愛が重めの年下ワンコに懐かれました

ミヅハ

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 冬休みは追い込みの為に勉強に時間を費やした。でも柊也を寂しがらせたい訳じゃないから、少しでも時間を作って会って話したり触れ合ったりもしたけど、正直物足りなさはある。
 ただここが踏ん張りどころだし、受験を終えても合否が出るまでは安心出来ないからなるべく緊張感は保っておきたくて2人とも耐えていた。
 お互いの想いを実現する為にも。

 あれよあれよと時間は過ぎて、共通テストのあとに行われる一般選抜の試験を緊張しながらも終えた俺は、無事志望大学に合格し入学手続きまで済ませて今日、高校生活最後の日を迎えていた。
 いろいろあったなって言えるほどの事は特にないけど、柊也に告白されてからはホント怒涛の日々だったなって感じ。
 卒業式が来なければいいのにって思ったのは初めてだ。

「柚琉さん」

 式も終わり、みんなで写真を撮っている様子を遠目に見ていたら声をかけられ柊也が隣に立った。見上げるとにこっと笑ってくれて、さりげなく俺の手を握ってくる。
 付き合ってる事を隠してる訳でもオープンにしてる訳でもないけど、これで柊也の恋人が俺だって知られたらガッカリされるんだろうな。解釈違いですとかって。

「柚琉さん、卒業おめでとうございます」
「サンキュー」
「明日から登校しても、柚琉さんはいないんですね」
「うっかり教室来るなよ?」
「はは、行くかもしれないです」

 案外抜けてるところあるからな、ホントうっかり来て「あ」ってなりそうだ。
 ぺしょってるかなと思ってたけど意外にも笑顔の柊也にはホッとする。
 ようやっと受験から解放された俺は、卒業後は3日だけのんびりしようって決めてて、引っ越しの準備とかもそれが明けてからする予定にしてた。
 する事はただ1つ、柊也との思い出作りだ。

「明日って映画何時からだっけ?」
「13時半です」
「じゃ、ちょっと夜更かししても大丈夫か。お菓子買い込んで映画鑑賞とかどうだ?」
「いいですね。ついでに朝ご飯も買って行きましょう」
「でも一旦家帰るから、あとで待ち合わせな」

 荷物もあるし着替えなきゃだし、1時間あれば柊也の家には行けるだろ。
 手に持ってた卒業証書の筒が落ちそうで鞄の中に突っ込んでたら、制服の襟元が摘まれたあと長い指がジャケットのボタンまで降りてきた。

「柚琉さん、第2ボタン下さい」
「別にいいけど⋯ハサミないから切って持ってくな」
「ありがとうございます」

 軽くあしらわれてたけど、最後だからと勇気を出して優里や莉央に群がってた女子みたいな事言うなと思いつつ了承すれば、柊也は嬉しそうにはにかんで俺の頬に口付けてくる。
 後ろから息を飲む音が聞こえて振り向いたら、いつぞやの女の子たちがいて俺を見て眉を顰めてた。

「⋯何であの人なの?」
「綺麗だけど男じゃんね」
「柊也、弄ばれてんじゃないの?」

 相変わらず嫌われてるな。
 でももうそんな言葉、痛くも痒くもないし言われたところでチクリとも来ない。
 だけど言われっぱなしは癪だから、俺は柊也の腕に自分の腕を絡めて引くと耳に口を寄せてはあの子たちに聞こえるように囁いた。

「早く2人きりになりたいな」

 横目で確認すれば3人とも唖然としてるのが見えて優越感を抱くけど、不意に腰が抱き寄せられ目を細めた柊也が鼻先が触れそうなほど顔を寄せてきた。

「⋯そんなお誘いされると、寝かせてあげられませんけど」
「前から思ってたんだけど、お前体力凄いよな」
「抱いてる時の柚琉さん、めちゃくちゃ可愛いからいくらでもシたくなるんです」
「⋯⋯⋯」

