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番外編
2人で歩む軌跡※
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数日続いた激務を終えて帰宅し、ウトウトしながらもご飯やお風呂を済ませて寝室に行こうとしたら、ふとカレンダーが入ってきて僕はある事に気付いた。
明日の日付がハートで囲われてて、〝祝10周年〟と書いてある。
そう、明日⋯というか30分後には、僕と斗希くんが付き合って10年目を迎えるのだ。
これは大変だと寝室に向かった僕は、ベッドに寝転んでスマホを弄ってる斗希くんに乗り上げ僕のスマホのスケジュールを見せる。
「斗希くん、あと30分で記念日だよ」
「だな。っつっても、明日は晩メシ食いに行くくらいしか出来ねぇな」
あ、斗希くんもちゃんと見ててくれたんだ。
スマホを枕元に置き、少し体勢を変えた斗希くんが僕の頬に触れたあと軽く摘んで感触を確かめるようにムニムニする。
「斗希くんは、明日何時くらいに終わりそう?」
「19時くらいじゃね?」
「僕は20時なんだけど、それでもいい?」
「ん。何食いてぇ?」
「和食!」
最近ちゃんとご飯も食べられていないし、お出汁の効いたご飯が恋しくなってたからそう言えば、斗希くんはふっと笑って頷いてくれる。
それから上に向けた人差し指でちょいちょいと招かれ、斗希くんの顔の方に近付いたら親指で唇がなぞられた。その意図を察し、僕から口付けると褒めるみたいに頭を撫でられ胸がキュンとする。
こうやって斗希くんの大きな手に色んなところを触れられると嬉しくて、特に梳くように髪を撫でられるのが好き。
薄い唇を食むように何度も角度を変えてキスしてたら、斗希くんの手が下着の中に入ってきてお尻を揉まれた。
「ん⋯」
「後ろ準備してんの?」
「す、すると思ってなかったから⋯してない⋯」
「何でしねぇと思った?」
「疲れてるかなって⋯」
2人とも帰宅が午前様だったり、帰ったらどっちかはもう寝てたりしてたから、さすがに今日はないだろうなって思ってた。眠気もきてたし。
でも斗希くんは腕を伸ばしてベッド横にある棚の一番上を開けると、ローションを出して手の平へと纏わせた。
「疲れてても、お前がノってくれんならヤる以外の選択肢はねぇ」
「そ、そうなんだ⋯」
「そう。ほら、もうちょい上来て、服捲れ」
「う、うん⋯」
言われた通り身体を上にずらし、服を首元まで上げ胸元を晒すと、斗希くんが尖りに舌を這わせ吸い付いてきた。それとほぼ同時にローションまみれの指を窄まりと滑らせ、まだ閉じてる場所へと塗り付け指先を押し込める。
長い指がゆっくりと奥まで入ってきて、具合を確かめるように腸壁を擦り始めた。
「痛くねぇ?」
「ん⋯⋯だいじょ、ぶ⋯」
「2本目入れるな」
刺激されて敏感になってるところで喋らないで欲しい。
1度指が抜かれ2本揃って再び入ってきたけど、痛いとか苦しいとかよりもゾクゾクさが勝って身体が震える。おまけに胸の突起を舌先で上下に弾かれると堪らなくて、僕は斗希くんの頭を抱き込んだ。
「や⋯っ⋯それだめ⋯」
「⋯⋯」
「ひぁ⋯っ」
指の動きは緩慢なのに舌遣いは荒くて、無意識に腰を引こうとしたら軽くだけど歯が立てられる。そんな僅かな痛みさえ気持ちよくて、前立腺を触られてる訳でもないのにお腹の下に熱が集まり始めた。
「⋯っ、と、きく⋯⋯ぁ、ん⋯」
「イきてぇなら我慢すんな」
「ゃ⋯あ、噛んじゃや⋯⋯っ、んん⋯ッ」
舐められて、吸われて、最後にさっきよりも少しだけ強めに噛まれ僕は下着の中であっさりと果てた。
斗希くんにいじられてた方がじんじんしてて、イったばかりだからより過敏になってるのにまた吸われて僕は今度こそ身体を引く。
気を抜けば力が抜けそうで支えにしてる腕が震えてるけど、涙目で斗希くんを見ればふっと笑って上体を起こした。そのまま反転させられ、少し見下ろされたあと鼻先が擦り合わされる。
「⋯⋯なぁ⋯もう挿れていいか?」
「ん⋯いいよ⋯」
