ボクとサナ ~淫魔はミステリーに恋し、ロジックを愛する~

papporopueeee

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10. 証人:佐藤 津

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「やらかし……? もしかして、また何か問題を起こしたのですか?」

 津が怪訝そうな表情を浮かべながら、純夏へと視線を向けた。

「ちっ、違いますよ!? いや、違わなくはないんですけど、とりあえずは違うというか、その……」
「いったいどっちなんですか?」

 このままでは津から純夏への追及が始まってしまう。
 これ以上話を脱線させていては、時間がいくらあっても足りやしない。

 プリン泥棒の話をいつ顧問に行うかは部長である三葉が判断するはずだ。
 シオンは強引に話の流れを変えることにした。

「今日は、佐藤先生から写真部の過去のやらかしの話を聞きたくて来たんです。烏丸くんが入部するよりも以前のことらしいのですけど」
「入部前ということは、少なくとも半年以上前の写真部の過去のやらかし……。えっと……どれのことですか?」

 津は思い当たる節が多すぎて絞れないらしい。

 この学校の写真部がこれほどまでに問題児だったとは。
 まさかとは思うが、盗撮とかパパラッチとかそういうことまでやらかしてはいないだろうか。

「相田さんが部室をパイまみれにしたことですか?」
「違うよ、サトシン。ほら、一年前のやつ」
「一年前……というと、私がここに来て間もない頃……。倉持君の盗撮疑惑事件は、もう少し後だから違いますよね?」
「……一応言っとくけど、僕はやってないからな」

 嶺二の鋭い視線がシオンと純夏に向けられた。

 純夏以外にもやらかしの常習犯は存在しているらしい。
 少なくとも二名。

「えっと~~ほら~~~あれだよあれ~~~…………鍵のやつ」

 鍵。
 三葉はいま確かに鍵と口にした。
 鍵とはまさか、部室の鍵のことだろうか。

 もしもそうであるならば、今回の事件とも何かしらの結びつきがあるかもしれない。
 そう思い三葉に尋ねようとしたシオンを遮るように、津が声を荒げた。

「十八女君に話したのですか!?」

 その形相は今までの穏やかさとはかけ離れており、必死さが滲み出ている。
 余程津にとって都合が悪いようだ。

「いや、話してないよ!? ただ、写真部はやらかしたことがあるのを知られちゃっただけで……ほら、思音くんは勘が鋭いんだよね!?」

 いくら勘が鋭くても、誰かが勘を働かせてしまうようなボロを出さなければ意味がない。
 今回ボロを出したのは明らかに三葉だ。

「…………はぁ。まあ、知られてしまったのなら仕方ないですね。はい、それは諦めるしかありません」

 津の言葉はまるで自分自身に言い聞かせるような、独白のようだった。

「十八女くんは一年前の鍵の話について知りたいんですね? それではここで話すのも何なので、こちらにどうぞ」

 そう言って津は立ち上がると、生徒指導室への扉を開けた。

 この学校の生徒指導室には扉が二つある。
 一方は廊下と繋がっており、主に生徒が出入りする。
 一方は職員室と繋がっており、主に教師が出入りする。

 シオン達は職員室側から入室すると、中央に設置されている机を囲むように席に着いた。

 外からは中の様子がわからない部屋で話すなんて、いったい鍵にまつわるやらかしとはなんなのだろうか。

『エロい響きだよなぁ、生徒指導室って。今度シオンに一人生徒指導のイメージプレイさせるのもいいかもなぁ?』

 サナが地獄のような提案をしていたが、あえて無視することにした。
 下手に反応したら、本当にやらされかねない。
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