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3 お礼とお菓子
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「あー! いた、いた。やっぱりここの学校だったんだねー」
授業は終わり帰ろうとしたところ校門前でパッと晴れるような笑顔で手を振る陽菜がいた。そして日向のような栗色の長い髪の毛を揺らし、元気いっぱいに真っ直ぐとこちらに向かってくる。
陽菜を無視して全力で校内に戻りたかったが、そんな事はしない。余計に怪しまれるから。
「だれだ。あの子、可愛い」「どこの学校の子だろう」
通りすがりの生徒の間で飛び交うくらいに、彼女の顔は整っている。
前世の時は彼奴を取るカス女としか認識出来なかったが、男になった今なら分かる。
めちゃくちゃ可愛い。
背は小さく、目元はぱっちりと大きくて、小動物のような愛らしさがある上に、胸は大きい。女性という特徴を最大限に生かした人物だ。
「良かった、元気そうです。ずっと、貴方のことずっと気になってたんだよね」
目線の下からにっこりと笑いかけてくれる彼女に、男として胸が騒ぐ。
ダメだ、普通に可愛い。
彼奴が好きなる理由が今なら理解できる。これは生物として強すぎる。
また、演技とかではなくて自然にやっているからこそ勝てる気がしない。
と普通の男ならここで恋が始まっているのだが、結局は椿であり、俺だから、何か用があって彼女は来たのだとすぐに理解した。
「体調は大丈夫です。えっと、今日は何用で」
「うん。この前、助けてくれたお礼と、謝罪がしたくて。これ、貰ってくれる」
レザーのスクールバッグから取り出したのは、赤いリボンと赤い紙の花で飾り付けられた円柱の箱。
リボンと花で可愛いというのに、おまけで小さな熊ぬいぐるみが箱に抱きついていた。
中身はお菓子と見た。
「これ……」
礼として、菓子を貰えるのはありがたいし、嬉しい。
が、これはどう見ても男に渡すようなものじゃないし、もっと言えば女児に向けて渡すようなラッピング。
もしかして椿だと、知られたか。
「だよね~、受け取りにくいよね。渡す相手は男の子だよって私も言ったんだけど、なんか聴かなくて」
頬を指先で掻いては、眉を下げ微妙な笑みを浮かべる彼女。
どうやら、このデザインを選んだのは彼女ではないようだ。じゃあ、誰が?
「あの、箱だけ渡す事できるけど……」
「いや、せっかく買って来てもらったし、そのまま貰うよ。ありがとう」
「うん! 良かった」
せっかくラッピングした物をわざわざ外すのは勿体ないから、そのままありがたく受け取った。
「渡したなら、帰るぞ」
いつか聞き慣れたその声に、体がビクッと強張る。
彼女の背後から出て来たのは、雪久ともう一人、友人がついて来ていた。
「もう~、びっくりした。ついて来ているなら言ってよ」
「お前を、一人で行かせるわけないだろ」
頬を膨らませて陽菜は、雪久の肩をつつく。
棘を纏っているような雪久を気軽に戯れられる陽菜を流石と思うと同時に、雪久も悪い気はしていないのが、菓子箱を持つ手にミシミシと力が入る。
「はい、はい、こんなところでシスコン発言はいいから行こうぜ」
雪久の友人が間を割入ってくれた事で、我に返り。握りつぶしそうになった菓子箱を鞄に仕舞う。
ん? というか、シスコンってどう言う事だ。
「もしかして、お二人ってご兄妹で」
「そうだよ」
陽菜は頷く。それ見て、密かに立てていた作戦が脳内で崩れ落ちる音がする。
「仏頂顔って書いたこの人が、私の兄。秋無(あきなし)雪久って言うの。で、私が秋無陽菜って言うだよ」
