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第二章 会社組織はもう御免
魔法使いの家
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「何だぁ? やろうってのか?」
前に進み出た健太郎を門衛達の中心にいた男が歯を剥いて威嚇する。
「コホーッ」
抵抗はしない、だがな、ミラルダには指一本触れさせない。やるなら俺をやれ。
ミラルダを指差した後、バツ印を腕で作り、健太郎は親指で自分を指し示した。
「ミシマ……あんた……」
胸元で右手を握ったミラルダに下がるよう手を振り、健太郎は男達に向き直る。
「半獣人は襲うなってか? 何だよコイツ、モンスターのくせにナイト気取りか?」
「へへへッ、金属ゴーレムでもウォーピックやメイスを使やぁ、ぶち壊せるんだぜぇ? お前、分かってんのかぁ?」
門衛の一人が先の尖った巨大な金槌の柄を左手に打ち付けながらニタニタと笑う。
「止めておくれよッ! お金は払うからさッ!!」
声を上げたミラルダを右手で制し、健太郎は男達にカンフー映画の主役の様にチョイチョイと指を動かし挑発した。
「てめぇ……どうせモンスターだ、倒しても誰も文句は言わねぇ! 野郎どもやっちまえ!!」
「「「「「ヒャッハー!!」」」」」
奇声を上げて男達は一斉に健太郎に襲いかかった。
「ミシマッ!!」
ミラルダの声とガインッという金属を叩く鈍い音が重なる。
その一瞬後、健太郎を殴った男達は全員が武器を取り落としてうめき声を上げた。
「うぅ……なんて硬ぇ野郎だ……」
手首を押さえ健太郎を見た門衛の一人は驚愕の表情で彼を見ていた。
それもそうだろう。彼らが振り下ろしたどの武器も、健太郎の体に凹みどころかひっかき傷一つ付けられていなかったのだから。
「コホーッ?」
どうした、もう終わりか?
ジャリッと音を立て健太郎が一歩踏み出すと、潮が引く様に男達は彼から離れた。
更にもう一歩踏み出す。
「クッ……こっ、このまま済むと思うなよッ!!」
月並みなセリフを残しリーダーらしき男が走り去ると、他の連中も慌てて彼の後に続き逃げ出した。
「コホーッ」
なんてステレオタイプな悪役なんだ……やっぱ、無意識的にはああいうのが一番分かりやすいからかなぁ……。
「ミシマ! なんて事するんだい!? 殺されたらどうすんのさ!?」
ミラルダはそう叫びながら健太郎に駆け寄り、彼の体に損傷がないか触りながら確認する。
「ホントにもうッ! 無茶ばかりすんだから、心配するこっちの身にも………………うーん、頑丈だとは思ってたけど……ホントに傷一つ無いねぇ」
少し呆れた様子でミラルダは表情を緩めた。
「コホーッ!!」
当然さッ、俺の体はドラゴンの牙でも、奴が吐いた灼熱のブレスでも無傷だったんだぜ! 門衛如きに傷を付けられる訳がないさッ!!
