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2人の王子 情と欲
1
書いてみました。今回の主人公はグレンデル王国のレスター王子となります。
本編の登場時には王国側の不正を正したものの、のちの王国を興隆させる礎となることはできませんでしたが果たして!?
※王子の独白、説明台詞が多くなります。また、内容の変更もあるかも。
私はレスター。このグレンデル王国の第一王子だ。この国には2人の王子がいて、クレヒルトという名前の弟がいる。弟は不幸にも人が必ず持ちえる魔力が徐々に失われていく『魔力病』を発症している。その為に、外出はおろかほぼ一年をベッドの上で生活する毎日だ。
「体調はどうだ、クレヒルト」
「兄上、ここ最近は本当によくなっています。これもエディンが来てからですよ。彼女は女神のようです」
「そうか…。しかし、エディン子爵令嬢とは親しすぎるのではないか?お前にはカノン伯爵令嬢という婚約者がいるだろう?貴族たちも噂しているぞ?」
「あのようなものが婚約者などと…。確かに、私の魔力を回復させる研究に功績があったとは聞きましたが、結局治ることはありませんでした。あのような薬臭い女に何ができるのですか!?それに比べてエディンは月に一度と言わず、最近では2日に一度は来てくれるのです…」
弟は確かに難病にかかって痛ましい。しかし、この周りを見ない振る舞いと強情さは何とかしなければならないな。
「だが、それだけでも大きな功績だ。王家はもちろんのこと、他国や冒険者たちなど数多くの者たちに影響を与えた発明品と呼ぶにふさわしいものだ」
「そんなもの、きっと他の研究者の物を横取りしたに違いありません。それこそエディンや他の貴族からも話を聞きますよ!」
全く、あんなのが婚約者とは!と弟は怒りが収まらないようだ。しかし、それが事実としてもエディン嬢は子爵家、カノン嬢は伯爵家なのだから自分より高位の貴族家を落とす発言をするとは…。他の貴族というのも気になるな。
「まあ、体調に気を付けて養生することだ。お前が初めて開催するパーティーも近いのだろう?」
「はい。父上はもちろん兄上もあっと言わせて見せますよ!!」
自信満々なのは結構だが、先程までの言動を考えるに本当に大丈夫だろうか?この時の私はまだ弟を不自由な生活で、多少わがままな性格に育った男だと思っていた。まさか、そのパーティーであんな騒動を引き起こそうとは…。
「シリウス、いるか?」
「ここに」
部屋を出た私は自室に戻り、早速先程の弟との会話で気になったことを調べようと、私専用の影のシリウスを呼ぶ。この男は弟の婚約者であるカノン嬢の動向を見張る影のアーニャという少女の兄でもあり、この王国で1、2を争う腕の持ち主だ。最も、もう一人もこの男の父親であり、王国にとっては忠義に篤いこの親子のどちらが上でも構わないのだが。
「先程の会話は聞いていたな。エディン嬢にお前を充てる程ではない。弟に下らんことを吹き込んだ貴族を探してくれればいい。そいつらの真意が気になる」
「御意!」
言葉少なにシリウスはかき消える。これで貴族の方は数日後にわかるだろう。
「後はエディン嬢の方だな。最近では弟の『魔力病』を愛で治したとか吹聴しているそうだが、あっちはたかが子爵家。他の物でも簡単に調べられるだろう」
大体、他国も合わせれば王家に『魔力病』の罹患者が発生したのは初めてではない。第1王子がかかっていたことも記録にある。それをたかが小娘の愛が治したなどと何を世迷言を言っているのか。私がどれだけ苦労して優秀な第1王子という立場を守ってきたと思っている。
---
生まれた時から私は次期国王として育てられた。欲しいものは与えられたが、ついぞ『自由』だけは手に入らなかった。そして、弟が生まれた。これで少しは向こうにも目が行くかと思ったこともあった。基本的には王妃の生んだ長男が後を継ぐ。しかし、第2王子であればスペアとして育てられるのが通例だからだ。