間近でかかる斗希くんの息が熱くて、掠れた声にそうねだられると嬉しくなる。
僕の首元で纏まってた服と下着を脱がせた斗希くんは、自分も裸になると反り立ってるものへゴムをつけローションを垂らして塗りたくった。
こうして直に見てて思うけど、あのゴムって絶対必要なのかな。
「どうした?」
じっと見てたら斗希くんが気付いて、僕の足を広げながら首を傾げる。
「あ⋯えっと⋯⋯その、ゴムって⋯しなきゃダメなの⋯?」
「そりゃ、場所が場所だしした方がいいだろうな」
「⋯⋯ないと出来ない?」
「出来ねぇ事はねぇけど⋯出したあとちゃんと掻き出さねぇと腹壊すらしいぞ」
「そうなんだ⋯」
お腹壊すのはちょっと嫌かも。
でも、せっかく斗希くんと繋がれるのにゴム1枚隔ててるのって⋯何かもったいない気がする。僕は溶け合って1つになりたいくらいなのに。
先端が後ろに当てられるのを感じ、僕は斗希くんを見上げて手を伸ばした。
「ねぇ、斗希くん」
「ん?」
「今度、1回でいいから着けないでしたい」
「⋯⋯⋯」
「ダメ、かな⋯」
斗希くんは欲望に忠実だけど僕よりも僕の体調を気にするから、お腹を壊すって分かってて頷いてはくれないかもしれない。
却下されるだろうなって思いつつ目を見て聞けば、斗希くんは長く息を吐いたあとぐっと中へと押し込んできた。
「ん⋯ッ」
「お前はホント⋯煽ってくれるよな」
「あ、おってな⋯っ⋯ただの、お願い⋯っ」
「今から挿れるっつータイミングで言うのは、煽ってるっつーんだよ」
「あ、あ⋯っ、だ、め、待って⋯」
狭い場所を拡げるようにどんどん硬くて太いものが奥へと入ってきて、苦しさから眉根を寄せたら僕の中心が握られ扱かれ始めた。
それをされると僕は頭が真っ白になって、気持ちいい事しか分からなくなくなる。
その間に斗希くんが腰を進め、少しして動きを止めた。
「は⋯⋯やっぱちゃんと時間かけねぇとキツいな⋯」
「ん⋯ぅ⋯」
「陽依、こっち向け」
「⋯斗希、くん⋯」
お腹が斗希くんでいっぱいになってる。
頬が撫でられぼやけてた焦点を斗希くんに合わせたら、唇が塞がれて舌が入ってきた。上顎を尖らせた舌先でなぞられるとゾクッとして、思わず締め付けたら斗希くんが小さく唸り仕返しにかぐっと奥が突かれる。
「んん⋯っ」
声を上げる僕に唇を離した斗希くんが意地悪く笑い、首筋や鎖骨に滑らせながら痕を残していく。転々と走る微かな痛みに吐息を漏らし、斗希くんの動きに合わせて肌をくすぐる髪を撫でたら手をついて僕を見下ろしてきた。
額に浮いた汗がポタリと僕の頬へ落ちる。
「⋯⋯あ」
「⋯?」
不意に何かを見た斗希くんが声を上げ、枕元のスマホを取ると首を傾げる僕に画面を見せてきた。
ロック画面、僕と同じで2人で撮った結婚式の写真になってる。
これを見せたかったのかなって思ったけど、斗希くんの事だからそんなはずないなって視線をズラしたら日付と時計が目に入り僕はハッとした。時間は0時を過ぎていて、日付は付き合った日に変わってる。
「⋯10年目だ⋯」
「経ったな。考えてみたらなげぇなー」
「そんなに一緒にいるんだね⋯」
たった数桁の数字がこんなに大切になるなんて思わなかった。誕生日とは違う、斗希くんと僕だけの特別な日。
結婚式を挙げた記念日もあるけど、それはまた別の特別だし。
スマホをサイドの棚上に置き、身体を起こそうとする斗希くんの頬に両手で触れ僕はにこっと笑う。
「斗希くん」
「ん?」
「愛してるよ」
めったに言えないけど、今日だけでも伝えたくて口にすれば、斗希くんは僅かに目を見開いたあと柔らかく微笑んで額を合わせてきた。
長い時間一緒にいるけど、こんなにも優しい顔して笑った姿は初めて見るかも。
「俺も、一生お前だけを愛してる」
見惚れてぼーっとする僕にそう返し、斗希くんはまた唇重ねてきた。
斗希くんの言葉もあってまるで誓いの口付けのようで、じんわりと涙の滲んだ目を閉じた僕は頬に添えてた手を首へと回す。
僕だってこの先一生、斗希くんだけを想うよ。
「⋯斗希くん⋯も、中⋯もどかしい⋯」
「分かってる。俺も結構やべぇから⋯動くな」
「ん⋯」
