62 / 93
閑章 新たな仲間と子供達
英雄譚には尾鰭が付き物
しおりを挟む
ギャガンとグリゼルダは二人とも性格に問題ありと判断されたがその実力を評価され、ミラルダの監視下いう条件のもとではあったが登録を完了し、晴れて冒険者としての第一歩を踏み出す事となった。
「チッ、なんでテメェの監視が必要なんだよぉ」
「そうだ、我々は子供では無い、監視されずとも問題等おこさん」
「監視されるのが嫌だったら、試験の時、もっとしおらしくしてれば良かったんだよ」
「コホー」
そうだぞ二人とも。わざわざ、相手を挑発する様な事ばっか言うからだぞッ。
「まったく、ミシマの言う通りさ。ただでさえあたしの仲間って事でマイナスイメージなのに、目立って評判落として、その上、自分から敵を作ってどうすんだいッ?」
「フンッ、あの将吾って奴ぐらいの実力なら俺の敵じゃねぇ」
「たしかにな、フィリスという魔法使い、人間としては中々だが魔人族では中の下といった所だ」
「ふぅ……個別にやればそうかもだけど、冒険者は連携が命だ。侮ってると痛い目みるよ」
「ふむ……」
顎に手を当て考え込んだグリゼルダと違い、ギャガンは皮肉げな笑みを浮かべ反論する。
「そもそもあいつ等、いや、あのフィリスって女の恨みを買ってたのはミラルダ、お前ぇだろう?」
「それは……そうだけどさ」
「師匠の素性もよく知らねぇお前ぇにも少しは責任があると思うぜ、俺は」
「確かに師匠の素性を知らないというのはちょっとな……どんな人物に自分が魔術を教わっているのか気にならなかったのか?」
「うっ……」
ギャガンとグリゼルダに詰め寄られ、ミラルダは言葉に窮した。
ミラルダにとってレベッカは気付いたら一緒に暮らしていた、親であり師匠以外の何者でもない。
レベッカが過去を語る事は無かったし、魔法の勉強で忙しく、そんな事を気にしている時間はミラルダには無かったのだ。
「コッ、コホーッ!」
まっ、まぁ、近すぎると気付かない事もあるよねッ!。
「ミシマぁ……味方はあんただけだよぉ……」
健太郎が掛けた言葉にミラルダは少し涙目になりながら笑みを浮かべた。
そんなミラルダに健太郎も金の歯を見せ微笑みを返す。
「…………二人だけの世界に浸ってねぇで、とにかく帰ろうぜ」
「そっ、そうだね。コホンッ、それじゃ帰ろうか」
ギャガンの言葉で我に返ったミラルダは、コホンと咳払いを一つして健太郎達を先導し歩き始めた。
ギャガンとグリゼルダは顔を見合わせると苦笑を浮かべそれを追う。
その後ろ、最後尾を歩きながら健太郎は、段々、RPGっぽくなって来たなぁと、かつて遊んだ数々のゲームを思い浮かべながら彼らの背中を眺め、嬉しそうに微笑んだ。
■◇■◇■◇■
"ベヒモス殺しのレベッカぁ? 随分とまぁ古い話を持ち出すねぇ"
家に戻ったミラルダは健太郎とグリゼルダと共に師匠であるレベッカ(幽霊)に過去について問いただした。
ちなみにギャガンは興味が無かった様で、トーマスを連れて走りにいってしまった。
何も問題を起こさなければいいのだが……。
「その所為でどうもフィリスにはずっと恨まれていたみたいなんだよ」
"フィリスってよくミラルダに絡んで来てた娘だろ? あの娘は何でとはいつも思ってたけど……"
「コホー」
婆ちゃんはフィリスが弟子志望者だったって気付いてないみたいだ。ミラルダ、フィリスについて婆ちゃんに詳しく伝えてくれ。
「了解だよ。師匠、フィリスは十年ぐらい前に弟子にしてくれて言って来た金髪の子だよ」
"金髪……十年前……ああ! ロッドマンに預けたあの子かい! 随分とまぁ化粧が濃くなって……全然気づかなかったよ。恨むって、あの子そんなにあたしの弟子になりたかったのかい?"