「だが、生まれてきたのは『魔力病』持ちの欠陥品だった…」
教育係は弟が長くないだろうと見越し、何としても私を優秀な王にするためより厳しくなった。
『クレヒルト殿下は大いなる試練のもとに生まれました。これを楽にさせるためにもレスター殿下は頑張らねばなりません』
『そうです。クレヒルト殿下は早晩、どこかに養子として出されるでしょう。そうなってはあなたが唯一の後継者ですぞ』
結果からすれば、家族というものに強いこだわりを持っていた陛下がそれを行うことはなかったが、その者たちの発言通りに私の負担が増えていった。4歳にしてお茶会を開き、7歳でパーティーを主催した。デビュタントなどした記憶もない。気づけば当たり前のようにどんな場所にもいた。
「だが、そうすれば弟への貴族の不満も納まると思っていたんだがな…」
陛下は弟が生き延びるために何でもした。当時、まだまだ高価だった魔力回復薬を大量に買い込み弟に与えた。当然国庫からの支出だ。そのために多くの事業をあきらめない訳にはいかなかった。当時、王都の貴族間でささやかれた噂にこんなものがある。『国は領地が荒れ果てようと、国土が失われようと第2王子だけは守る』
「事実、いくつかの貴族は首が回らなくなって没落したのだから笑えないな。今回のパーティーもまだ弟には早いと思い進言したが、陛下には聞き入れてもらえなかった。家族が絡まなければ悪い王ではないのだが…」
そんな家族に関しては褒められることがない陛下でも素晴らしい働きをしたことがある。カノン嬢の抜擢だ。曽祖父は薬学において非凡な成果を残し、祖父の代では薬学研究所の所長として勤めあげた。だが、その息子である現当主は一般人だった。研究者としてもダメ、率いる力も無く、早々に薬学から遠ざけられた。そんな当時のエレステン伯爵家をかつての薬学の名門というだけで、弟の婚約者にして『魔力病』を研究させたのだ。
「あれには私でも驚いたし、その結果には万人が陛下を称賛することだろう。曇った目でも神のごとき眼だったな」
カノン伯爵令嬢は婚約者となってから、その全てを以て『魔力病』にあたった。遊ぶこともなく、ドレスを着ることもなく、ただひたすら大人に混じって研究を行う。その愚直さで花開かせたのは研究開始からわずか3年後のことだった。回復量が少なく、味も最悪だという魔力回復薬の効果・味を共に大幅に改良したのだ。
「あの時は本当に驚いたな。初めて飲んだ時はよくも弟はこんな不味いものを飲み続けられると思ったものが、おいしいと感じられるものになっていた。それも、私の魔力をほぼ回復させる程に強力だった」
当時の魔力回復薬と言えば最後の切り札だ。王族で魔力が多いとはいえ、私の場合はあの不味いものを5本ほど飲んでようやく回復する代物だ。冒険者なら緊急時以外には値段も高く服用できないだろう。それをコスト上昇をある程度抑え5倍近くに効果量を引き上げ、味も改善した。これには弟も大喜びだった。これであの不味いものを飲まずに済むと。
エレステン伯爵の金遣いもその頃から一変した。貧しい暮らしを忘れ、新薬を高く売ることで大金持ちになったのだ。これも同じ病気に苦しむ大商家や高位の冒険者たちが買い求めたお陰だ。しかし、その所為で折角の既存薬のコストダウンが出来なかった。新たな薬には開発者の価格設定が適用されるという法に基づいたものだ。陛下も良い薬であれば価格は気にしない方針のため、全ての声は抑えられ未だに高級薬だ。
「何とかしてあの魔力回復薬だけでも価格を下げたいものだ…。まあ、それに関してはあと数年で行けそうだが」
