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触れたくなる理由(櫂視点)
自分の身に起きた事が理解出来なかった。
眼前には目を閉じて少しだけ顔を傾けた楪がいて、俺の頬には楪の手が、俺の唇には柔らかいものが触れてる。
思ってたより睫毛なげぇなとか、そういやこういう時に目を開けてた事ねぇなとか関係ない事を考えてたけど、ようやく事態が飲み込めた俺は目を見瞠って硬直した。
あの不慣れで恥ずかしがり屋な楪が、自分から俺にキスしてる。
(⋯え、これ夢? 楪からとか、そんな世界線あんの?)
今までだって付き合ってた彼女にキスされた事はあるけど、純真無垢を絵に書いたような楪だからこそ意外で、ひどく興奮する。
ただぎこちない上に触れ合わせてるだけだからもどかしくはあるけど。
耳まで真っ赤になった楪の唇が離れ、俺に見られてると気付いて慌てて下を向く姿に胸がキュンとなる。
もう一回してくんねぇかなと思ってたら、楪が肩へと寄りかかってきた。
「⋯天ヶ瀬くん⋯⋯大好き」
周りが静かじゃないと聞こえないくらい小さな声がそう言って俺の服をぎゅっと握る。
楪の行動に煽られまくっていた俺はそれを聞いた瞬間プツンと何かが切れて、細い顎を掴むと噛み付く勢いで口付けた。
「んっ⋯」
驚いて身体をビクつかせる楪を反対の手で抱き込み、角度を変えて何度も啄む。
息苦しくなったのか、大きく喘いだ楪が口を開けた隙に舌を差し込んで反射的に引っ込んだ舌を絡め取ると服を掴む手に更に力がこもった。甘えた声が漏れてきて俺の下肢に熱が集まり始める。
楪とキスをするようになってから二人だけの時は大抵してるけど、ぶっちゃけ自分がこんなにがっつくタイプだとは思ってもいなかった。
まるでキス魔みてぇだな。
「⋯っ、ふぁ⋯ん、んん⋯っ」
楪の全部を吸い尽くすように貪りながら服の裾から手を滑り込ませ、男にしては柔らかな肌を撫でれば身体を震わせて身を捩った。
唇を離すとお互いの唾液が糸を引くのが艶かしい。
「⋯ぁ⋯ま⋯がせ、く⋯⋯」
「⋯触られんの嫌?」
「や⋯じゃない、けど⋯⋯擽ったい⋯」
濡れた楪の唇を親指で拭い脇腹から背中を撫で上げつつ聞けば、キスで息の上がった楪が緩く首を振り途切れ途切れに答える。
擽ったいって事は結構敏感なタイプなんじゃ⋯。
前にも擽ったがってた首筋へと口付けたら、楪の手が軽く肩を押してきた。
「ぅ⋯⋯こ、これ⋯何⋯?」
「愛情表現?」
「お、男同士でも⋯こういう事、するの⋯?」
「好きな奴には触りたいって思わねぇ?」
「⋯⋯⋯思った」
何で過去形なのかは分かんねぇけど、ちゃんと思い当たったのか小さく頷いた楪がまた俺の頬へと触れてくる。
しばらくは抱き締めても、背中にさえ腕を回せなかったのにずいぶん慣れてくれたものだ。
「俺も⋯天ヶ瀬くんの事好きって思うと、こうして触りたくなる⋯」
「だろ? 俺も同じ。お前が好きだから触りたい」
「ん⋯」
そう言って掠めるように唇を触れ合わせると肩を押していた手から力が抜け、代わりに指先が俺の服を摘む。それが楪なりの〝いいよ〟みたいに感じて再び首筋に唇を沿わせたら、楪が遠慮がちに俺のこめかみに口付けてきた。
好きって言ったあとにこういう事してくるんだから、このまま襲われても文句言えなくね? ⋯⋯まぁしねぇけど。
痕が残らない程度に吸い付きながら背中を撫でていた手を前へと滑らせ、親指で胸の柔らかな部分に触れると楪が高い声を上げた。それから真っ赤になり慌てて両手で口を押さえるけど、その仕草は逆効果なんだよな。
目を細め、少し芯を持ち始めたからゆっくりと撫でれば焦ったように首を振る。
「や⋯⋯そこやだ⋯」
「何で?」
「へ、変な声⋯出るから⋯ンッ」
「変じゃねぇよ」
むしろ感じるんだって嬉しくなるし、下半身にクるくらいには可愛いと思う。っつーか、本当に触られんのは嫌じゃねぇんだな。
刺激されてぷくっと膨らんだ突起を優しめに摘むと肩を竦めた楪が泣きそうな顔になった。
「あ⋯天ヶ瀬く⋯」
「ん?」
「も⋯離して⋯」
