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猫好きなたかしくん
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公園に1匹の猫がいました。
名前は特に決まってません。
みんな好きな名前を付けては勝手に呼んでいます。
「ブチ」と呼ぶ人もいれば、またある人は「トム」と呼びます。
でもみんなその猫が好きです。
たかしくんもその猫が好きになりました。
「なでてみたいなぁ。さわってみたいなぁ。」
そう思って手を伸ばした時です。
シャッーー!!!
猫に爪で引っ掻かれてしまいました。たかしくんは強い男の子でしたので泣きませんでした。
でもキズからバイ菌が入ってしまいました。
ママが言います。
「野良猫は汚いからバイ菌が入ったのよ。病院に行って、しっかり治してもらいましょうね。」
キズが治った頃、たかしくんはまた公園に来ました。
するとどうでしょう。あの猫を一人のおじさんがなでているじゃありませんか。
たかしくんが近づくと、猫はサッと逃げてしまいました。
たかしくんはおじさんに聞きます。
「なんでおじさんはあの猫にさわれるの?」
おじさんは答えます。
「猫…、ロンの事かい?ロンは気まぐれ者さ。ロンだけじゃない。他の猫もみ~んな気まぐれ者。そこが猫の良いところなんだけどな。」
「僕もロンにさわりたい。」
「ぼうずにはムリだなぁ。ぼうずが近づいたらロンは逃げただろ?嫌われちまったんだなぁ。でも気にする事はねぇよ。ぼうずにはぼうずの相性の良い猫がいるはずだから探してみな。」
たかしくんはロンをあきらめ、他の猫を探します。
そして1匹の、なでさせてくれる猫を見つけました。
「お前!お前なでさせてくれるのか!他の猫には逃げられたりしたけど、やっぱり相性ってあるんだなぁ。可愛いなぁ、可愛いなぁ。」
その猫をなでなでしながら、たかしくんは言いました。
「お前じゃかわいそうだな。よし、名前を付けよう。今からピロだ。」
ピロと名付けられた猫はたかしくんに甘えます。
たかしくんは嬉しくなって
「そうか!ピロ!ピロも嬉しいか!?」
となでました。
それから、たかしくんは毎日ピロに会いに行きます。猫用のエサを買ってはピロにあげ、なでなでします。
「可愛いなぁ、可愛いなぁ。」
とうとうたかしくんはピロと離れたくなくなってしまいます。
「ママ、猫を飼っても良い?」
いきなりそう言われてママもビックリします。
「毎日毎日楽しそうにしてるから何かと思えば、猫?この間引っ掻かれたばかりでしょ?」
「ピロは引っ掻いたりしないよ。」
「名前まで付けちゃって、もう。野良猫じゃないの?」
「うん…。」
「ペット屋さんのじゃダメなの?」
「やだ!ピロが良い!」
ママも仕方なくピロを飼う事をオッケーしました。
こうして、ピロはたかしくんの家にやって来ました。
「ピロ~!」
学校から帰るとすぐにピロをなでなでします。
やがてたかしくんはピロの変化に気づきます。なでなでしようとすると、プイッと横を向いて離れていきます。
ママがたかしくんに言いました。
「ピロも一人でいたい時があるのよ。」
「そっか。猫も気まぐれ者だったっけ。」
そしてたかしくんも一人でいる時間が増えていきます。
ピロと遊んで、一人になり
また遊んで、一人になり、
ピロも気まぐれ
たかしくんも気まぐれ。
たかしくんはだんだん大きくなり、ピロのおしっことうんちの世話をするようになりました。
ピロのおしっこもうんちも汚いけれど、たかしくんは我慢します。
「ピロも生きてるんだもんな。おしっこもうんちもするよな。」
それでもたかしくんはピロが大好きでした。
そして、たかしくんは更に大きくなります。
ピロはだんだん元気がなくなっていきました。
「ピロ…。」
たかしくんがなでても、抱っこしても、ピロはうんともすんとも言いません。
たかしくんはつぶやきます。
「ピロもそろそろ寿命だな…。」
ピロは穏やかに死んでいきました。
たかしくんは悲しくて泣きましたが、同時にピロと過ごした日々を思い出していきます。
思い出すと、じんわり暖かいものが込み上げてきます。
泣きながらたかしくんは、そっと手を合わせます。
「ピロ…、今までありがとう。あの世で幸せにな…。」
~完~
名前は特に決まってません。
みんな好きな名前を付けては勝手に呼んでいます。
「ブチ」と呼ぶ人もいれば、またある人は「トム」と呼びます。
でもみんなその猫が好きです。
たかしくんもその猫が好きになりました。
「なでてみたいなぁ。さわってみたいなぁ。」
そう思って手を伸ばした時です。
シャッーー!!!