そう言ってボディービルダーの様に右腕を曲げた健太郎に、ミラルダは苦笑を浮かべため息を吐いた。
「はぁ……まぁ、確かにこっちは手を出しちゃいないし、良しとするか……じゃあ、ミシマ。帰るとしようか?」
「コホー」
うんうんと頷いた健太郎にまったく能天気な奴だよぉとミラルダは困り顔で笑った。
■◇■◇■◇■
ミラルダの家は古い建物だったが、お屋敷と呼んでいいぐらいには広く、そして騒がしかった。
現在、健太郎はその騒がしさの元である五人の幼児にまとわりつかれている。
「ねぇ、ドラ○もん! タケボウキン出してよ!!」
「駄目だよッ! 私の変身ミラーの方が先なんだから!!」
「コッ、コホー……」
うぅ、俺は猫型ロボットじゃ無いから、便利魔道具は出せないんだ。分かって下さいよ。
「ねぇねぇ、これ見て!! 本物の魔水晶だよッ!!」
掛けられた声に視線を向ければ、リビングで彼らの相手をしていた健太郎に、栗色の髪の男の子が紫の結晶を掌に乗せ自慢げに笑っている。
「コホー……」
うん、それは多分アメジストじゃないかな? よく分かんないけど……。
「ミシマさん、ミラ姉を助けてくれてありがとうございます」
「コホーッ」
助けて貰ったのはお互い様だから、お気になさらず。
声を掛けて来た十代前半ぐらいの金髪の少年に気にしないでと手を振る。
どうやらこの少年がミラルダを除けば最年長の様だ。
その少年は健太郎の仕草を見ると少し微笑んだ後、表情を引き締めると言葉を続けた。
「……あの、ミシマさんさえ良ければ、今後もミラ姉と一緒に冒険して欲しいんですが……」
「コホー?」
それは勿論だけど……どうしてそんな頼み難そうにしてんの?
頷いた後、首を捻った健太郎に少年は顔を寄せ耳元で囁く。
「ご存知かも知れませんが、ミラ姉はこの街では余り好かれてはいません。当然、一緒にダンジョンに潜ってくれる人もいませんでした……僕が一緒に行ければいいんですが、冒険者になるには年齢制限があって……」
「コホーッ!!」
なるほどなッ! 少年よ、この三嶋健太郎に万事任せておきたまえ!!
深く頷き右手の親指を立てた健太郎に少年は嬉しそうに笑った。
少年と頷き合っていた健太郎に、麻のオフホワイトの部屋着に着替えたミラルダが声を掛ける。
「すまないねぇ、ミシマ、うちはあんまり客が来ないから……それにみんな、あんたみたいなゴーレム見んのは初めてでさ」
「コホー」
いいさ。アッ、炭で装甲に落書きしちゃ駄目だよッ!
「コホーッ!」
「うっ……怒ったぁ……うぇええええん!!」
「コッ、コホーッ」
あわわ、怒った訳じゃないんだよ。でも体にお絵描きされるとお兄ちゃん、その筋の人みたくなっちゃうから……。
泣き出した子供と腕に書かれた恐らくドラ○もんだと思われる絵を見て、健太郎は世のお父さん、お母さんは大変だとため息を吐いた。
門衛を撃退した後、ミラルダは彼女の家について説明してくれた。
元々、その家は冒険者だった魔法使いの女性が住んでいたそうだ。
彼女は引退してから身寄りのない子供を引き取り育てるという慈善事業を始めた。
何故そんな事を始めたかというと、冒険で追った傷が原因で子供が生めなくなった事がその最たる理由みたいだ。
ミラルダもそんな子供の一人として、彼女に育てられ魔法を叩き込まれたそうだ。
そんな魔法使い、レベッカも寄る年波には勝てず他界。
その後は独立した子供達が事業を引き継ぎ、この孤児院的な家を運営しているらしい。
