モテモテ王子の秘密をうっかり知ったら溺愛されるようになりました

ミヅハ

文字の大きさ
32 / 79

好きだからこそ※

 身体が熱くて、頭がぼんやりして何も考えられない。
 天ヶ瀬くんの手が動くたびに湿った音がして、それが自分から聞こえてるのが恥ずかしくて唇を噛んだらコツンと額が合わさった。

「噛むな」
「⋯ッ、ん⋯」

 どうしてこんな事になったんだっけ。
 確か、俺も天ヶ瀬くんも凄いところが反応してて、天ヶ瀬くんがどうする? って聞いてきて⋯ここまでになったの初めてだからどうしたらいいのか困惑してたら、「じゃあ出すか」って天ヶ瀬くんが俺のズボンを緩めて躊躇いもなく取り出したんだけど⋯これって普通なの?
 トイレの時はともかく、自分でもこんな風に触った事ないのに天ヶ瀬くんにされて勝手に身体が震える。

「⋯ふ⋯⋯ん、ん⋯」
「⋯⋯悪い、楪」
「え⋯あ⋯っ」

 何の悪いだろうと薄目を開けたら、天ヶ瀬くんが片手で器用に自分のベルトを外して前を寛げ、下着から反り立ったものを出してきた。
 その大きさに息を飲んでると、俺の中心から手を離した天ヶ瀬くんはあろう事か今度は一緒に握って動かし始める。
 大きな手にお互いの熱が擦り合わされ、さっきとは違う感覚が背中に走った。

「ゃ⋯ん、それ⋯」
「楪、こっち向け」
「あまがせく⋯っ⋯んん⋯」

 さっきよりも甘えた声になってるのが恥ずかしくて必死に押さえてたんだけど、呼ばれて顔を上げたら唇が塞がれた。すぐに舌が入ってきて、歯の裏とか上顎とかを舐められる。
 口の中と中心と、一緒に刺激されるとゾクゾクして熱が一気にお腹の下に集まった。

「ん、ゃ⋯ぅ⋯ん、ん⋯っ」
「⋯っ、は⋯やば⋯」
「や、ぁ⋯っ⋯も、しないで⋯⋯だめ⋯っ」
「楪⋯」
「なんか⋯ぁ、あ⋯っ⋯ゃ、ん、んん⋯っ!」
「⋯っ⋯」

 お腹の奥の方が重たくなって、何かがせり上ってくる感覚が不安で天ヶ瀬くんの手を押さえるけど力が入らないから何の意味もなくて、おまけに低めの声で名前を呼ばれ身体が強張ると同時に何かが弾けた。
 息を詰めて動きを止めた天ヶ瀬くんも身体を震わせてて、少しして落ち着いたのか長めの息を吐く。
 強張りが解け力の抜けた俺が寄りかかると額に口付けて髪を撫でてくれた。

「ティッシュ貰うな」
「ん⋯」

 体育で走った時よりも疲労感が強い。
 まだ耳奥で心臓がドクドク鳴ってるし、天ヶ瀬くんに触れられるとゾクッとするけど、こうしてくっついてると少しずつ安心感で満たされていく。
 それにしても、凄い経験をしてしまった。

「天ヶ瀬くん⋯」
「ん?」
「あの⋯ごめんね⋯? 俺の、触らせちゃって⋯」

 例え同性でも他人のなんて触りたくないだろうし、きっと俺が途方に暮れてたからやってくれたんだと思う。
 天ヶ瀬くんは本当に優しいから。
 でもそう言った俺に対して溜め息をついた天ヶ瀬くんが、いつもよりも強めに頬を抓ってきた。
 じ、地味に痛い。

「お前、俺の言った事何も覚えてねぇのか。好きだから触りたいっつったろ?」
「で、でも⋯ここはまた別っていうか⋯」
「同じだよ。俺は、楪の全部に触りてぇの。一部分だけ抜くな」
「汚いのに⋯」

 ここは排泄器官だから、俺はトイレの時とお風呂の時以外触った事がない。ましてやあんな感覚になる触り方も初めてで、そこから出たものにも戸惑ってる。
 俺は天ヶ瀬くんのを初めて見て自分と違うとしか思わなかったけど、普通は自分にも付いてるものなんて見るのも嫌じゃないのかな。
 しゅんと俯く俺のズボンを直してくれた天ヶ瀬くんが、今度は自分のズボンを整えながらふんっと鼻を鳴らした。

