ボクとサナ ~淫魔はミステリーに恋し、ロジックを愛する~

papporopueeee

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9. 証言:近藤 万紀

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「カラスくん、鍵借りた時にサトシンに報告してないの? 悪いんだー」
「いや、だって昼休みに行ったらいなかったスから……。鍵返す時も授業始まるギリギリになっちゃったから、タイミングなくて」
「僕も職員室に居たら報告するけど、わざわざ探したりはしないな。というか、部長もそうでしょ?」
「そりゃそうよ!」
「なんで偉そうなんスか?」
「まあ、必ず顧問に報告しなきゃならんルールはないけどな。俺が把握できてれば問題ない。ただ、何かあった時には顧問も責任を取ることになりかねん。だから、事後でもいいから顧問にも報告しとくようにな」
「うっス」
「写真部は1回やらかしてるからねー。サトシンもきっとヒヤヒヤしてるよ?」

 何気ない写真部の面々と万紀の雑談。

 その中から、聞き捨てならない単語をシオンは拾い上げた。

「……写真部のやらかしって、なんのことですか?」
「あっ」

 シオンが投げかけた質問に反応したのは三葉だった。
 その表情は三葉が失言をしたということを如実に示している。

 つつくべきか、放っておくべきか。

 迷った結果、シオンは現状を打破するために情報にすがりつくことにした。

「相田さん。そのやらかしについてのお話を聞かせてもらえませんか?」
「あー……んーっと……でも、今回の件には関係ないしなー……たぶん……?」

 三葉の言葉はとても歯切れが悪い。

 三葉にとって都合の悪いことなのか。
 それとも写真部にとって都合の悪いことなのか。
 もしくは、誰かに口止めされているのか。

「倉持先輩は何か知っていますか? やらかしについて」
「知ってるけど……。部長が話さないのに、部員の僕が話すわけにもいかないな」
「えっ、嶺二さんは知ってるんスか? 俺知らないっスよ?」

 純夏が知らないということは、一年生が入部してくる前の話なのだろうか。

 本当に事件に関係がないのなら、余計な詮索は無用だろう。
 隠すことにだって理由があるはずだ。
 無暗に暴き立てるべきじゃない。

 しかし、現状他に道がない。
 サナが宣言してしまった以上、部室の鍵を使用した容疑者は確定してしまった。

 すがれるのなら藁にだってしがみつかなければ。

「……詳しく知りたかったら、佐藤先生に話を訊くんだな」

 シオンにそう助言したのは万紀だった。

 佐藤先生とは、写真部顧問の佐藤 津のことだろう。
 三葉がサトシンとあだ名で呼んでいる教師が、やらかしについて知っていると万紀は言っている。

「そのやらかしは佐藤先生にも関係があるってことですか?」
「さてな……。ただ、写真部のやらかしだったら、顧問も何かしらは把握してるだろう」

 万紀は言葉では否定しているものの、津はやらかしに関係しているのだろう。

 万紀と写真部の2人は津から口止めされているのかもしれない。

「……ありがとうございました、近藤先生。佐藤先生に話を訊いてみることにします」
「佐藤先生なら席に居るはずだ。話を訊くにしても他の先生に迷惑にならんようにな」
「はい、わかりました。それでは、失礼します」
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