ずっと繋がったままだから、斗希くんの熱が中でピクピク動いてもう限界だった。
足が抱えられ、様子を伺いながらもだんだんと激しくなる抽挿に後半はただ喘ぐしか出来なくてひたすら斗希くんにしがみついてた気がする。
次の日も仕事なのに、自分からもっとってねだってた。
おかげで翌朝は腰が大変だったけど、気持ち的には満足してるから後悔はしてない。
斗希くんは眠そうに欠伸を零してたけどね。
11年目はどんな風にお祝いしようかな。
少し遠くの温泉地にある旅館を予約して行くのもいいかもしれない。もしくはちょっと奮発して海外もありかな。
でも、結局は2人で過ごせるならどこだっていいって言って、また家で過ごすかもしれない。斗希くん、何だかんだで家が好きだから。
まぁとりあえずは、週末をどうするか考えよう。
10年という節目をお祝いする為のデートプラン、どんなのにしようかな。
FIN.
⟡.· ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡.·
番外編はこのお話で終了となります!
終わって思ったのですが、斗希が思った以上に動かしにくかったです💦
言葉より態度な男なので陽依視点ではなかなか表現が難しく⋯それでもちゃんと陽依を好きだと思って貰えるよう、陽依に汲み取って貰いました😊
おかげで陽依も積極的になれましたね✨
明日からは、【身代わりの伯爵令息は冷徹公爵の寵愛を得る】を公開します!
こちらはファンタジーで、長編となります。
よければお読み頂けると嬉しいです😊
お気に入り登録、いいね、エール、感想、たくさんありがとうございます!
大変励みになっております🌟
これからも日々精進し、頑張っていきたいと思います💪
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました!
次回作もよろしくお願い致します🙇♀️
明日の日付がハートで囲われてて、〝祝10周年〟と書いてある。
そう、明日⋯というか30分後には、僕と斗希くんが付き合って10年目を迎えるのだ。
これは大変だと寝室に向かった僕は、ベッドに寝転んでスマホを弄ってる斗希くんに乗り上げ僕のスマホのスケジュールを見せる。
「斗希くん、あと30分で記念日だよ」
「だな。っつっても、明日は晩メシ食いに行くくらいしか出来ねぇな」
あ、斗希くんもちゃんと見ててくれたんだ。
スマホを枕元に置き、少し体勢を変えた斗希くんが僕の頬に触れたあと軽く摘んで感触を確かめるようにムニムニする。
「斗希くんは、明日何時くらいに終わりそう?」
「19時くらいじゃね?」
「僕は20時なんだけど、それでもいい?」
「ん。何食いてぇ?」
「和食!」
最近ちゃんとご飯も食べられていないし、お出汁の効いたご飯が恋しくなってたからそう言えば、斗希くんはふっと笑って頷いてくれる。
それから上に向けた人差し指でちょいちょいと招かれ、斗希くんの顔の方に近付いたら親指で唇がなぞられた。その意図を察し、僕から口付けると褒めるみたいに頭を撫でられ胸がキュンとする。
こうやって斗希くんの大きな手に色んなところを触れられると嬉しくて、特に梳くように髪を撫でられるのが好き。
薄い唇を食むように何度も角度を変えてキスしてたら、斗希くんの手が下着の中に入ってきてお尻を揉まれた。
「ん⋯」
「後ろ準備してんの?」
「す、すると思ってなかったから⋯してない⋯」
「何でしねぇと思った?」
「疲れてるかなって⋯」
2人とも帰宅が午前様だったり、帰ったらどっちかはもう寝てたりしてたから、さすがに今日はないだろうなって思ってた。眠気もきてたし。
でも斗希くんは腕を伸ばしてベッド横にある棚の一番上を開けると、ローションを出して手の平へと纏わせた。
「疲れてても、お前がノってくれんならヤる以外の選択肢はねぇ」
「そ、そうなんだ⋯」
「そう。ほら、もうちょい上来て、服捲れ」
「う、うん⋯」
言われた通り身体を上にずらし、服を首元まで上げ胸元を晒すと、斗希くんが尖りに舌を這わせ吸い付いてきた。それとほぼ同時にローションまみれの指を窄まりと滑らせ、まだ閉じてる場所へと塗り付け指先を押し込める。