弱々しくて震えた声にハッとし、慌てて手を引いて抱き締める。
嫌じゃないからって調子に乗り過ぎた。
「ごめん」
「あ⋯ち、違う⋯さっきも言ったけど、嫌なんじゃなくて⋯その⋯えっと⋯」
「?」
歯切れの悪さはいつも通りだけど、それでも普段は何が言いたいのか分かるのに今回は察せなくて首を傾げる。だけど楪が跨ってる足をもぞもぞさせてるのに気付いて視線を下げたら、「あ!」と声を上げて服の裾を引いたから理解してしまった。
なるほど、勃ってんのか。
「何で隠すんだよ」
「だ、だって⋯こんなの⋯⋯恥ずかしい⋯」
「そうなるように触ってたんだから、何も恥ずかしくねぇよ。それに⋯」
何をするにしても楪がその気になってくれりゃいいなって思ってるし、逆に反応しないならむしろ虚しいまである。
俺のする事でこんな風になってくれて嬉しいのに耳まで真っ赤にして首を振るから、俺は分かって貰う為にも楪の手を取り自分の中心へと触れさせた。
そこはズボン越しにも分かるくらい膨らんで熱を持ってる。
「⋯!」
「ほら、な? 俺も楪に触ってこんなんなってんだよ」
「⋯あ⋯」
「好きな奴には触れたくなるし、触れたらこうなんのは当たり前。俺は、楪とキスしてる時からこうなってっから」
「⋯⋯そ⋯そうなん、だ⋯」
たぶん、何もかもを知らない訳じゃないからこそ戸惑ってんだろう。こういうの、普通は男と女がするような事だからな。
俺だって男との経験はないし、楪は恋人さえいた事なかったって言ってたから男同士はより未知の世界だろう。でも好きなら性別は関係ないってのは知ったし、例え何年かかろうとも楪が受け入れてくれるならいつかはしたいと思ってた。
これ以上ないくらい赤く染まった楪の頬を指の背で撫で、裾を握る手をゆっくりと解いて握り込む。
「楪」
「⋯⋯何?」
「俺は、お前を抱きたいって思ってる」
好きだからこそ、楪の全部を手に入れたい。
そんな俺の独占欲なんて気付かない楪は、少しの間のあと意味を理解出来たのか湯気が出そうなほど赤くなり固まってしまった。
まぁ長期戦は覚悟してるし、気長にこの緊張を解してやればいい。
眼前には目を閉じて少しだけ顔を傾けた楪がいて、俺の頬には楪の手が、俺の唇には柔らかいものが触れてる。
思ってたより睫毛なげぇなとか、そういやこういう時に目を開けてた事ねぇなとか関係ない事を考えてたけど、ようやく事態が飲み込めた俺は目を見瞠って硬直した。
あの不慣れで恥ずかしがり屋な楪が、自分から俺にキスしてる。
(⋯え、これ夢? 楪からとか、そんな世界線あんの?)
今までだって付き合ってた彼女にキスされた事はあるけど、純真無垢を絵に書いたような楪だからこそ意外で、ひどく興奮する。
ただぎこちない上に触れ合わせてるだけだからもどかしくはあるけど。
耳まで真っ赤になった楪の唇が離れ、俺に見られてると気付いて慌てて下を向く姿に胸がキュンとなる。
もう一回してくんねぇかなと思ってたら、楪が肩へと寄りかかってきた。
「⋯天ヶ瀬くん⋯⋯大好き」
周りが静かじゃないと聞こえないくらい小さな声がそう言って俺の服をぎゅっと握る。
楪の行動に煽られまくっていた俺はそれを聞いた瞬間プツンと何かが切れて、細い顎を掴むと噛み付く勢いで口付けた。
「んっ⋯」
驚いて身体をビクつかせる楪を反対の手で抱き込み、角度を変えて何度も啄む。
息苦しくなったのか、大きく喘いだ楪が口を開けた隙に舌を差し込んで反射的に引っ込んだ舌を絡め取ると服を掴む手に更に力がこもった。甘えた声が漏れてきて俺の下肢に熱が集まり始める。
楪とキスをするようになってから二人だけの時は大抵してるけど、ぶっちゃけ自分がこんなにがっつくタイプだとは思ってもいなかった。
まるでキス魔みてぇだな。
「⋯っ、ふぁ⋯ん、んん⋯っ」
楪の全部を吸い尽くすように貪りながら服の裾から手を滑り込ませ、男にしては柔らかな肌を撫でれば身体を震わせて身を捩った。
唇を離すとお互いの唾液が糸を引くのが艶かしい。
「⋯ぁ⋯ま⋯がせ、く⋯⋯」
「⋯触られんの嫌?」
「や⋯じゃない、けど⋯⋯擽ったい⋯」
