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13. 証言:相田 三葉
1
「まず1年前の話だから、詳細に話せないのは勘弁してほしいんだけど……」
「あの日、放課後に職員室に鍵を借りに行ったのは私ね。それは間違ってないわ」
「ただ、部室を開けた後は基本的に鍵は部室の中に置いておくのよ。誰かが鍵を持って出歩いちゃうと、他の人が困るでしょ?」
「だからその日も同じように、私は部室に来た他の部員に鍵を任せて外に写真を撮りに行ってたの」
「そして部活終了時間を15分くらい過ぎたあたりで、そろそろ着替えて帰ろうと思って部室に戻ったら締め出されてたってわけ」
「仕方ないから職員室に鍵を取りに行こうと思って、歩いてる途中でサトシンとバンちゃんに会ったのよ」
「そこで職員室にも鍵が無いってことを知って、特別にマスターキーで開けてもらったわ」
「サトシンから鍵の紛失の口止めをお願いされたのもこの時ね」
「こんな感じかしらね」
”基本的に部活中は鍵は部室の中にある”
これが新しい情報だ。
この情報を基に容疑者を割り出すならば――
「当日、部室を利用した部員はわかりますか?」
「んー……。んんーー…………」
わからない、ということなのだろう。
三葉は首を傾げすぎて腰まで捻っている。
1年前の話だ。
三葉が憶えていないのも仕方ない。
それに外での写真撮影に勤しんでいたなら、入室状況も把握もし切れていないだろう。
シオンが諦めかけたところで、嶺二が手を挙げた。
「少なくとも、僕はいたよ」
「本当ですか?」
「ああ。他の部員までは記憶にないけどね」
「倉持先輩の視点での話も伺っていいですか?」
「僕も相田さんとほとんど同じだ。部室に荷物を置いて、外に写真を撮りに行った。僕は相田さんよりも早く部室に帰ったおかげで、締め出されることはなかったよ。ただ……」
嶺二は話している途中で言葉を切った。
何か意味ありげに考える仕草をしていることから、気になっている事があるようだ。
「ただ、なんですか?」
「……僕が部室に戻るのと入れ替わりで、部室に残っていた部員はみんな帰ったんだ。部活の終了時間が近かったからね。僕も帰り支度を始めたんだけど、その時荷物は僕と相田さんの物しか残っていなかった」
「えっ? それって……」
「レイくんが私を締めだしたの!?」
突然三葉の大声が飛び出した。
いまの声量だと、生徒指導室の外まで響いたのではなかろうか。
「っ……違いますよ。僕は鍵をかけてないんですから」
「倉持先輩、どういうことですか?」
「僕が戻った時には、部室には鍵はなかったんだ。だから、僕は鍵をかけられなかった」
嶺二が部室に戻った時点で、既に鍵は紛失していた。
そして、嶺二が部室を出た時点では三葉の荷物しか残っていなかった。
「……?」
シオンの思考にノイズが混ざり始める。
違和感が胸中に渦巻き、脳裏に干渉してくるような感覚。
当日の状況に対して、シオンはどことなくおかしさを感じていた。
「あの日、放課後に職員室に鍵を借りに行ったのは私ね。それは間違ってないわ」
「ただ、部室を開けた後は基本的に鍵は部室の中に置いておくのよ。誰かが鍵を持って出歩いちゃうと、他の人が困るでしょ?」
「だからその日も同じように、私は部室に来た他の部員に鍵を任せて外に写真を撮りに行ってたの」
「そして部活終了時間を15分くらい過ぎたあたりで、そろそろ着替えて帰ろうと思って部室に戻ったら締め出されてたってわけ」
「仕方ないから職員室に鍵を取りに行こうと思って、歩いてる途中でサトシンとバンちゃんに会ったのよ」
「そこで職員室にも鍵が無いってことを知って、特別にマスターキーで開けてもらったわ」
「サトシンから鍵の紛失の口止めをお願いされたのもこの時ね」
「こんな感じかしらね」
”基本的に部活中は鍵は部室の中にある”
これが新しい情報だ。
この情報を基に容疑者を割り出すならば――
「当日、部室を利用した部員はわかりますか?」
「んー……。んんーー…………」
わからない、ということなのだろう。
三葉は首を傾げすぎて腰まで捻っている。
1年前の話だ。
三葉が憶えていないのも仕方ない。
それに外での写真撮影に勤しんでいたなら、入室状況も把握もし切れていないだろう。
シオンが諦めかけたところで、嶺二が手を挙げた。
「少なくとも、僕はいたよ」
「本当ですか?」
「ああ。他の部員までは記憶にないけどね」
「倉持先輩の視点での話も伺っていいですか?」
「僕も相田さんとほとんど同じだ。部室に荷物を置いて、外に写真を撮りに行った。僕は相田さんよりも早く部室に帰ったおかげで、締め出されることはなかったよ。ただ……」
嶺二は話している途中で言葉を切った。
何か意味ありげに考える仕草をしていることから、気になっている事があるようだ。
「ただ、なんですか?」
「……僕が部室に戻るのと入れ替わりで、部室に残っていた部員はみんな帰ったんだ。部活の終了時間が近かったからね。僕も帰り支度を始めたんだけど、その時荷物は僕と相田さんの物しか残っていなかった」
「えっ? それって……」
「レイくんが私を締めだしたの!?」
突然三葉の大声が飛び出した。
いまの声量だと、生徒指導室の外まで響いたのではなかろうか。
「っ……違いますよ。僕は鍵をかけてないんですから」
「倉持先輩、どういうことですか?」
「僕が戻った時には、部室には鍵はなかったんだ。だから、僕は鍵をかけられなかった」
嶺二が部室に戻った時点で、既に鍵は紛失していた。
そして、嶺二が部室を出た時点では三葉の荷物しか残っていなかった。
「……?」
シオンの思考にノイズが混ざり始める。
違和感が胸中に渦巻き、脳裏に干渉してくるような感覚。
当日の状況に対して、シオンはどことなくおかしさを感じていた。
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