 俺を可愛いとか言うのコイツくらいだ。
 でも不思議と嫌じゃないのは、相手が柊也だからだろう。好きな人に容姿を褒められて嬉しくない奴なんていないんだから。
 誰よりも近い距離で俺だけを見てくれる柊也に笑みを返した俺は、周りの奴らにコイツは俺のだって知らしめる為に唇を触れ合わせた。
 これで少しは告白してくる奴が減るといいんだけど。


 確かに今しがた映画を見てたはずだった。
 昼間に煽ったのは俺だし、部屋も薄暗いからその気になるのもまぁ分かる。でもさ、映画は佳境も佳境、クライマックス直前の盛り上がるところで組み敷くのはどうかと思うんだよ。

「ん、ん⋯っ」
「⋯柚琉さん、また自分で準備しましたね?」

 俺のよりも太い指が具合を確かめるように動いてる。
 すっかり中の気持ち良さを知った俺は物足りなさを感じながらも小さく頷き、柊也の首へと腕を回した。
 最近はお風呂に入ったついでに自分で拡げるようにしてるんだけど、どうも柊也はそれが不満なようだ。

「だって柊也の⋯早く欲しい、から⋯」
「俺だって早く柚琉さんの中に入りたいですけど⋯俺がしたかったのに」
「⋯ッ、ぁ⋯んん⋯っ」

 不貞腐れて唇を尖らせる姿は子供っぽいのに、俺の中で動く指は全然大人で的確に前立腺を狙ってくる。
 指でイきたくなくて首を振るけど、拗ねてる柊也は動きを早くしてきた。

「や、ぁ⋯あ、指⋯やだ⋯っ」
「俺のが欲しかったら約束して下さい。もう自分でしないって」
「な、んで⋯⋯あ、そこ⋯っ」
「約束しないならあげません」

 何でそんなに嫌がるのか分からないけど、とにかく早く中をいっぱいにして擦って欲しくて俺は何度も頷いた。

「する⋯約束するから⋯っ⋯も、いれて⋯柊也⋯」
「⋯いい子ですね。ちょっと待って下さい」
「ゴムいらない⋯早く⋯っ」
「駄目ですよ。お腹壊すらしいので、ちゃんと着けます」

 そんな時間さえ惜しいほど疼いてるのに、柊也は片手で自身を出しながら歯でゴムの封を切ると、俺に見せ付けるように着けていく。それから窄まりへと宛てがったんだけど、先端を少し入れては引いて入れては引いてで入ってきてくれない。

「柊也⋯!」
「欲しい?」
「お前⋯何でこういう時はSになるんだよ⋯っ」
「柚琉さんが可愛くて」

 意味が分からんと眉を吊り上げた俺にクスリと笑った柊也は、俺の腰を掴むと一気に奥まで突き入れてきた。
 その衝撃で俺は声もなく達し身体を震わせる。

「⋯っ⋯柚琉さん⋯挿れただけでイっちゃったんですか?」
「ぁ⋯う⋯」
「ほんっと、可愛い⋯」
「ひぁ⋯っ、や、待っ⋯まだ⋯っ」
「俺の形、ちゃんと覚えてて下さいね」
「ぅあ、あ、奥だめ⋯っ、柊也⋯!」
「⋯愛してます、柚琉さん⋯」

 イったばかりにも関わらず、ベッドが軋むほど激しく攻められ頭の中が真っ白になってる俺は柊也の言葉に意識を向ける事が出来なかった。
 でも何度も名前を呼ぶ俺に微笑んで、苦しくない程度にキスをしてくれたのは覚えてる。
 柊也が与えてくれる全部が気持ち良くて、触れ合うたびに感じる温もりと離れたくなくて、俺はもっと欲しいってずっとねだってた。
 おかげで映画デートを中止せざるを得なかったのは仕方ないと思いたい。
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