のシオンには見えていなかったが、三葉と嶺二の折り合いはかなり悪いらしい。
「そ、そんなっ……私、そんなことでレイくんを疑ったりなんて――」
「さっき、あの状況下で……! 烏丸が明らかに怪しいあの状況で! 相田さんは烏丸ではなく僕を疑ったじゃないですか……!」
「そ、それは……レイくんを疑いたかったわけじゃなくて……」
三葉の言葉は最後まで紡がれることなく、途切れて落ちてしまった。
萎えてしまった心が、三葉の背中から透けて見えるようだ。
「倉持先輩の言い分はわかりました。でも、そうなるとどうして空の容器がテーブルの上に残されていたのかがわからな――」
「だから、烏丸が僕をハメようとしたんだろ」
「なんでそうなるんスか!」
「僕より前に部室に入ったのは相田さんと烏丸だけだ。テーブルの上に容器を残せたのはお前だけだろうが! 僕に濡れ衣を着せるために、ご丁寧に目立つテーブルの上に空容器を飾ってたんだろ!」
「俺が嶺二さんをハメるわけないじゃないスか! そんな理由ありますか!?」
「理由なんて僕は知らねえよ!」
「理由もないのに、よくそんなこと言えますね!」
「だっ、ダメですって! とにかくふたりとも落ち着いてください!」
もう純夏も嶺二も喧嘩腰に入ってしまっている。
このままでは、シオンを巻き込むのも構わずに始まってしまってもおかしくない。
「倉持先輩、落ち着いて聞いてください。烏丸くんが倉持先輩に濡れ衣を着せるためには、烏丸くんの次に部室に入るのが倉持先輩であることを知ってないといけません。でも、そんなことは不可能だと思いませんか?」
「っ……だったら、とにかく誰でもいいから濡れ衣を着せたかったんじゃないのか?」
「それ、本気で言ってるんスか? 俺がそういう人間だって、本気で……!」
「ハッ……だったらなんだって言うんだ?」
一色触発。
シオンが発した声でさえ開戦の合図になりかねない。
『男の子だねぇ。シオンもあれくらいイキってみたら、案外モテるかもな?』
『バカなこと言ってないで、なんとか止められないの?』
『あー……そうだなぁ。”確認”でもしてみるか?』
『こんな状況で何を確認しろって言うんだよ!』
『クックッ。アタシにできるのはそれだけってことだよ。淫魔の力も、契約者であるシオン以外に使うのはなぁ……気が引けちまうぜ』
淫魔の力なんてそれこそ最終手段だ。
純夏と嶺二が淫魔的方法によって仲直りだなんて、想像もしたくない。
シオンは何とか二人の間に体を割り込ませた。
これ以上ヒートアップされたら、体格差的にシオンと三葉では止められそうにない。
「倉持先輩、烏丸くんが先輩をハメたってどういうことですか?」
「僕が部室に入ったら、空のプリンの容器がテーブルの上に放置されてたんだよ」
「容器だけがですか?」
「ああそうだよ」
嶺二が部室に入った時には、既にプリンは食べられた後で容器だけがテーブルの上に残されていた。
この言葉が真実ならば、嶺二はプリンを食べていないということになる。
「嘘だ! だったら、どうしてわざわざ容器を隠したんスか。嶺二さんが食べたんじゃないなら、そんなことする必要はないはずっスよ!」
「っ……僕が疑われるに決まってるだろ……! 相田さんが入って来た時に、僕と空のプリン容器がいっしょにあったら! ……ただでさえ、僕と相田さんは普段から衝突してるんだ」
衝突、というのはカメラとスマホの派閥争いのことだろう。
部外者のシオンには見えていなかったが、三葉と嶺二の折り合いはかなり悪いらしい。
「そ、そんなっ……私、そんなことでレイくんを疑ったりなんて――」
「さっき、あの状況下で……! 烏丸が明らかに怪しいあの状況で! 相田さんは烏丸ではなく僕を疑ったじゃないですか……!」
「そ、それは……レイくんを疑いたかったわけじゃなくて……」
三葉の言葉は最後まで紡がれることなく、途切れて落ちてしまった。
萎えてしまった心が、三葉の背中から透けて見えるようだ。
「倉持先輩の言い分はわかりました。でも、そうなるとどうして空の容器がテーブルの上に残されていたのかがわからな――」
「だから、烏丸が僕をハメようとしたんだろ」
「なんでそうなるんスか!」
「僕より前に部室に入ったのは相田さんと烏丸だけだ。テーブルの上に容器を残せたのはお前だけだろうが! 僕に濡れ衣を着せるために、ご丁寧に目立つテーブルの上に空容器を飾ってたんだろ!」
「俺が嶺二さんをハメるわけないじゃないスか! そんな理由ありますか!?」
「理由なんて僕は知らねえよ!」
「理由もないのに、よくそんなこと言えますね!」
「だっ、ダメですって! とにかくふたりとも落ち着いてください!」
もう純夏も嶺二も喧嘩腰に入ってしまっている。
このままでは、シオンを巻き込むのも構わずに始まってしまってもおかしくない。
「倉持先輩、落ち着いて聞いてください。烏丸くんが倉持先輩に濡れ衣を着せるためには、烏丸くんの次に部室に入るのが倉持先輩であることを知ってないといけません。でも、そんなことは不可能だと思いませんか?」
「っ……だったら、とにかく誰でもいいから濡れ衣を着せたかったんじゃないのか?」
「それ、本気で言ってるんスか? 俺がそういう人間だって、本気で……!」
「ハッ……だったらなんだって言うんだ?」
一色触発。
シオンが発した声でさえ開戦の合図になりかねない。
『男の子だねぇ。シオンもあれくらいイキってみたら、案外モテるかもな?』
『バカなこと言ってないで、なんとか止められないの?』
『あー……そうだなぁ。”確認”でもしてみるか?』
『こんな状況で何を確認しろって言うんだよ!』
『クックッ。アタシにできるのはそれだけってことだよ。淫魔の力も、契約者であるシオン以外に使うのはなぁ……気が引けちまうぜ』
淫魔の力なんてそれこそ最終手段だ。
純夏と嶺二が淫魔的方法によって仲直りだなんて、想像もしたくない。
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