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第1部 1章 始まりの大地
モールト村と初めての騎乗
「ひょっとして、皆さん結構背が高い方ですか?」
「いや、俺たちの歳ならこれぐらいだ。男性で180cm、女性でも165cmは普通にあるな」
「そうそう。だから、今は見栄を張らなくていいのよ」
「くっ!」
こういう時は前世の背が高かった頃が懐かしい。あの時なら少なくともアルテラさんは見下ろしていたのに…。まあ、兜をかぶれば同じぐらいにはなるけどね。
「そろそろ村だな。ミツキ、馬には乗れるか?」
「う、馬ですか?」
「ひょっとして馬を見たことないの?」
「見たことはあります。実物はありませんけど…」
色んな番組で見たことはある。でも、近くに馬場もなくて諦めたのだ。
「?」
「あっ、いえ。知ってはいますが乗ったことはありません」
「よくわからないけど、いいわ。私の馬に乗りましょう!」
「いいのか?お前の馬の方が小さいし、ミツキは重装備だろ?」
「ミツキちゃんぐらいなら平気よ。それとも、自分の方に乗せたいの?」
「そういう訳じゃないが…」
「なら決まりね!さあ、この角を回れば見えてくるわ」
「はいっ!」
馬に乗れるということと、初めての村を見ることにテンションが上がった私はガシャンガシャンと音を立てて、早足でアルテラさんについて行く。
「もう、そんなに馬に乗るのが楽しみなの?」
「それもありますけど、村を…他の村を見るのも初めてなので興味があるんです!」
危ない。危うく、村を見るのも初めてだって言いそうになった。気を付けねば。
「そう?別にそこまで変わらないと思うけど」
そして、突き当りの角を右に曲がると言葉通り、村が見えて来た。
「見えたわ!あれがモールト村よ」
「モールト村…初めての村」
ガシャンガシャンガシャン
私は村の入り口が見えたら思わず駆け出していた。
「ちょ、ちょっと、ミツキ!あの子、どうしたのかしら?」
「今まで外の世界にあこがれていたらしいからな。しょうがないさ」
「それにしても、綺麗な子よね。どこかの貴族の子どもかしら?」
「さあな。俺も詳しくは知らん」
「でも、あんな綺麗な金髪の子なんて普通は村にいないわよ?」
「そうだな。帰ったら聞いてみるとするか」
「ほら~!アルテラさん早く~」
「はいはい。今行くわよ~!」
私がアルテラさんを呼ぶと、急いで駆けてきてくれた。催促したみたいで悪いけれど、しょうがない。初めての村にテンションが上がった私は止められないのだ。
「それじゃあ、村に入りましょう。門番さん、通してもらえるかしら?」
「おや、昨日出発した騎士さんたちだね。そっちのお嬢さんは?」
「別の村に住んでいた子よ。事情があって町に連れていくところなの」
「そうですか、村へどうぞ」
門番さんが事情を聴いて通してくれる。やっぱりああいう人も町から派遣されているのかな?
「どうしたの。門番がそんなに気になる?」
「あっ、いえ。あの人も町から派遣されてるのかなって」
「ああ、あの人たちは村の人よ。村の人以外だと元冒険者とかそういう人を雇うところもあるわね」
「へぇ~、町から地方に派遣とかないんですね」
「あくまで領主といっても、管理責任は町だけだからな。村はついでみたいなものだ。町だけだと賄い切れないものをカバーしてくれるから、その代わりに見回っているんだ。だから、小規模な村は町に影響を及ぼさないから見回りに行かないのさ」
「そういうことなんですね。でも、この村は治安も良さそうです」
「まあ、町からもそこまで離れていないからな。引退した冒険者がちらほら住むのもある」
ブルルル
「あっ、お馬さん!」
「元気だったか?ローデン」
「ごめんね、私だけ先行して。リリー」
「2人とも馬に名前を付けてるんですね」
「もちろんだ。それぞれ専用の馬に乗るからな。名前がないと不便だし、かわいそうだろう?」
「そうよ。馬は戦場に行く時もこうやって移動する時も一緒だからちゃんとしてあげないとね」
「う~ん。私もそれじゃあ、馬を飼わないといけませんね!」
デュラハンの絵に馬はつきものだ。そもそも騎士なんだから騎乗もできるだろうし、これはいい出会いを捜さなくては!むんっ!と気合を入れる私とは対照的に不思議そうな視線を向ける2人だった。
「ほら、そんな気合を入れていないで町に行くわよ」
「はいっ!」
こうして馬に乗った私だったが…。
ブルルル
「どっ、どうしたの?いつもは大人しい子なのに…」
「あはは、どうしたんでしょうねぇ~~~」
まさか、私がデュラハンだってことに気づいてる訳じゃないよね?野生動物だし、ねぇ?ちらりと私が覗き込むと、馬はふいっと前を向いて歩きだした。
「良かった~。乗せ慣れない人を乗せてちょっと嫌がってるのかと思っちゃった」
ブルッ
その声に反応したのか私と少し目が合ったのか、リリーは駆け出した。
「ちょ、ちょっと走らなくてもいいわよ?」
しかし、リリーはアルテラさんの声にも止まることなくスピードを上げて走り始めた。
「どうした?」
「リリーが止まらないの。悪いけど合わせてくれる?」
「了解だ。ローデン、行けるな!」
ヒヒーン!