兄の腕を取る妹。兄は「仏頂顔……」と言われて少しショックを受けて固まっていた。
髪色は銀色と栗色と違う。けど、そう言われれば、目元とか、口周りが似ている気がする。
……あれ、それだとおかしくないか。二人はどこか似ているが、二人の見た目は前世から格好は変わっても顔は変わっていないし、兄妹でもなかったはずだ。
「でも、よく似てないねって言われるから、驚くのも無理ないかも。あっ、そうだ。私、貴方の名前を訊いてなかった。教えて!」
「命の恩人なのに」と陽菜はぶらりと下がっていた俺の手を取るとギュッと握られ、目線が合えば満面の笑を見せくる。
これはアイドルの握手会かなと夢を見そうになるが、陽菜の背後にいるボディーガードの二人に凄まれ、厳しく冷たい現実に引き戻された。
……早く、名前を言って帰ろう。前世と名前が全く違うし。
「高校二年の赤橋 新(あかはし あらた)っていいます」
「一学年上なんだね。じゃあ、赤橋君って呼ぶね。私はヒナっちとか、なんでも良いから気軽に呼んでね」
よろしくと、忙しない彼女は繋いだ手を縦に振り回すのだった。
「自己紹介も終わったし、そろそろ行こうぜ。集合時間に間に合わなくなる」
「そうだ! 忘れてた。ごめんだけど、赤井君もう行くね」
雪久の友人に急かされて、やっと俺の元を離れていく三人。
「またね」と陽菜は手を振る。『いや、もう会いたくない』という言葉は飲み込み、小さく手を振り返した。
三人の背中が小さくなったところで、緊張という肩の荷が一気に降りる。
気を使いすぎて疲れた。椿だとバレていないのが幸いか。
「ねぇ、あの三人見たぁ。美男美女」「なんだろう。もしかしてモデルとか」
周りにいた生徒達の話題は、あの三人で持ちきり。話しかければ良かった、なんて声が聞こるほど。
類は友を呼ぶというのか、彼奴の周りは美男美女が多かった。しかも、性格も捻くれた者もおらず、前向きな人達ばかり。
それが余計な自身の醜さが誇張され、自身の劣等感を積み上げていくという悪循環。
こうやって再び会ってみると、彼奴のいる場所は自分には合っていなかった。
魚がどう頑張っても陸で足が生えない様に、俺も頑張ってもあの仲には入れない。
分かっていたのに、理解させれれると虚しくなるな。自分は自分の場所に帰るかと、三人とはまた別の方向に向かう。
*
自宅に帰ってきて早速、部屋で貰った箱の中身を確認する。
やっぱりどう見ても俺というか、男子高校生に渡す様な物じゃないんだよな。
玩具の柄の包み紙に巻かれ、凹んだ円柱の箱。中心の飾りは、紙で出来た赤い花に大きなリボン、そして小さなクマのぬいぐるみ。
箱の中身はハートの形をした焼き菓子ときた。
その人が可愛いものが好きと知っているなら分かるけど、ほぼ初対面の男子高校生にこんな可愛い物を渡すはずがない。
やはり、お前の正体を知っているぞと暗に伝えているのか。
ーーーそれはないな。俺が椿だと知ったら、雪久もそうだが雪久の友人である、海北(うみきた)があんな大人しく黙っていない。
なぜなら、前世の一件で物凄く嫌われていると知っているから。俺が椿と知った日には必ず一発殴ってくると思う。
となると、陽菜の趣味のように見えてくるが、あの反応は自分で選んでないって感じだったし……、丁度箱に付いていた小さな熊のぬいぐるみが目に入り、おもむろに手に取る。
まっ、誰が選ぼうとこの熊とか可愛いから、不満はないけど。
小さな手足に、小さな体、色んなポーズを取らせて遊ぶ。なんか、この熊、刺繡の目が半円になっているせいで、顔つきが厳しく不機嫌そうに見える。
「……旦那様みたい」
あの人は常にクールで、いつだって悩ましいお顔。怒っているのか、笑っているのか、今ひとつ分かんなくて、それでもその顔を追いかけるほど好きで……そこまで考えて机に自身の頭をぶつける。