他の者は金銭的な支援やタマに顔を出すぐらいだそうだが、宿に泊まれず家を借りる事も出来ないミラルダは、現在もここに住みながら子供達と一緒に暮らしているんだと言って笑っていた。
話を聞いた健太郎はチビ達というのがミラルダの子供では無いと分かって、少しホッとしていた。
いや、子供がいても全然いいんだけど、ほら、旦那さんがいたら入り込む余地なんて無いじゃん。
まぁ、現状で機械の体の俺が何が出来るって訳でも無いんだけどさ……。
「ほらほら、ミシマが困ってるだろ。それにもうアンタ達は寝る時間だよ」
「えーっ、ミラ姉、ミミ、もうちょっとドラ○もんとあそびたいぃ!」
「ダメダメ、暫くミシマはいるんだから、遊ぶのは明日でもいいだろ?」
「あしたぁ……ドラ○もん、あしたもいるぅ?」
「コホー」
いるよ。ドラ○もんじゃないけどね、俺。
そう言って右手の親指を立てた健太郎にミミと名乗った少女は、ニヒヒッ、やくそくだよと乳歯が抜け、穴の開いた歯並びをニカッと見せ笑った。
前に進み出た健太郎を門衛達の中心にいた男が歯を剥いて威嚇する。
「コホーッ」
抵抗はしない、だがな、ミラルダには指一本触れさせない。やるなら俺をやれ。
ミラルダを指差した後、バツ印を腕で作り、健太郎は親指で自分を指し示した。
「ミシマ……あんた……」
胸元で右手を握ったミラルダに下がるよう手を振り、健太郎は男達に向き直る。
「半獣人は襲うなってか? 何だよコイツ、モンスターのくせにナイト気取りか?」
「へへへッ、金属ゴーレムでもウォーピックやメイスを使やぁ、ぶち壊せるんだぜぇ? お前、分かってんのかぁ?」
門衛の一人が先の尖った巨大な金槌の柄を左手に打ち付けながらニタニタと笑う。
「止めておくれよッ! お金は払うからさッ!!」
声を上げたミラルダを右手で制し、健太郎は男達にカンフー映画の主役の様にチョイチョイと指を動かし挑発した。
「てめぇ……どうせモンスターだ、倒しても誰も文句は言わねぇ! 野郎どもやっちまえ!!」
「「「「「ヒャッハー!!」」」」」
奇声を上げて男達は一斉に健太郎に襲いかかった。
「ミシマッ!!」
ミラルダの声とガインッという金属を叩く鈍い音が重なる。
その一瞬後、健太郎を殴った男達は全員が武器を取り落としてうめき声を上げた。
「うぅ……なんて硬ぇ野郎だ……」
手首を押さえ健太郎を見た門衛の一人は驚愕の表情で彼を見ていた。
それもそうだろう。彼らが振り下ろしたどの武器も、健太郎の体に凹みどころかひっかき傷一つ付けられていなかったのだから。
「コホーッ?」
どうした、もう終わりか?
ジャリッと音を立て健太郎が一歩踏み出すと、潮が引く様に男達は彼から離れた。
更にもう一歩踏み出す。
「クッ……こっ、このまま済むと思うなよッ!!」
月並みなセリフを残しリーダーらしき男が走り去ると、他の連中も慌てて彼の後に続き逃げ出した。
「コホーッ」
なんてステレオタイプな悪役なんだ……やっぱ、無意識的にはああいうのが一番分かりやすいからかなぁ……。
「ミシマ! なんて事するんだい!? 殺されたらどうすんのさ!?」
ミラルダはそう叫びながら健太郎に駆け寄り、彼の体に損傷がないか触りながら確認する。
「ホントにもうッ! 無茶ばかりすんだから、心配するこっちの身にも………………うーん、頑丈だとは思ってたけど……ホントに傷一つ無いねぇ」
少し呆れた様子でミラルダは表情を緩めた。
「コホーッ!!」
当然さッ、俺の体はドラゴンの牙でも、奴が吐いた灼熱のブレスでも無傷だったんだぜ! 門衛如きに傷を付けられる訳がないさッ!!