猫に爪で引っ掻かれてしまいました。たかしくんは強い男の子でしたので泣きませんでした。
でもキズからバイ菌が入ってしまいました。
ママが言います。
「野良猫は汚いからバイ菌が入ったのよ。病院に行って、しっかり治してもらいましょうね。」
キズが治った頃、たかしくんはまた公園に来ました。
するとどうでしょう。あの猫を一人のおじさんがなでているじゃありませんか。
たかしくんが近づくと、猫はサッと逃げてしまいました。
たかしくんはおじさんに聞きます。
「なんでおじさんはあの猫にさわれるの?」
おじさんは答えます。
「猫…、ロンの事かい?ロンは気まぐれ者さ。ロンだけじゃない。他の猫もみ~んな気まぐれ者。そこが猫の良いところなんだけどな。」
「僕もロンにさわりたい。」
「ぼうずにはムリだなぁ。ぼうずが近づいたらロンは逃げただろ?嫌われちまったんだなぁ。でも気にする事はねぇよ。ぼうずにはぼうずの相性の良い猫がいるはずだから探してみな。」
たかしくんはロンをあきらめ、他の猫を探します。
そして1匹の、なでさせてくれる猫を見つけました。
「お前!お前なでさせてくれるのか!他の猫には逃げられたりしたけど、やっぱり相性ってあるんだなぁ。可愛いなぁ、可愛いなぁ。」
その猫をなでなでしながら、たかしくんは言いました。
「お前じゃかわいそうだな。よし、名前を付けよう。今からピロだ。」
ピロと名付けられた猫はたかしくんに甘えます。
たかしくんは嬉しくなって
「そうか!ピロ!ピロも嬉しいか!?」
となでました。
それから、たかしくんは毎日ピロに会いに行きます。猫用のエサを買ってはピロにあげ、なでなでします。
「可愛いなぁ、可愛いなぁ。」
とうとうたかしくんはピロと離れたくなくなってしまいます。
「ママ、猫を飼っても良い?」
いきなりそう言われてママもビックリします。
「毎日毎日楽しそうにしてるから何かと思えば、猫?この間引っ掻かれたばかりでしょ?」
「ピロは引っ掻いたりしないよ。」
「名前まで付けちゃって、もう。野良猫じゃないの?」
「うん…。」
「ペット屋さんのじゃダメなの?」
「やだ!ピロが良い!」
ママも仕方なくピロを飼う事をオッケーしました。
こうして、ピロはたかしくんの家にやって来ました。
「ピロ~!」
学校から帰るとすぐにピロをなでなでします。
やがてたかしくんはピロの変化に気づきます。なでなでしようとすると、プイッと横を向いて離れていきます。
ママがたかしくんに言いました。
「ピロも一人でいたい時があるのよ。」
「そっか。猫も気まぐれ者だったっけ。」
そしてたかしくんも一人でいる時間が増えていきます。
ピロと遊んで、一人になり
また遊んで、一人になり、
ピロも気まぐれ
たかしくんも気まぐれ。
たかしくんはだんだん大きくなり、ピロのおしっことうんちの世話をするようになりました。
ピロのおしっこもうんちも汚いけれど、たかしくんは我慢します。
「ピロも生きてるんだもんな。おしっこもうんちもするよな。」
それでもたかしくんはピロが大好きでした。
そして、たかしくんは更に大きくなります。
ピロはだんだん元気がなくなっていきました。
「ピロ…。」
たかしくんがなでても、抱っこしても、ピロはうんともすんとも言いません。
たかしくんはつぶやきます。
「ピロもそろそろ寿命だな…。」
ピロは穏やかに死んでいきました。
たかしくんは悲しくて泣きましたが、同時にピロと過ごした日々を思い出していきます。
思い出すと、じんわり暖かいものが込み上げてきます。
泣きながらたかしくんは、そっと手を合わせます。
「ピロ…、今までありがとう。あの世で幸せにな…。」
~完~
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