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第1部 3章 新たな住まい
目的の家探し
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「お待たせしました!」
「急がなくてよかったのに。ライラさんもよろしくね」
「ええ、こちらこそ」
「じゃあ、向かうとしよう。まずは住宅エリアの不動産屋だな」
「お願いします」
こうして私たちは住宅エリアを目指して歩き出したのだった。
「ここを曲がって…あそこだ」
「えっと、不動産コールマン」
「この不動産屋の名前ね。さ、入りましょう」
ガチャリ
アルテラさんがドアを開けて中に入っていく。私たちもそれに続いて入店した。
「いらっしゃいませ。コールマンへようこそ!」
「ああ、今日は物件の確認に来たんだが、条件があるので紙をくれ」
「かしこまりました。住まわれるのはどちらの方でしょうか?」
「ああ、こっちのミツキだ」
「どうも、ミツキです。よろしくお願いします」
「えっと、このお嬢様がおひとりで?」
「私も一緒に住みますので、問題ありません」
「あら、メイドさん連れなのですね。分かりました、すぐに紙をお渡しいたします」
一度店員のお姉さんが奥に引っ込むと紙とペンをトレイに乗せて持って来た。
「さあ、こちらへどうぞ。この場所では落ち着いて書けませんからね!」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
そうして、さほど広くない店内の奥の部屋へと通される。中はなんとか4人が座れるぐらいのスペースに椅子が5つ置かれていた。
「私は扉の所で控えております」
「えっ!?昨日話したこともあるのでお願いします」
部屋が狭いと思ったのかライラさんが立っているというが、部屋の下見なんてほとんど経験のない私からしたら、一気に心強い味方が消えてしまうようなもの。なんとか引き留めようとする。
「そうだな。普段使うのはライラなんだから俺が立っていよう」
「すみません、では」
ライラさんもクウィードさんにそう言われて納得したようで私の隣に座ってくれた。
「すみません、狭い部屋で。本当ならもう少し広い部屋を案内するべきなのですが」
「いえ、しょうがないですよ。こっちも押しかけてしまってすみません」
「そう言っていただけるとありがたいですわ。ささっ、記入をお願いします」
そう言われて、改めて紙を見る。まずは家のタイプだ。
「ここは一軒家と…お風呂はありで、キッチンもあり。他には部屋は3つかな?う~ん、でもなぁ」
「どうしたの?」
「いえ、部屋の数なんですけど、2つぐらいあればいいかなと思ったんですが、アルテラさんたちの部屋もいりますよね?」
「私たちの部屋なら無くていいわよ。別にリビングでも寝られるしね」
「少し確認させていただいてよろしいですか?」
「どうぞ」
私たちが話し合っていると、お姉さんが私が記入した項目を確認したいといってきた。
「なるほど。うちの物件でしたらお風呂付の家は全て3室以上になります」
「そうなんですか?」
「はい。キッチンはともかく、お風呂の導入には何かと費用がかかりますから、希望される時点で金銭的に余裕がある方となりますので、部屋もそれなりにあるんです」
「あっ!じゃあ、この問題は解決ですね!他条件は…う~ん、特にないですかね?」
「では、一度お預かりしますね」
「お願いします」
お姉さんが紙を回収して一度部屋を出ていく。それから、ドンッと音がしそうな大きなファイルを持って来た。
「ぶ、分厚いですね…」
「あっ、ご安心ください。こちらの中からではなく、選んでいただくのはこの中でも一部ですから」
「ほっ」
さすがに電話帳の束みたいな紙から探すのだけは避けたいから助かった。
「では、物件選びになるのですが、治安を考えてこの住居エリアの範囲でよろしいですか?
「そうですね。後は買い物に近いと助かります」
「分かりました。商業エリア近くの住居ですね。では、この辺ですね」
お姉さんがタグ付けされたページをどんどんめくっていく。そこから紹介された物件は3つだった。どれも内装はほとんど違いがなく、1階は水回りで2軒がそこにリビング。1軒は寝室だ。そして、2軒が2階に部屋が3室で、1軒はリビングと部屋が2つになっている。
「どっちの作りの方が好みなんだ?立地的にはどこも変わらないと思うが…」
「そうですね。やっぱりキッチンとリビングが近い方がいいから2軒の内どっちかですね」
これがキッチンだけでも上にあったらそっちを選んだんだけどね。
「間取りもほとんど同じですが、部屋割りが若干違います。1軒目はどちらかというと1部屋が物置に近く、2軒目はどの部屋もそれなりに広いですね」
「う~ん。それなら、お客さんに狭い部屋で寝てもらう訳にはいけませんし、2軒目ですかね?」
「ミツキ様、私は狭い部屋でも構いません。特に荷物も置きませんし」
「そうはいきませんよ!ライラさんが休みの日とか外出とかするのに不便ですよ。お気に入りの服とかたくさん用意したくないですか?」
「それは実家に戻れば…」
「いえ、やっぱり休日の外出は出るところからですよ。2軒目でお願いします!」
私は有無を言わさず、お姉さんにお願いする。別に私の方こそ広い部屋でなくてもいいんだから問題もない。
「では、こちらですね。部屋の確認をされに行きますか?」
「あっ、そうですね。実際の広さを見てから出ないと、色々揃えられませんし」