長い指がゆっくりと奥まで入ってきて、具合を確かめるように腸壁を擦り始めた。
「痛くねぇ?」
「ん⋯⋯だいじょ、ぶ⋯」
「2本目入れるな」
刺激されて敏感になってるところで喋らないで欲しい。
1度指が抜かれ2本揃って再び入ってきたけど、痛いとか苦しいとかよりもゾクゾクさが勝って身体が震える。おまけに胸の突起を舌先で上下に弾かれると堪らなくて、僕は斗希くんの頭を抱き込んだ。
「や⋯っ⋯それだめ⋯」
「⋯⋯」
「ひぁ⋯っ」
指の動きは緩慢なのに舌遣いは荒くて、無意識に腰を引こうとしたら軽くだけど歯が立てられる。そんな僅かな痛みさえ気持ちよくて、前立腺を触られてる訳でもないのにお腹の下に熱が集まり始めた。
「⋯っ、と、きく⋯⋯ぁ、ん⋯」
「イきてぇなら我慢すんな」
「ゃ⋯あ、噛んじゃや⋯⋯っ、んん⋯ッ」
舐められて、吸われて、最後にさっきよりも少しだけ強めに噛まれ僕は下着の中であっさりと果てた。
斗希くんにいじられてた方がじんじんしてて、イったばかりだからより過敏になってるのにまた吸われて僕は今度こそ身体を引く。
気を抜けば力が抜けそうで支えにしてる腕が震えてるけど、涙目で斗希くんを見ればふっと笑って上体を起こした。そのまま反転させられ、少し見下ろされたあと鼻先が擦り合わされる。
「⋯⋯なぁ⋯もう挿れていいか?」
「ん⋯いいよ⋯」
間近でかかる斗希くんの息が熱くて、掠れた声にそうねだられると嬉しくなる。
僕の首元で纏まってた服と下着を脱がせた斗希くんは、自分も裸になると反り立ってるものへゴムをつけローションを垂らして塗りたくった。
こうして直に見てて思うけど、あのゴムって絶対必要なのかな。
「どうした?」
じっと見てたら斗希くんが気付いて、僕の足を広げながら首を傾げる。
「あ⋯えっと⋯⋯その、ゴムって⋯しなきゃダメなの⋯?」
「そりゃ、場所が場所だしした方がいいだろうな」
「⋯⋯ないと出来ない?」
「出来ねぇ事はねぇけど⋯出したあとちゃんと掻き出さねぇと腹壊すらしいぞ」
「そうなんだ⋯」
お腹壊すのはちょっと嫌かも。
でも、せっかく斗希くんと繋がれるのにゴム1枚隔ててるのって⋯何かもったいない気がする。僕は溶け合って1つになりたいくらいなのに。
先端が後ろに当てられるのを感じ、僕は斗希くんを見上げて手を伸ばした。
「ねぇ、斗希くん」
「ん?」
「今度、1回でいいから着けないでしたい」
「⋯⋯⋯」
「ダメ、かな⋯」
斗希くんは欲望に忠実だけど僕よりも僕の体調を気にするから、お腹を壊すって分かってて頷いてはくれないかもしれない。
却下されるだろうなって思いつつ目を見て聞けば、斗希くんは長く息を吐いたあとぐっと中へと押し込んできた。
「ん⋯ッ」
「お前はホント⋯煽ってくれるよな」
「あ、おってな⋯っ⋯ただの、お願い⋯っ」
「今から挿れるっつータイミングで言うのは、煽ってるっつーんだよ」
「あ、あ⋯っ、だ、め、待って⋯」
狭い場所を拡げるようにどんどん硬くて太いものが奥へと入ってきて、苦しさから眉根を寄せたら僕の中心が握られ扱かれ始めた。
それをされると僕は頭が真っ白になって、気持ちいい事しか分からなくなくなる。
その間に斗希くんが腰を進め、少しして動きを止めた。
「は⋯⋯やっぱちゃんと時間かけねぇとキツいな⋯」
「ん⋯ぅ⋯」
「陽依、こっち向け」
「⋯斗希、くん⋯」
お腹が斗希くんでいっぱいになってる。
頬が撫でられぼやけてた焦点を斗希くんに合わせたら、唇が塞がれて舌が入ってきた。上顎を尖らせた舌先でなぞられるとゾクッとして、思わず締め付けたら斗希くんが小さく唸り仕返しにかぐっと奥が突かれる。
「んん⋯っ」
声を上げる僕に唇を離した斗希くんが意地悪く笑い、首筋や鎖骨に滑らせながら痕を残していく。転々と走る微かな痛みに吐息を漏らし、斗希くんの動きに合わせて肌をくすぐる髪を撫でたら手をついて僕を見下ろしてきた。
額に浮いた汗がポタリと僕の頬へ落ちる。
「⋯⋯あ」
「⋯?」
不意に何かを見た斗希くんが声を上げ、枕元のスマホを取ると首を傾げる僕に画面を見せてきた。