ローデンの方も一度、立ち止まって頭を上げるとペースを上げてすぐにこちらを追いかけてくる。あちらの方が体格も大きく、スピードもあるみたいだ。
「ミツキちゃん、大丈夫?怖かったら言ってね」
「大丈夫です!それよりこの風を切る感じが楽しいです」
人間になっているとはいえ、元がデュラハンだからだろうかとても気持ちよかった。
「いや、俺たちの歳ならこれぐらいだ。男性で180cm、女性でも165cmは普通にあるな」
「そうそう。だから、今は見栄を張らなくていいのよ」
「くっ!」
こういう時は前世の背が高かった頃が懐かしい。あの時なら少なくともアルテラさんは見下ろしていたのに…。まあ、兜をかぶれば同じぐらいにはなるけどね。
「そろそろ村だな。ミツキ、馬には乗れるか?」
「う、馬ですか?」
「ひょっとして馬を見たことないの?」
「見たことはあります。実物はありませんけど…」
色んな番組で見たことはある。でも、近くに馬場もなくて諦めたのだ。
「?」
「あっ、いえ。知ってはいますが乗ったことはありません」
「よくわからないけど、いいわ。私の馬に乗りましょう!」
「いいのか?お前の馬の方が小さいし、ミツキは重装備だろ?」
「ミツキちゃんぐらいなら平気よ。それとも、自分の方に乗せたいの?」
「そういう訳じゃないが…」
「なら決まりね!さあ、この角を回れば見えてくるわ」
「はいっ!」
馬に乗れるということと、初めての村を見ることにテンションが上がった私はガシャンガシャンと音を立てて、早足でアルテラさんについて行く。
「もう、そんなに馬に乗るのが楽しみなの?」
「それもありますけど、村を…他の村を見るのも初めてなので興味があるんです!」
危ない。危うく、村を見るのも初めてだって言いそうになった。気を付けねば。
「そう?別にそこまで変わらないと思うけど」
そして、突き当りの角を右に曲がると言葉通り、村が見えて来た。
「見えたわ!あれがモールト村よ」
「モールト村…初めての村」
ガシャンガシャンガシャン
私は村の入り口が見えたら思わず駆け出していた。
「ちょ、ちょっと、ミツキ!あの子、どうしたのかしら?」
「今まで外の世界にあこがれていたらしいからな。しょうがないさ」
「それにしても、綺麗な子よね。どこかの貴族の子どもかしら?」
「さあな。俺も詳しくは知らん」
「でも、あんな綺麗な金髪の子なんて普通は村にいないわよ?」
「そうだな。帰ったら聞いてみるとするか」
「ほら~!アルテラさん早く~」
「はいはい。今行くわよ~!」
私がアルテラさんを呼ぶと、急いで駆けてきてくれた。催促したみたいで悪いけれど、しょうがない。初めての村にテンションが上がった私は止められないのだ。
「それじゃあ、村に入りましょう。門番さん、通してもらえるかしら?」
「おや、昨日出発した騎士さんたちだね。そっちのお嬢さんは?」
「別の村に住んでいた子よ。事情があって町に連れていくところなの」
「そうですか、村へどうぞ」
門番さんが事情を聴いて通してくれる。やっぱりああいう人も町から派遣されているのかな?
「どうしたの。門番がそんなに気になる?」
「あっ、いえ。あの人も町から派遣されてるのかなって」
「ああ、あの人たちは村の人よ。村の人以外だと元冒険者とかそういう人を雇うところもあるわね」
「へぇ~、町から地方に派遣とかないんですね」
「あくまで領主といっても、管理責任は町だけだからな。村はついでみたいなものだ。町だけだと賄い切れないものをカバーしてくれるから、その代わりに見回っているんだ。だから、小規模な村は町に影響を及ぼさないから見回りに行かないのさ」
「そういうことなんですね。でも、この村は治安も良さそうです」
「まあ、町からもそこまで離れていないからな。引退した冒険者がちらほら住むのもある」
ブルルル
「あっ、お馬さん!」
「元気だったか?ローデン」
「ごめんね、私だけ先行して。リリー」
「2人とも馬に名前を付けてるんですね」
「もちろんだ。それぞれ専用の馬に乗るからな。名前がないと不便だし、かわいそうだろう?」
「そうよ。馬は戦場に行く時もこうやって移動する時も一緒だからちゃんとしてあげないとね」
「う~ん。私もそれじゃあ、馬を飼わないといけませんね!」
デュラハンの絵に馬はつきものだ。そもそも騎士なんだから騎乗もできるだろうし、これはいい出会いを捜さなくては!むんっ!と気合を入れる私とは対照的に不思議そうな視線を向ける2人だった。
「ほら、そんな気合を入れていないで町に行くわよ」
「はいっ!」
こうして馬に乗った私だったが…。
ブルルル
「どっ、どうしたの?いつもは大人しい子なのに…」
「あはは、どうしたんでしょうねぇ~~~」
まさか、私がデュラハンだってことに気づいてる訳じゃないよね?野生動物だし、ねぇ?ちらりと私が覗き込むと、馬はふいっと前を向いて歩きだした。
「良かった~。乗せ慣れない人を乗せてちょっと嫌がってるのかと思っちゃった」
ブルッ
その声に反応したのか私と少し目が合ったのか、リリーは駆け出した。
「ちょ、ちょっと走らなくてもいいわよ?」
しかし、リリーはアルテラさんの声にも止まることなくスピードを上げて走り始めた。
「どうした?」
「リリーが止まらないの。悪いけど合わせてくれる?」
「了解だ。ローデン、行けるな!」
ヒヒーン!
ローデンの方も一度、立ち止まって頭を上げるとペースを上げてすぐにこちらを追いかけてくる。あちらの方が体格も大きく、スピードもあるみたいだ。
「ミツキちゃん、大丈夫?怖かったら言ってね」
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