「では、ご案内いたします」
住居の仮決定をしたところで、私たちは実際の建物を見に行くことになった。
「急がなくてよかったのに。ライラさんもよろしくね」
「ええ、こちらこそ」
「じゃあ、向かうとしよう。まずは住宅エリアの不動産屋だな」
「お願いします」
こうして私たちは住宅エリアを目指して歩き出したのだった。
「ここを曲がって…あそこだ」
「えっと、不動産コールマン」
「この不動産屋の名前ね。さ、入りましょう」
ガチャリ
アルテラさんがドアを開けて中に入っていく。私たちもそれに続いて入店した。
「いらっしゃいませ。コールマンへようこそ!」
「ああ、今日は物件の確認に来たんだが、条件があるので紙をくれ」
「かしこまりました。住まわれるのはどちらの方でしょうか?」
「ああ、こっちのミツキだ」
「どうも、ミツキです。よろしくお願いします」
「えっと、このお嬢様がおひとりで?」
「私も一緒に住みますので、問題ありません」
「あら、メイドさん連れなのですね。分かりました、すぐに紙をお渡しいたします」
一度店員のお姉さんが奥に引っ込むと紙とペンをトレイに乗せて持って来た。
「さあ、こちらへどうぞ。この場所では落ち着いて書けませんからね!」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
そうして、さほど広くない店内の奥の部屋へと通される。中はなんとか4人が座れるぐらいのスペースに椅子が5つ置かれていた。
「私は扉の所で控えております」
「えっ!?昨日話したこともあるのでお願いします」
部屋が狭いと思ったのかライラさんが立っているというが、部屋の下見なんてほとんど経験のない私からしたら、一気に心強い味方が消えてしまうようなもの。なんとか引き留めようとする。
「そうだな。普段使うのはライラなんだから俺が立っていよう」
「すみません、では」
ライラさんもクウィードさんにそう言われて納得したようで私の隣に座ってくれた。
「すみません、狭い部屋で。本当ならもう少し広い部屋を案内するべきなのですが」
「いえ、しょうがないですよ。こっちも押しかけてしまってすみません」
「そう言っていただけるとありがたいですわ。ささっ、記入をお願いします」
そう言われて、改めて紙を見る。まずは家のタイプだ。
「ここは一軒家と…お風呂はありで、キッチンもあり。他には部屋は3つかな?う~ん、でもなぁ」
「どうしたの?」
「いえ、部屋の数なんですけど、2つぐらいあればいいかなと思ったんですが、アルテラさんたちの部屋もいりますよね?」
「私たちの部屋なら無くていいわよ。別にリビングでも寝られるしね」
「少し確認させていただいてよろしいですか?」
「どうぞ」
私たちが話し合っていると、お姉さんが私が記入した項目を確認したいといってきた。
「なるほど。うちの物件でしたらお風呂付の家は全て3室以上になります」
「そうなんですか?」
「はい。キッチンはともかく、お風呂の導入には何かと費用がかかりますから、希望される時点で金銭的に余裕がある方となりますので、部屋もそれなりにあるんです」
「あっ!じゃあ、この問題は解決ですね!他条件は…う~ん、特にないですかね?」
「では、一度お預かりしますね」
「お願いします」
お姉さんが紙を回収して一度部屋を出ていく。それから、ドンッと音がしそうな大きなファイルを持って来た。
「ぶ、分厚いですね…」
「あっ、ご安心ください。こちらの中からではなく、選んでいただくのはこの中でも一部ですから」
「ほっ」
さすがに電話帳の束みたいな紙から探すのだけは避けたいから助かった。
「では、物件選びになるのですが、治安を考えてこの住居エリアの範囲でよろしいですか?
「そうですね。後は買い物に近いと助かります」
「分かりました。商業エリア近くの住居ですね。では、この辺ですね」
お姉さんがタグ付けされたページをどんどんめくっていく。そこから紹介された物件は3つだった。どれも内装はほとんど違いがなく、1階は水回りで2軒がそこにリビング。1軒は寝室だ。そして、2軒が2階に部屋が3室で、1軒はリビングと部屋が2つになっている。
「どっちの作りの方が好みなんだ?立地的にはどこも変わらないと思うが…」
「そうですね。やっぱりキッチンとリビングが近い方がいいから2軒の内どっちかですね」
これがキッチンだけでも上にあったらそっちを選んだんだけどね。
「間取りもほとんど同じですが、部屋割りが若干違います。1軒目はどちらかというと1部屋が物置に近く、2軒目はどの部屋もそれなりに広いですね」
「う~ん。それなら、お客さんに狭い部屋で寝てもらう訳にはいけませんし、2軒目ですかね?」
「ミツキ様、私は狭い部屋でも構いません。特に荷物も置きませんし」
「そうはいきませんよ!ライラさんが休みの日とか外出とかするのに不便ですよ。お気に入りの服とかたくさん用意したくないですか?」
「それは実家に戻れば…」
「いえ、やっぱり休日の外出は出るところからですよ。2軒目でお願いします!」
私は有無を言わさず、お姉さんにお願いする。別に私の方こそ広い部屋でなくてもいいんだから問題もない。
「では、こちらですね。部屋の確認をされに行きますか?」
「あっ、そうですね。実際の広さを見てから出ないと、色々揃えられませんし」
「では、ご案内いたします」
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