「こんなので……新しい恋できるのか……」
授業は終わり帰ろうとしたところ校門前でパッと晴れるような笑顔で手を振る陽菜がいた。そして日向のような栗色の長い髪の毛を揺らし、元気いっぱいに真っ直ぐとこちらに向かってくる。
陽菜を無視して全力で校内に戻りたかったが、そんな事はしない。余計に怪しまれるから。
「だれだ。あの子、可愛い」「どこの学校の子だろう」
通りすがりの生徒の間で飛び交うくらいに、彼女の顔は整っている。
前世の時は彼奴を取るカス女としか認識出来なかったが、男になった今なら分かる。
めちゃくちゃ可愛い。
背は小さく、目元はぱっちりと大きくて、小動物のような愛らしさがある上に、胸は大きい。女性という特徴を最大限に生かした人物だ。
「良かった、元気そうです。ずっと、貴方のことずっと気になってたんだよね」
目線の下からにっこりと笑いかけてくれる彼女に、男として胸が騒ぐ。
ダメだ、普通に可愛い。
彼奴が好きなる理由が今なら理解できる。これは生物として強すぎる。
また、演技とかではなくて自然にやっているからこそ勝てる気がしない。
と普通の男ならここで恋が始まっているのだが、結局は椿であり、俺だから、何か用があって彼女は来たのだとすぐに理解した。
「体調は大丈夫です。えっと、今日は何用で」
「うん。この前、助けてくれたお礼と、謝罪がしたくて。これ、貰ってくれる」
レザーのスクールバッグから取り出したのは、赤いリボンと赤い紙の花で飾り付けられた円柱の箱。
リボンと花で可愛いというのに、おまけで小さな熊ぬいぐるみが箱に抱きついていた。
中身はお菓子と見た。
「これ……」
礼として、菓子を貰えるのはありがたいし、嬉しい。
が、これはどう見ても男に渡すようなものじゃないし、もっと言えば女児に向けて渡すようなラッピング。
もしかして椿だと、知られたか。
「だよね~、受け取りにくいよね。渡す相手は男の子だよって私も言ったんだけど、なんか聴かなくて」
頬を指先で掻いては、眉を下げ微妙な笑みを浮かべる彼女。
どうやら、このデザインを選んだのは彼女ではないようだ。じゃあ、誰が?
「あの、箱だけ渡す事できるけど……」
「いや、せっかく買って来てもらったし、そのまま貰うよ。ありがとう」
「うん! 良かった」
せっかくラッピングした物をわざわざ外すのは勿体ないから、そのままありがたく受け取った。
「渡したなら、帰るぞ」
いつか聞き慣れたその声に、体がビクッと強張る。
彼女の背後から出て来たのは、雪久ともう一人、友人がついて来ていた。
「もう~、びっくりした。ついて来ているなら言ってよ」
「お前を、一人で行かせるわけないだろ」
頬を膨らませて陽菜は、雪久の肩をつつく。
棘を纏っているような雪久を気軽に戯れられる陽菜を流石と思うと同時に、雪久も悪い気はしていないのが、菓子箱を持つ手にミシミシと力が入る。
「はい、はい、こんなところでシスコン発言はいいから行こうぜ」
雪久の友人が間を割入ってくれた事で、我に返り。握りつぶしそうになった菓子箱を鞄に仕舞う。
ん? というか、シスコンってどう言う事だ。
「もしかして、お二人ってご兄妹で」
「そうだよ」
陽菜は頷く。それ見て、密かに立てていた作戦が脳内で崩れ落ちる音がする。
「仏頂顔って書いたこの人が、私の兄。秋無(あきなし)雪久って言うの。で、私が秋無陽菜って言うだよ」
兄の腕を取る妹。兄は「仏頂顔……」と言われて少しショックを受けて固まっていた。
髪色は銀色と栗色と違う。けど、そう言われれば、目元とか、口周りが似ている気がする。