あいつが金の権化ならそれを直すことは難しい。それなら後継者を押さえればよいのだ。私はエレステン家の長男に接触して、多くのことを共に学んできた。表向きは弟の婚約者の家の者としてだが、内実は違う。カノン伯爵令嬢は今後いくつも新薬を作るだろう。そして、その権利は嫁ぐまでのものは伯爵家に残る。あと数年とはいえ、その利益は莫大だ。それを王家がある程度コントロールすることが出来なければならない。
「でなくては、他国に切り取られてしまうだろう」
現在王国が置かれている状況は問題ない。それは王妃が隣国の魔導大国の元王女だからだ。しかし、その関係が薄れてしまえば、我が国単独の武力では心もとない。そんな中、今後何十年と利益を生む伯爵家を調略されてしまったら、国の存続にかかわる。あの領地はなんとしても押さえなければならないのだ。
「しかし、本当に惜しい娘だ。カノン伯爵令嬢は…」
当然、私にも婚約者はいる。セティ=パーランド公爵令嬢だ。彼女の出身の公爵家はいわゆる領地を持たない名誉爵で、王家の血が流れている。この為、嫁ぐことにより貴族の発言が高まることもなく、新たに叙爵なども必要としない。現在の王たるものの本心が露わになった縁談だ。未だに反対も燻る中だが、彼女自体は悪い人物ではない。王妃教育もうまく行っているようだし、性格も温和だ。
「だが、全く面白さがない。カノン嬢のような世間知らずな表情もなければ、作り笑いを浮かべるだけだ。もう少しかわいげがあればよかったのだが、所詮はパーランド公爵の娘だな。公爵も元は子爵程度の領地は与えられるはずが、肉欲に溺れ王都に閉じ込められるように邸だけを与えられた。先王の見る目は正しかったという訳だ」
どの道、横に座っているだけなのだから、プライベートで楽しい人物なら良かった。マナーなんてものは誰でも身に付くものだ。政治に参加する訳ではないなら、せめて選びたかったものだと今でも思う。
「いや、今だからこそか。婚約者を替えられるものなら替えたいものだな」
そして手元に目をやると書類仕事に手を付ける。はぁ…相変わらずつまらない申請だらけだな。
本編の登場時には王国側の不正を正したものの、のちの王国を興隆させる礎となることはできませんでしたが果たして!?
※王子の独白、説明台詞が多くなります。また、内容の変更もあるかも。
私はレスター。このグレンデル王国の第一王子だ。この国には2人の王子がいて、クレヒルトという名前の弟がいる。弟は不幸にも人が必ず持ちえる魔力が徐々に失われていく『魔力病』を発症している。その為に、外出はおろかほぼ一年をベッドの上で生活する毎日だ。
「体調はどうだ、クレヒルト」
「兄上、ここ最近は本当によくなっています。これもエディンが来てからですよ。彼女は女神のようです」
「そうか…。しかし、エディン子爵令嬢とは親しすぎるのではないか?お前にはカノン伯爵令嬢という婚約者がいるだろう?貴族たちも噂しているぞ?」
「あのようなものが婚約者などと…。確かに、私の魔力を回復させる研究に功績があったとは聞きましたが、結局治ることはありませんでした。あのような薬臭い女に何ができるのですか!?それに比べてエディンは月に一度と言わず、最近では2日に一度は来てくれるのです…」
弟は確かに難病にかかって痛ましい。しかし、この周りを見ない振る舞いと強情さは何とかしなければならないな。
「だが、それだけでも大きな功績だ。王家はもちろんのこと、他国や冒険者たちなど数多くの者たちに影響を与えた発明品と呼ぶにふさわしいものだ」
「そんなもの、きっと他の研究者の物を横取りしたに違いありません。それこそエディンや他の貴族からも話を聞きますよ!」
全く、あんなのが婚約者とは!と弟は怒りが収まらないようだ。しかし、それが事実としてもエディン嬢は子爵家、カノン嬢は伯爵家なのだから自分より高位の貴族家を落とす発言をするとは…。他の貴族というのも気になるな。