健太郎がレベッカの声を伝え、ミラルダが答える。
そんな健太郎を介したやり取りを続け、何とかレベッカに現在の状況を理解してもらった。
"英雄に憧れたねぇ……そんな良いもんじゃないんだけどねぇ"
「何でだい? 皆の為に戦ってたんじゃないのかい?」
「うむ、私が読んだ本にも、トラスのパーティは世界の問題に関わり解決を続けた英雄達だとあったが……?」
"そりゃ、本にするんならその方が良いからだよ。寅三郎は……"
「コッ、コホーッ!?」
とっ、寅三郎!?
「師匠、寅三郎って……?」
"あんたらが英雄トラスって呼んでる男だよ。あいつは前世が異界人だったらしくて、トラスって名前より寅三郎って呼んでくれっていつも言ってたんだよ。何でも憧れてた人がいたみたいでねぇ、そのまま名乗るんじゃその人に申し訳ないてんで、一文字変えて名乗ってるって言ってたよ……世界中を旅して次々に色んな問題に自分から首突っ込んじゃ、問題かき回して余計ややこしくしてねぇ。それに付き合うあたし達、パーティーメンバーからしたら堪ったもんじゃなかったよ"
レベッカの言葉で健太郎の脳裏に黄色いスーツを来た腹巻の男性の顔が浮かぶ。
あの人物はたまに実家に帰って来ては色々やって、最後にはまた旅に出た筈だ。
取り敢えず健太郎がレベッカの言葉をミラルダ達に伝えると、ミラルダは迷惑そうな人だねぇと顔を引きつらせ、グリゼルダは自身の持っていた英雄像が崩れた事でショックを受けている様だった。
「そんな、英雄トラスが実はトラサブロウでそんなはた迷惑な人物だったとは……」
「何だい、グリゼルダはそのトラスって人が好きだったのかい?」
「トラスは祖国エルダガンドも救ってくれた事のある偉大な英雄、私はそう教わった……それがただの野次馬だったとは……ショックだ……」
"まぁ、問題を見つける嗅覚は凄かったからねぇ……それで助かった人もいるんだろうけど、腐れ縁じゃなきゃ、あたしもあんまり関わり合いになりたいとは思わないねぇ……"
「コッ、コホー……」
そっ、そうなんだ。
「グッ、ともかくトラの事はもういい! レベッカ、あなたの事を教えてくれッ! 街一つを一足で踏み潰す巨獣、ベヒモスを倒したという話は本当かッ!?」
教科書に載っている様な人物が思い描いていた物と違ったショックを振り切り、グリゼルダはレベッカに尋ねる。
"ああ、ベヒモスね。あの子は仲間の魔人族が説得して、国の真ん中を通るルートを人のいないトコ通る様に変更して貰ったんだ。そん時、地盤の緩んだ土地を通った所為で地面に埋まってねぇ、それをあたしが魔法で埋めたって噂になっちまって……いやぁ、あんときゃ掘り出すのに苦労したよ"
懐かしそうに思い出話を語るレベッカの言葉を健太郎、ミラルダ経由で聞いたグリゼルダはガックリと肩を落とした。
「真実とは時に残酷なものだなぁ……私はずっと、英雄レベッカが巨獣ベヒモスを重力魔法で押し潰し倒したと信じていたのに……いつか私もそんな凄い魔法の使い手になりたいと……」
しみじみと呟いたグリゼルダの肩に手を置き、レベッカが口を開く。
"押し潰したんじゃなくて、持ち上げただね、正しくは。どうだい、そんなにいいもんじゃ無かったろう?"