そう言ってボディービルダーの様に右腕を曲げた健太郎に、ミラルダは苦笑を浮かべため息を吐いた。
「はぁ……まぁ、確かにこっちは手を出しちゃいないし、良しとするか……じゃあ、ミシマ。帰るとしようか?」
「コホー」
うんうんと頷いた健太郎にまったく能天気な奴だよぉとミラルダは困り顔で笑った。
■◇■◇■◇■
ミラルダの家は古い建物だったが、お屋敷と呼んでいいぐらいには広く、そして騒がしかった。
現在、健太郎はその騒がしさの元である五人の幼児にまとわりつかれている。
「ねぇ、ドラ○もん! タケボウキン出してよ!!」
「駄目だよッ! 私の変身ミラーの方が先なんだから!!」
「コッ、コホー……」
うぅ、俺は猫型ロボットじゃ無いから、便利魔道具は出せないんだ。分かって下さいよ。
「ねぇねぇ、これ見て!! 本物の魔水晶だよッ!!」
掛けられた声に視線を向ければ、リビングで彼らの相手をしていた健太郎に、栗色の髪の男の子が紫の結晶を掌に乗せ自慢げに笑っている。
「コホー……」
うん、それは多分アメジストじゃないかな? よく分かんないけど……。
「ミシマさん、ミラ姉を助けてくれてありがとうございます」
「コホーッ」
助けて貰ったのはお互い様だから、お気になさらず。
声を掛けて来た十代前半ぐらいの金髪の少年に気にしないでと手を振る。
どうやらこの少年がミラルダを除けば最年長の様だ。
その少年は健太郎の仕草を見ると少し微笑んだ後、表情を引き締めると言葉を続けた。
「……あの、ミシマさんさえ良ければ、今後もミラ姉と一緒に冒険して欲しいんですが……」
「コホー?」
それは勿論だけど……どうしてそんな頼み難そうにしてんの?
頷いた後、首を捻った健太郎に少年は顔を寄せ耳元で囁く。
「ご存知かも知れませんが、ミラ姉はこの街では余り好かれてはいません。当然、一緒にダンジョンに潜ってくれる人もいませんでした……僕が一緒に行ければいいんですが、冒険者になるには年齢制限があって……」
「コホーッ!!」
なるほどなッ! 少年よ、この三嶋健太郎に万事任せておきたまえ!!
深く頷き右手の親指を立てた健太郎に少年は嬉しそうに笑った。
少年と頷き合っていた健太郎に、麻のオフホワイトの部屋着に着替えたミラルダが声を掛ける。
「すまないねぇ、ミシマ、うちはあんまり客が来ないから……それにみんな、あんたみたいなゴーレム見んのは初めてでさ」
「コホー」
いいさ。アッ、炭で装甲に落書きしちゃ駄目だよッ!
「コホーッ!」
「うっ……怒ったぁ……うぇええええん!!」
「コッ、コホーッ」
あわわ、怒った訳じゃないんだよ。でも体にお絵描きされるとお兄ちゃん、その筋の人みたくなっちゃうから……。
泣き出した子供と腕に書かれた恐らくドラ○もんだと思われる絵を見て、健太郎は世のお父さん、お母さんは大変だとため息を吐いた。
門衛を撃退した後、ミラルダは彼女の家について説明してくれた。
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彼女は引退してから身寄りのない子供を引き取り育てるという慈善事業を始めた。
何故そんな事を始めたかというと、冒険で追った傷が原因で子供が生めなくなった事がその最たる理由みたいだ。
ミラルダもそんな子供の一人として、彼女に育てられ魔法を叩き込まれたそうだ。
そんな魔法使い、レベッカも寄る年波には勝てず他界。
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他の者は金銭的な支援やタマに顔を出すぐらいだそうだが、宿に泊まれず家を借りる事も出来ないミラルダは、現在もここに住みながら子供達と一緒に暮らしているんだと言って笑っていた。
話を聞いた健太郎はチビ達というのがミラルダの子供では無いと分かって、少しホッとしていた。
いや、子供がいても全然いいんだけど、ほら、旦那さんがいたら入り込む余地なんて無いじゃん。
まぁ、現状で機械の体の俺が何が出来るって訳でも無いんだけどさ……。
「ほらほら、ミシマが困ってるだろ。それにもうアンタ達は寝る時間だよ」
「えーっ、ミラ姉、ミミ、もうちょっとドラ○もんとあそびたいぃ!」
「ダメダメ、暫くミシマはいるんだから、遊ぶのは明日でもいいだろ?」
「あしたぁ……ドラ○もん、あしたもいるぅ?」
「コホー」
いるよ。ドラ○もんじゃないけどね、俺。
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