「まあ、体調に気を付けて養生することだ。お前が初めて開催するパーティーも近いのだろう?」
「はい。父上はもちろん兄上もあっと言わせて見せますよ!!」
自信満々なのは結構だが、先程までの言動を考えるに本当に大丈夫だろうか?この時の私はまだ弟を不自由な生活で、多少わがままな性格に育った男だと思っていた。まさか、そのパーティーであんな騒動を引き起こそうとは…。
「シリウス、いるか?」
「ここに」
部屋を出た私は自室に戻り、早速先程の弟との会話で気になったことを調べようと、私専用の影のシリウスを呼ぶ。この男は弟の婚約者であるカノン嬢の動向を見張る影のアーニャという少女の兄でもあり、この王国で1、2を争う腕の持ち主だ。最も、もう一人もこの男の父親であり、王国にとっては忠義に篤いこの親子のどちらが上でも構わないのだが。
「先程の会話は聞いていたな。エディン嬢にお前を充てる程ではない。弟に下らんことを吹き込んだ貴族を探してくれればいい。そいつらの真意が気になる」
「御意!」
言葉少なにシリウスはかき消える。これで貴族の方は数日後にわかるだろう。
「後はエディン嬢の方だな。最近では弟の『魔力病』を愛で治したとか吹聴しているそうだが、あっちはたかが子爵家。他の物でも簡単に調べられるだろう」
大体、他国も合わせれば王家に『魔力病』の罹患者が発生したのは初めてではない。第1王子がかかっていたことも記録にある。それをたかが小娘の愛が治したなどと何を世迷言を言っているのか。私がどれだけ苦労して優秀な第1王子という立場を守ってきたと思っている。
---
生まれた時から私は次期国王として育てられた。欲しいものは与えられたが、ついぞ『自由』だけは手に入らなかった。そして、弟が生まれた。これで少しは向こうにも目が行くかと思ったこともあった。基本的には王妃の生んだ長男が後を継ぐ。しかし、第2王子であればスペアとして育てられるのが通例だからだ。
「だが、生まれてきたのは『魔力病』持ちの欠陥品だった…」
教育係は弟が長くないだろうと見越し、何としても私を優秀な王にするためより厳しくなった。
『クレヒルト殿下は大いなる試練のもとに生まれました。これを楽にさせるためにもレスター殿下は頑張らねばなりません』
『そうです。クレヒルト殿下は早晩、どこかに養子として出されるでしょう。そうなってはあなたが唯一の後継者ですぞ』
結果からすれば、家族というものに強いこだわりを持っていた陛下がそれを行うことはなかったが、その者たちの発言通りに私の負担が増えていった。4歳にしてお茶会を開き、7歳でパーティーを主催した。デビュタントなどした記憶もない。気づけば当たり前のようにどんな場所にもいた。
「だが、そうすれば弟への貴族の不満も納まると思っていたんだがな…」
陛下は弟が生き延びるために何でもした。当時、まだまだ高価だった魔力回復薬を大量に買い込み弟に与えた。当然国庫からの支出だ。そのために多くの事業をあきらめない訳にはいかなかった。当時、王都の貴族間でささやかれた噂にこんなものがある。『国は領地が荒れ果てようと、国土が失われようと第2王子だけは守る』
「事実、いくつかの貴族は首が回らなくなって没落したのだから笑えないな。今回のパーティーもまだ弟には早いと思い進言したが、陛下には聞き入れてもらえなかった。家族が絡まなければ悪い王ではないのだが…」
そんな家族に関しては褒められることがない陛下でも素晴らしい働きをしたことがある。カノン嬢の抜擢だ。曽祖父は薬学において非凡な成果を残し、祖父の代では薬学研究所の所長として勤めあげた。だが、その息子である現当主は一般人だった。研究者としてもダメ、率いる力も無く、早々に薬学から遠ざけられた。そんな当時のエレステン伯爵家をかつての薬学の名門というだけで、弟の婚約者にして『魔力病』を研究させたのだ。