「コホー……」
世の中には知らない方が良い事もある。あれって本当だったんだなぁ……。
「だね。師匠も昔の話をしなかった訳だよ……」
顔を見合わせた健太郎とミラルダは、どちらともなくアハハと乾いた笑いを漏らした。
「チッ、なんでテメェの監視が必要なんだよぉ」
「そうだ、我々は子供では無い、監視されずとも問題等おこさん」
「監視されるのが嫌だったら、試験の時、もっとしおらしくしてれば良かったんだよ」
「コホー」
そうだぞ二人とも。わざわざ、相手を挑発する様な事ばっか言うからだぞッ。
「まったく、ミシマの言う通りさ。ただでさえあたしの仲間って事でマイナスイメージなのに、目立って評判落として、その上、自分から敵を作ってどうすんだいッ?」
「フンッ、あの将吾って奴ぐらいの実力なら俺の敵じゃねぇ」
「たしかにな、フィリスという魔法使い、人間としては中々だが魔人族では中の下といった所だ」
「ふぅ……個別にやればそうかもだけど、冒険者は連携が命だ。侮ってると痛い目みるよ」
「ふむ……」
顎に手を当て考え込んだグリゼルダと違い、ギャガンは皮肉げな笑みを浮かべ反論する。
「そもそもあいつ等、いや、あのフィリスって女の恨みを買ってたのはミラルダ、お前ぇだろう?」
「それは……そうだけどさ」
「師匠の素性もよく知らねぇお前ぇにも少しは責任があると思うぜ、俺は」
「確かに師匠の素性を知らないというのはちょっとな……どんな人物に自分が魔術を教わっているのか気にならなかったのか?」
「うっ……」
ギャガンとグリゼルダに詰め寄られ、ミラルダは言葉に窮した。
ミラルダにとってレベッカは気付いたら一緒に暮らしていた、親であり師匠以外の何者でもない。
レベッカが過去を語る事は無かったし、魔法の勉強で忙しく、そんな事を気にしている時間はミラルダには無かったのだ。
「コッ、コホーッ!」
まっ、まぁ、近すぎると気付かない事もあるよねッ!。
「ミシマぁ……味方はあんただけだよぉ……」
健太郎が掛けた言葉にミラルダは少し涙目になりながら笑みを浮かべた。
そんなミラルダに健太郎も金の歯を見せ微笑みを返す。
「…………二人だけの世界に浸ってねぇで、とにかく帰ろうぜ」
「そっ、そうだね。コホンッ、それじゃ帰ろうか」
ギャガンの言葉で我に返ったミラルダは、コホンと咳払いを一つして健太郎達を先導し歩き始めた。
ギャガンとグリゼルダは顔を見合わせると苦笑を浮かべそれを追う。
その後ろ、最後尾を歩きながら健太郎は、段々、RPGっぽくなって来たなぁと、かつて遊んだ数々のゲームを思い浮かべながら彼らの背中を眺め、嬉しそうに微笑んだ。
■◇■◇■◇■
"ベヒモス殺しのレベッカぁ? 随分とまぁ古い話を持ち出すねぇ"
家に戻ったミラルダは健太郎とグリゼルダと共に師匠であるレベッカ(幽霊)に過去について問いただした。
ちなみにギャガンは興味が無かった様で、トーマスを連れて走りにいってしまった。
何も問題を起こさなければいいのだが……。
「その所為でどうもフィリスにはずっと恨まれていたみたいなんだよ」
"フィリスってよくミラルダに絡んで来てた娘だろ? あの娘は何でとはいつも思ってたけど……"
「コホー」
婆ちゃんはフィリスが弟子志望者だったって気付いてないみたいだ。ミラルダ、フィリスについて婆ちゃんに詳しく伝えてくれ。
「了解だよ。師匠、フィリスは十年ぐらい前に弟子にしてくれて言って来た金髪の子だよ」
"金髪……十年前……ああ! ロッドマンに預けたあの子かい! 随分とまぁ化粧が濃くなって……全然気づかなかったよ。恨むって、あの子そんなにあたしの弟子になりたかったのかい?"