「汚くねぇよ。言っとくけど、お前のなら咥えられるからな?」
「え⋯」
「他の野郎のは死んでも御免だけど、楪のは余裕」
「ええ⋯!?」

 く、咥えられるって、口でって事だよね? あ、あそこを口に入れるって事?
 思わずその場面を想像してしまい一気に熱がぶり返した。何でこういう時ばっかり想像力豊かなの、俺。
 両手で顔を覆う俺に楽しそうに笑った天ヶ瀬くんは、ぎゅっと俺を抱き締めると頭に頬擦りしてきた。

「そんだけめちゃくちゃ好きって事だよ」
「⋯⋯俺も⋯凄く好き⋯」
「うん。ありがとな」

 いつだって真っ直ぐに気持ちを伝えてくれる天ヶ瀬くんに、照れ臭さを抱きながら俺も応えると優しく微笑んで頷いてくれる。
 そうしてしばらく抱き合ってたんだけど、不意に顔を上げた天ヶ瀬くんが眉尻を下げた。

「楪、いい雰囲気の時に何だけど⋯⋯腹減った」
「え? わ、もうこんな時間。すぐに用意するね」
「頼む」

 言われて時計を見ると十九時を回っていて、そりゃお腹も空くよと思いながら天ヶ瀬くんの膝から降りてキッチンへ向かう。ほとんど温め直すだけだから、そんなに待たせずに済みそうでホッとした。
 スープを火にかけて混ぜてたら天ヶ瀬くんが後ろから覗き込んでくる。その顔はどこか嬉しそうで、不思議に思いつつ見上げたら今度は照れ笑いを浮かべた。

「や、何か、新婚さんみてぇだなって。キッチンに立ってる後ろ姿、すげぇそそる」
「へ⋯?」
「可愛くて料理上手な嫁さんとか、俺マジで幸せもんだわ」
「な、何言って⋯」

 考えもしなかった事を言われて俺の方があたふたしてしまう。
 し、新婚さんとか言われたら意識しちゃうし、そもそも俺は男だから〝お嫁さん〟じゃない。ならお婿さんなのかと聞かれても違う気がするけど。
 俺まで照れてしまい、スープを混ぜていた手が止まった。

「まぁ、楪は俺のお嫁さんになんのは決定してるけど」
「え⋯け、決定?」
「楪は俺のだから。誰にも渡さねぇ」

 さっきまで照れてたのに、真剣な顔になった天ヶ瀬くんが俺の目を見てそう言ってくる。それにドキッとした俺だったけど、スープが沸騰し始めた事に気付いて慌てて火を止めたらお玉を持つ手が包み込まれた。

「これからも俺の胃袋掴んでてな、奥さん」
「⋯⋯だ、旦那さんの為に⋯頑張ります⋯」

 普通に生活してたらおふざけでもない限り口にしない言葉に気恥しさを感じながらも、視線だけで天ヶ瀬くんを見上げてそう答えれば嬉しそうに笑って頬に口付けられる。
 いつかこうして、キッチンに二人で並んで立つ日が来たりするのかな。そうなったらいいなって思うのは⋯高望みし過ぎ?
感想 15

あなたにおすすめの小説

また恋人に振られたので酒に飲まれていたらゴツい騎士に求婚していた件

月衣
BL
また恋人に振られた魔導省のエリート官吏アルヴィス。失恋のショックで酒に溺れた彼は勢いのまま酒場に現れた屈強な王宮騎士ガラティスに求婚してしまう。 翌朝すべての記憶を保持したまま絶望するアルヴィスだったが当のガラティスはなぜか本気だった。 「安心しろ。俺は誠実な男だ。一度決めたことは覆さない」 逃げようとするエリート魔導師と絶対に逃がさない最強騎士 貢ぎ体質な男が捕まる強制恋愛コメディのつもりです!!

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

【完結】逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。抱かれたら身代わりがばれてしまうので初夜は断固拒否します!

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。 しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです… 本当の花嫁じゃないとばれたら大変! だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。 挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。