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とある死神さまのお話
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この世の中には神さまがたくさんいます。
日本の中の、とある死神さまはヒマを持て余していました。
「今日もこの地域は平和だねぇ。こう平和すぎると退屈で仕方ないな。」
と独り言をこぼしました。
死神さまは思い切って決めました。
「よし、ここは一つ人間みたいに海外旅行してみよう。」
死神さまは空を飛んでいきました。
とある国に着き、何だかヘンテコな神さまに出会いました。
死神さまは声をかけました。
「あの、何をしているのですか?」
ヘンテコな神さまは答えます。
「オレかい?見ての通り、おまじないの真似事さ。」
「真似事…ですか?」
「オレは呪術の神なんでね。それにしたってこの国の人間は、どうしてこうも呪いやらおまじないが好きなんだか。
やれやれ…。その度に動いてやるこっちの身にもなれってんだ。めんどくさいから真似事で終わらせてるんだよ。」
ヘンテコな神さまはそれでも大忙し。
「あぁ、もう良いだろ?オレは忙しいんだ。どっかよそへ行ってくれよ。」
死神さまは別の国へと飛んでいきました。
とある国で、死神さまは恋の女神さまに会いました。
「あの、この国の様子はどうですか?」
恋の女神さまは答えます。
「どうもこうもないわ。大忙しよ。ある人が、この人が恋しいからどうか女神さま、この恋を叶えてください、と願うと、別の人も同じ願いをするの。
あっちで恋を叶えたり、こっちで恋を叶えたり、それはもう大変。
そうかと思えば些細な事でケンカして別れて、もう嫌になっちゃう。
あなた、日本の死神?ヒマそうで良いわね。」
恋の女神さまはプイッと横を向いて、飛んでいってしまいました。
死神さまは思いました。
「日本の神さま達も大変そうにしているが、どこも同じようなものか…。人間なんてのはずいぶんと自分勝手なんだな。
まぁいいや。最後に他の国の死神に会ってみよう。」
そして日本の死神さまは別の国の死神さまに会いました。
「あの、景気はどうですか?」
日本の死神さまがそう聞くと、別の国の死神さまにギロリと睨まれてしまいます。
「景気?見てわからねぇのか。人間達が戦争を始めるから、こっちは大忙しだ。めんどくさいからコイツら全員、地獄行きにしてやるのさ。
忙しいからもう行くぜ。」
地上を見ると人間達がドンパチやってます。
日本の死神さまは納得しました。
「お国の為だとか名誉の為だとか言っても、しょせん殺しは殺し。そりゃ地獄行きだな。」
そう独り言をボヤいて、日本に戻る事にしました。
日本に戻った死神さまはまた独り言を言います。
「結局、どこの国も同じようなものだったな。おまじないをかけるのも、恋を叶えるのも、全部神さま任せ。少しは自分で努力すりゃ良いのに。
そういえば、どこかの合格祈願の神さまも、似たような事言ってたっけ。まぁオレはオレの仕事をするだけだけどな。」
ある日、日本の死神さまの担当地域の人間が、一人死にました。
その人に向かって死神さまは言います。
「あんた、良い事をいっぱいしたねぇ。なんだ、悪い事もいっぱいじゃないか。可もなく不可もなく…。まぁ天国行きかな。」
そして一枚の紙にポンと判子を押します。
「この紙を三途の川の舟渡に渡すと良いよ。後は勝手に天国に連れていってくれるから。」
死神さまはヒマを持て余します。
「オレ達の仕事は警察と一緒だなぁ。仕事が忙しくないにこした事はないってね。
結局、平和が一番だねぇ…。」
~完~
日本の中の、とある死神さまはヒマを持て余していました。
「今日もこの地域は平和だねぇ。こう平和すぎると退屈で仕方ないな。」
と独り言をこぼしました。
死神さまは思い切って決めました。
「よし、ここは一つ人間みたいに海外旅行してみよう。」
死神さまは空を飛んでいきました。
とある国に着き、何だかヘンテコな神さまに出会いました。
死神さまは声をかけました。
「あの、何をしているのですか?」
ヘンテコな神さまは答えます。
「オレかい?見ての通り、おまじないの真似事さ。」
「真似事…ですか?」
「オレは呪術の神なんでね。それにしたってこの国の人間は、どうしてこうも呪いやらおまじないが好きなんだか。
やれやれ…。その度に動いてやるこっちの身にもなれってんだ。めんどくさいから真似事で終わらせてるんだよ。」
ヘンテコな神さまはそれでも大忙し。
「あぁ、もう良いだろ?オレは忙しいんだ。どっかよそへ行ってくれよ。」
死神さまは別の国へと飛んでいきました。
とある国で、死神さまは恋の女神さまに会いました。
「あの、この国の様子はどうですか?」
恋の女神さまは答えます。
「どうもこうもないわ。大忙しよ。ある人が、この人が恋しいからどうか女神さま、この恋を叶えてください、と願うと、別の人も同じ願いをするの。
あっちで恋を叶えたり、こっちで恋を叶えたり、それはもう大変。
そうかと思えば些細な事でケンカして別れて、もう嫌になっちゃう。
あなた、日本の死神?ヒマそうで良いわね。」
恋の女神さまはプイッと横を向いて、飛んでいってしまいました。
死神さまは思いました。
「日本の神さま達も大変そうにしているが、どこも同じようなものか…。人間なんてのはずいぶんと自分勝手なんだな。
まぁいいや。最後に他の国の死神に会ってみよう。」
そして日本の死神さまは別の国の死神さまに会いました。
「あの、景気はどうですか?」
日本の死神さまがそう聞くと、別の国の死神さまにギロリと睨まれてしまいます。
「景気?見てわからねぇのか。人間達が戦争を始めるから、こっちは大忙しだ。めんどくさいからコイツら全員、地獄行きにしてやるのさ。
忙しいからもう行くぜ。」
地上を見ると人間達がドンパチやってます。
日本の死神さまは納得しました。
「お国の為だとか名誉の為だとか言っても、しょせん殺しは殺し。そりゃ地獄行きだな。」
そう独り言をボヤいて、日本に戻る事にしました。
日本に戻った死神さまはまた独り言を言います。
「結局、どこの国も同じようなものだったな。おまじないをかけるのも、恋を叶えるのも、全部神さま任せ。少しは自分で努力すりゃ良いのに。
そういえば、どこかの合格祈願の神さまも、似たような事言ってたっけ。まぁオレはオレの仕事をするだけだけどな。」
ある日、日本の死神さまの担当地域の人間が、一人死にました。
その人に向かって死神さまは言います。
「あんた、良い事をいっぱいしたねぇ。なんだ、悪い事もいっぱいじゃないか。可もなく不可もなく…。まぁ天国行きかな。」
そして一枚の紙にポンと判子を押します。
「この紙を三途の川の舟渡に渡すと良いよ。後は勝手に天国に連れていってくれるから。」
死神さまはヒマを持て余します。
「オレ達の仕事は警察と一緒だなぁ。仕事が忙しくないにこした事はないってね。
結局、平和が一番だねぇ…。」
~完~
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