健太郎がレベッカの声を伝え、ミラルダが答える。
そんな健太郎を介したやり取りを続け、何とかレベッカに現在の状況を理解してもらった。
"英雄に憧れたねぇ……そんな良いもんじゃないんだけどねぇ"
「何でだい? 皆の為に戦ってたんじゃないのかい?」
「うむ、私が読んだ本にも、トラスのパーティは世界の問題に関わり解決を続けた英雄達だとあったが……?」
"そりゃ、本にするんならその方が良いからだよ。寅三郎は……"
「コッ、コホーッ!?」
とっ、寅三郎!?
「師匠、寅三郎って……?」
"あんたらが英雄トラスって呼んでる男だよ。あいつは前世が異界人だったらしくて、トラスって名前より寅三郎って呼んでくれっていつも言ってたんだよ。何でも憧れてた人がいたみたいでねぇ、そのまま名乗るんじゃその人に申し訳ないてんで、一文字変えて名乗ってるって言ってたよ……世界中を旅して次々に色んな問題に自分から首突っ込んじゃ、問題かき回して余計ややこしくしてねぇ。それに付き合うあたし達、パーティーメンバーからしたら堪ったもんじゃなかったよ"
レベッカの言葉で健太郎の脳裏に黄色いスーツを来た腹巻の男性の顔が浮かぶ。
あの人物はたまに実家に帰って来ては色々やって、最後にはまた旅に出た筈だ。
取り敢えず健太郎がレベッカの言葉をミラルダ達に伝えると、ミラルダは迷惑そうな人だねぇと顔を引きつらせ、グリゼルダは自身の持っていた英雄像が崩れた事でショックを受けている様だった。
「そんな、英雄トラスが実はトラサブロウでそんなはた迷惑な人物だったとは……」
「何だい、グリゼルダはそのトラスって人が好きだったのかい?」
「トラスは祖国エルダガンドも救ってくれた事のある偉大な英雄、私はそう教わった……それがただの野次馬だったとは……ショックだ……」
"まぁ、問題を見つける嗅覚は凄かったからねぇ……それで助かった人もいるんだろうけど、腐れ縁じゃなきゃ、あたしもあんまり関わり合いになりたいとは思わないねぇ……"
「コッ、コホー……」
そっ、そうなんだ。
「グッ、ともかくトラの事はもういい! レベッカ、あなたの事を教えてくれッ! 街一つを一足で踏み潰す巨獣、ベヒモスを倒したという話は本当かッ!?」
教科書に載っている様な人物が思い描いていた物と違ったショックを振り切り、グリゼルダはレベッカに尋ねる。
"ああ、ベヒモスね。あの子は仲間の魔人族が説得して、国の真ん中を通るルートを人のいないトコ通る様に変更して貰ったんだ。そん時、地盤の緩んだ土地を通った所為で地面に埋まってねぇ、それをあたしが魔法で埋めたって噂になっちまって……いやぁ、あんときゃ掘り出すのに苦労したよ"
懐かしそうに思い出話を語るレベッカの言葉を健太郎、ミラルダ経由で聞いたグリゼルダはガックリと肩を落とした。
「真実とは時に残酷なものだなぁ……私はずっと、英雄レベッカが巨獣ベヒモスを重力魔法で押し潰し倒したと信じていたのに……いつか私もそんな凄い魔法の使い手になりたいと……」
しみじみと呟いたグリゼルダの肩に手を置き、レベッカが口を開く。
"押し潰したんじゃなくて、持ち上げただね、正しくは。どうだい、そんなにいいもんじゃ無かったろう?"
「コホー……」
世の中には知らない方が良い事もある。あれって本当だったんだなぁ……。
「だね。師匠も昔の話をしなかった訳だよ……」
顔を見合わせた健太郎とミラルダは、どちらともなくアハハと乾いた笑いを漏らした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