濡れた楪の唇を親指で拭い脇腹から背中を撫で上げつつ聞けば、キスで息の上がった楪が緩く首を振り途切れ途切れに答える。
擽ったいって事は結構敏感なタイプなんじゃ⋯。
前にも擽ったがってた首筋へと口付けたら、楪の手が軽く肩を押してきた。
「ぅ⋯⋯こ、これ⋯何⋯?」
「愛情表現?」
「お、男同士でも⋯こういう事、するの⋯?」
「好きな奴には触りたいって思わねぇ?」
「⋯⋯⋯思った」
何で過去形なのかは分かんねぇけど、ちゃんと思い当たったのか小さく頷いた楪がまた俺の頬へと触れてくる。
しばらくは抱き締めても、背中にさえ腕を回せなかったのにずいぶん慣れてくれたものだ。
「俺も⋯天ヶ瀬くんの事好きって思うと、こうして触りたくなる⋯」
「だろ? 俺も同じ。お前が好きだから触りたい」
「ん⋯」
そう言って掠めるように唇を触れ合わせると肩を押していた手から力が抜け、代わりに指先が俺の服を摘む。それが楪なりの〝いいよ〟みたいに感じて再び首筋に唇を沿わせたら、楪が遠慮がちに俺のこめかみに口付けてきた。
好きって言ったあとにこういう事してくるんだから、このまま襲われても文句言えなくね? ⋯⋯まぁしねぇけど。
痕が残らない程度に吸い付きながら背中を撫でていた手を前へと滑らせ、親指で胸の柔らかな部分に触れると楪が高い声を上げた。それから真っ赤になり慌てて両手で口を押さえるけど、その仕草は逆効果なんだよな。
目を細め、少し芯を持ち始めたからゆっくりと撫でれば焦ったように首を振る。
「や⋯⋯そこやだ⋯」
「何で?」
「へ、変な声⋯出るから⋯ンッ」
「変じゃねぇよ」
むしろ感じるんだって嬉しくなるし、下半身にクるくらいには可愛いと思う。っつーか、本当に触られんのは嫌じゃねぇんだな。
刺激されてぷくっと膨らんだ突起を優しめに摘むと肩を竦めた楪が泣きそうな顔になった。
「あ⋯天ヶ瀬く⋯」
「ん?」
「も⋯離して⋯」
弱々しくて震えた声にハッとし、慌てて手を引いて抱き締める。
嫌じゃないからって調子に乗り過ぎた。
「ごめん」
「あ⋯ち、違う⋯さっきも言ったけど、嫌なんじゃなくて⋯その⋯えっと⋯」
「?」
歯切れの悪さはいつも通りだけど、それでも普段は何が言いたいのか分かるのに今回は察せなくて首を傾げる。だけど楪が跨ってる足をもぞもぞさせてるのに気付いて視線を下げたら、「あ!」と声を上げて服の裾を引いたから理解してしまった。
なるほど、勃ってんのか。
「何で隠すんだよ」
「だ、だって⋯こんなの⋯⋯恥ずかしい⋯」
「そうなるように触ってたんだから、何も恥ずかしくねぇよ。それに⋯」
何をするにしても楪がその気になってくれりゃいいなって思ってるし、逆に反応しないならむしろ虚しいまである。
俺のする事でこんな風になってくれて嬉しいのに耳まで真っ赤にして首を振るから、俺は分かって貰う為にも楪の手を取り自分の中心へと触れさせた。
そこはズボン越しにも分かるくらい膨らんで熱を持ってる。
「⋯!」
「ほら、な? 俺も楪に触ってこんなんなってんだよ」
「⋯あ⋯」
「好きな奴には触れたくなるし、触れたらこうなんのは当たり前。俺は、楪とキスしてる時からこうなってっから」
「⋯⋯そ⋯そうなん、だ⋯」
たぶん、何もかもを知らない訳じゃないからこそ戸惑ってんだろう。こういうの、普通は男と女がするような事だからな。
俺だって男との経験はないし、楪は恋人さえいた事なかったって言ってたから男同士はより未知の世界だろう。でも好きなら性別は関係ないってのは知ったし、例え何年かかろうとも楪が受け入れてくれるならいつかはしたいと思ってた。
これ以上ないくらい赤く染まった楪の頬を指の背で撫で、裾を握る手をゆっくりと解いて握り込む。
「楪」
「⋯⋯何?」
「俺は、お前を抱きたいって思ってる」
好きだからこそ、楪の全部を手に入れたい。
そんな俺の独占欲なんて気付かない楪は、少しの間のあと意味を理解出来たのか湯気が出そうなほど赤くなり固まってしまった。
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