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おまけ お菓子選び(雪久)
しおりを挟む駄目だ、気になる。
妹を助けたという、あの男が気になる。
どうせ、妹のストーカー何かだと思って冷たい態度で追い払ったのはいいが、何故か心にザラザラとした罪悪感が残る。
言っていけない人物だと、自身に責め立てられているようで落ち着かない。
「どうしたの、そわそわして」
部屋の前で悩んでいたら、丁度自室に帰ろうとした妹に話しかけられた。
別に誰かに相談することでもないのだが、訊かれたので話してみることにした。
「それはお兄ちゃんが悪い」
と、分かっていたことだがそう返された。
「何度も言うけど、私を助けてくれたの。送り届けてもくれないなんて……最悪!」
顔を赤くして頬を膨らませる妹。確かに、最悪な対応をした俺が悪い。けれど、妹が良い人だからと言って紹介した人間が、碌な奴だったのは数えきれない。
毎回、毎回、事件になるから、初対面で相手を疑ってしまうのは仕方ない。
「じゃあ、お兄ちゃんがそういうならそれでいいと思うよ。その人に嫌われたままだけど」
「……」
もう一度会うか分からない男に嫌われたままでいい。
嫌われたままでいいーーーはず。
「これとか、どうかな。シンプルでいいと思う」
妹が見せてきたのは青色のチェックの包に、黒色のリボンが巻かれたお菓子の入った四角い箱。
あの男には、シンプルすぎると思ってしまった。
気にしてないと言いながら結局、あの男に助けられた礼と謝罪を込めて妹とお菓子を買いに来ていた。
男が着ていた学生服が隣町の高校だと判明し、居場所が分かったから仕方なくであり、あの男の警戒が解けたわけではない。
「こっちの方がいいだろう」
なんだか妹の勧める物はあまりにもシンプルすぎて味気ないと感じた。俺は隣にあった物を見せた。
「えっ、それは、ちょっと」
妹は何故か渋い顔をして拒否する。
俺が見せたのは、赤いリボンと赤い紙の花で飾り付けられた円柱の箱。さらに、おまけで小さな熊ぬいぐるみが付いていた。
「可愛すぎるかな」
「可愛いからいいんだろ」
「まって、まって、渡すのは同じ高校生で男の子だよ」
「? 可愛かっただろ」
可愛い、だから彼奴にはこれが似合うと思う。
「そうじゃなくて、渡すのは小さい女の子じゃないよってこと」
「これがいい」
「お兄ちゃん、聞いてる? 私のことよく天然って言うけど、お兄ちゃんも相当だよね」
「ああ、聞いている。彼奴は絶対に喜ぶと思う」
「その人と初対面だよね、もう~」
やめた方が良いよと妹は説得してくるが、絶対にこれだと俺は知っている。
うん、これが良い。この小さなぬいぐるみなんて昔からの好みで……俺はさっきから何を言っているのだろう。
「嫌われても知らないからねー」
隣で嘆くのだった。
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