ロック画面、僕と同じで2人で撮った結婚式の写真になってる。
これを見せたかったのかなって思ったけど、斗希くんの事だからそんなはずないなって視線をズラしたら日付と時計が目に入り僕はハッとした。時間は0時を過ぎていて、日付は付き合った日に変わってる。
「⋯10年目だ⋯」
「経ったな。考えてみたらなげぇなー」
「そんなに一緒にいるんだね⋯」
たった数桁の数字がこんなに大切になるなんて思わなかった。誕生日とは違う、斗希くんと僕だけの特別な日。
結婚式を挙げた記念日もあるけど、それはまた別の特別だし。
スマホをサイドの棚上に置き、身体を起こそうとする斗希くんの頬に両手で触れ僕はにこっと笑う。
「斗希くん」
「ん?」
「愛してるよ」
めったに言えないけど、今日だけでも伝えたくて口にすれば、斗希くんは僅かに目を見開いたあと柔らかく微笑んで額を合わせてきた。
長い時間一緒にいるけど、こんなにも優しい顔して笑った姿は初めて見るかも。
「俺も、一生お前だけを愛してる」
見惚れてぼーっとする僕にそう返し、斗希くんはまた唇重ねてきた。
斗希くんの言葉もあってまるで誓いの口付けのようで、じんわりと涙の滲んだ目を閉じた僕は頬に添えてた手を首へと回す。
僕だってこの先一生、斗希くんだけを想うよ。
「⋯斗希くん⋯も、中⋯もどかしい⋯」
「分かってる。俺も結構やべぇから⋯動くな」
「ん⋯」
ずっと繋がったままだから、斗希くんの熱が中でピクピク動いてもう限界だった。
足が抱えられ、様子を伺いながらもだんだんと激しくなる抽挿に後半はただ喘ぐしか出来なくてひたすら斗希くんにしがみついてた気がする。
次の日も仕事なのに、自分からもっとってねだってた。
おかげで翌朝は腰が大変だったけど、気持ち的には満足してるから後悔はしてない。
斗希くんは眠そうに欠伸を零してたけどね。
11年目はどんな風にお祝いしようかな。
少し遠くの温泉地にある旅館を予約して行くのもいいかもしれない。もしくはちょっと奮発して海外もありかな。
でも、結局は2人で過ごせるならどこだっていいって言って、また家で過ごすかもしれない。斗希くん、何だかんだで家が好きだから。
まぁとりあえずは、週末をどうするか考えよう。
10年という節目をお祝いする為のデートプラン、どんなのにしようかな。
FIN.
⟡.· ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡.·
番外編はこのお話で終了となります!
終わって思ったのですが、斗希が思った以上に動かしにくかったです💦
言葉より態度な男なので陽依視点ではなかなか表現が難しく⋯それでもちゃんと陽依を好きだと思って貰えるよう、陽依に汲み取って貰いました😊
おかげで陽依も積極的になれましたね✨
明日からは、【身代わりの伯爵令息は冷徹公爵の寵愛を得る】を公開します!
こちらはファンタジーで、長編となります。
よければお読み頂けると嬉しいです😊
お気に入り登録、いいね、エール、感想、たくさんありがとうございます!
大変励みになっております🌟
これからも日々精進し、頑張っていきたいと思います💪
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました!
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いつもコメントありがとうございます🙇♀️
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陽依もすっかり仲間入りしましたね☺️
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コメントありがとうございます🙇♀️
最終話をどう締め括るか悩んだ末に、簡潔ですが結婚式のシーンも入れました!
恐らく斗希は、陽依でなければ結婚したいとも式を挙げようとも思わなかったのではないでしょうか😊
ラブラブですね🥰
現在鋭意制作中ですので、しっかり甘さを感じて頂けるよう頑張ります☺️🌟