「あれには私でも驚いたし、その結果には万人が陛下を称賛することだろう。曇った目でも神のごとき眼だったな」
カノン伯爵令嬢は婚約者となってから、その全てを以て『魔力病』にあたった。遊ぶこともなく、ドレスを着ることもなく、ただひたすら大人に混じって研究を行う。その愚直さで花開かせたのは研究開始からわずか3年後のことだった。回復量が少なく、味も最悪だという魔力回復薬の効果・味を共に大幅に改良したのだ。
「あの時は本当に驚いたな。初めて飲んだ時はよくも弟はこんな不味いものを飲み続けられると思ったものが、おいしいと感じられるものになっていた。それも、私の魔力をほぼ回復させる程に強力だった」
当時の魔力回復薬と言えば最後の切り札だ。王族で魔力が多いとはいえ、私の場合はあの不味いものを5本ほど飲んでようやく回復する代物だ。冒険者なら緊急時以外には値段も高く服用できないだろう。それをコスト上昇をある程度抑え5倍近くに効果量を引き上げ、味も改善した。これには弟も大喜びだった。これであの不味いものを飲まずに済むと。
エレステン伯爵の金遣いもその頃から一変した。貧しい暮らしを忘れ、新薬を高く売ることで大金持ちになったのだ。これも同じ病気に苦しむ大商家や高位の冒険者たちが買い求めたお陰だ。しかし、その所為で折角の既存薬のコストダウンが出来なかった。新たな薬には開発者の価格設定が適用されるという法に基づいたものだ。陛下も良い薬であれば価格は気にしない方針のため、全ての声は抑えられ未だに高級薬だ。
「何とかしてあの魔力回復薬だけでも価格を下げたいものだ…。まあ、それに関してはあと数年で行けそうだが」
あいつが金の権化ならそれを直すことは難しい。それなら後継者を押さえればよいのだ。私はエレステン家の長男に接触して、多くのことを共に学んできた。表向きは弟の婚約者の家の者としてだが、内実は違う。カノン伯爵令嬢は今後いくつも新薬を作るだろう。そして、その権利は嫁ぐまでのものは伯爵家に残る。あと数年とはいえ、その利益は莫大だ。それを王家がある程度コントロールすることが出来なければならない。
「でなくては、他国に切り取られてしまうだろう」
現在王国が置かれている状況は問題ない。それは王妃が隣国の魔導大国の元王女だからだ。しかし、その関係が薄れてしまえば、我が国単独の武力では心もとない。そんな中、今後何十年と利益を生む伯爵家を調略されてしまったら、国の存続にかかわる。あの領地はなんとしても押さえなければならないのだ。
「しかし、本当に惜しい娘だ。カノン伯爵令嬢は…」
当然、私にも婚約者はいる。セティ=パーランド公爵令嬢だ。彼女の出身の公爵家はいわゆる領地を持たない名誉爵で、王家の血が流れている。この為、嫁ぐことにより貴族の発言が高まることもなく、新たに叙爵なども必要としない。現在の王たるものの本心が露わになった縁談だ。未だに反対も燻る中だが、彼女自体は悪い人物ではない。王妃教育もうまく行っているようだし、性格も温和だ。
「だが、全く面白さがない。カノン嬢のような世間知らずな表情もなければ、作り笑いを浮かべるだけだ。もう少しかわいげがあればよかったのだが、所詮はパーランド公爵の娘だな。公爵も元は子爵程度の領地は与えられるはずが、肉欲に溺れ王都に閉じ込められるように邸だけを与えられた。先王の見る目は正しかったという訳だ」
どの道、横に座っているだけなのだから、プライベートで楽しい人物なら良かった。マナーなんてものは誰でも身に付くものだ。政治に参加する訳ではないなら、せめて選びたかったものだと今でも思う。
「いや、今だからこそか。婚約者を替えられるものなら替えたいものだな」
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