……あれ、それだとおかしくないか。二人はどこか似ているが、二人の見た目は前世から格好は変わっても顔は変わっていないし、兄妹でもなかったはずだ。
「でも、よく似てないねって言われるから、驚くのも無理ないかも。あっ、そうだ。私、貴方の名前を訊いてなかった。教えて!」
「命の恩人なのに」と陽菜はぶらりと下がっていた俺の手を取るとギュッと握られ、目線が合えば満面の笑を見せくる。
これはアイドルの握手会かなと夢を見そうになるが、陽菜の背後にいるボディーガードの二人に凄まれ、厳しく冷たい現実に引き戻された。
……早く、名前を言って帰ろう。前世と名前が全く違うし。
「高校二年の赤橋 新(あかはし あらた)っていいます」
「一学年上なんだね。じゃあ、赤橋君って呼ぶね。私はヒナっちとか、なんでも良いから気軽に呼んでね」
よろしくと、忙しない彼女は繋いだ手を縦に振り回すのだった。
「自己紹介も終わったし、そろそろ行こうぜ。集合時間に間に合わなくなる」
「そうだ! 忘れてた。ごめんだけど、赤井君もう行くね」
雪久の友人に急かされて、やっと俺の元を離れていく三人。
「またね」と陽菜は手を振る。『いや、もう会いたくない』という言葉は飲み込み、小さく手を振り返した。
三人の背中が小さくなったところで、緊張という肩の荷が一気に降りる。
気を使いすぎて疲れた。椿だとバレていないのが幸いか。
「ねぇ、あの三人見たぁ。美男美女」「なんだろう。もしかしてモデルとか」
周りにいた生徒達の話題は、あの三人で持ちきり。話しかければ良かった、なんて声が聞こるほど。
類は友を呼ぶというのか、彼奴の周りは美男美女が多かった。しかも、性格も捻くれた者もおらず、前向きな人達ばかり。
それが余計な自身の醜さが誇張され、自身の劣等感を積み上げていくという悪循環。
こうやって再び会ってみると、彼奴のいる場所は自分には合っていなかった。
魚がどう頑張っても陸で足が生えない様に、俺も頑張ってもあの仲には入れない。
分かっていたのに、理解させれれると虚しくなるな。自分は自分の場所に帰るかと、三人とはまた別の方向に向かう。
*
自宅に帰ってきて早速、部屋で貰った箱の中身を確認する。
やっぱりどう見ても俺というか、男子高校生に渡す様な物じゃないんだよな。
玩具の柄の包み紙に巻かれ、凹んだ円柱の箱。中心の飾りは、紙で出来た赤い花に大きなリボン、そして小さなクマのぬいぐるみ。
箱の中身はハートの形をした焼き菓子ときた。
その人が可愛いものが好きと知っているなら分かるけど、ほぼ初対面の男子高校生にこんな可愛い物を渡すはずがない。
やはり、お前の正体を知っているぞと暗に伝えているのか。
ーーーそれはないな。俺が椿だと知ったら、雪久もそうだが雪久の友人である、海北(うみきた)があんな大人しく黙っていない。
なぜなら、前世の一件で物凄く嫌われていると知っているから。俺が椿と知った日には必ず一発殴ってくると思う。
となると、陽菜の趣味のように見えてくるが、あの反応は自分で選んでないって感じだったし……、丁度箱に付いていた小さな熊のぬいぐるみが目に入り、おもむろに手に取る。
まっ、誰が選ぼうとこの熊とか可愛いから、不満はないけど。
小さな手足に、小さな体、色んなポーズを取らせて遊ぶ。なんか、この熊、刺繡の目が半円になっているせいで、顔つきが厳しく不機嫌そうに見える。
「……旦那様みたい」
あの人は常にクールで、いつだって悩ましいお顔。怒っているのか、笑っているのか、今ひとつ分かんなくて、それでもその顔を追いかけるほど好きで……そこまで考えて机に自身の頭をぶつける。
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