絆の先にー春樹と真弥ー

乾為天女

文字の大きさ
25 / 37

第25章

しおりを挟む
 新しいプロジェクトは順調に進み、チームは着実に成果を上げていた。成応のリーダーシップのもと、真弥と春樹、そして新たなメンバーたちが協力し合い、素晴らしい成果を手に入れようとしている。その一方で、彼らの恋愛関係は少しずつ進展し、心の距離が縮まる中で、メンバー同士の絆がさらに深まっていった。

 成応と紗友美の関係は、今や単なる同僚から深い信頼と愛情を持ったパートナーへと変わっていた。成応は紗友美の素直な心と、彼女が持つ独自の視点に深く感謝しており、紗友美も成応のリーダーとしての強さや、時折見せる優しさに魅かれていた。
 ある日の仕事終わり、成応と紗友美はいつものように帰り道を一緒に歩いていた。プロジェクトの進捗も順調で、二人の間に流れる空気もどこか穏やかで落ち着いていた。
「成応、最近、少しだけ頼りにしてもいいかなって思ってるんだ。」紗友美がふと話を切り出した。
 成応は少し驚いたように顔を向け、彼女を見つめた。「もちろんだよ。君が頼ってくれることは、僕にとって何より嬉しいことだ。」
 紗友美は少し照れくさそうに笑った。「でも、頼りすぎたら迷惑になるんじゃないかって、心配だったんだけど…」
 成応はその言葉に優しく答えた。「君が何か心配しているなら、僕に頼ってほしいと思ってる。君は一人で抱え込む必要はないよ。」
 その言葉に紗友美は心から安心し、少し微笑んで答えた。「ありがとう、成応。これからもっと素直に頼ってみるね。」
 二人はその後、静かな夜空を見上げながら歩き続け、互いに支え合いながら未来を共に歩んでいくことを確信した。

 澄斗と三千穂の関係も、少しずつ変化を遂げていた。澄斗は冷静に物事を考えるタイプだが、三千穂といると自然に心が安らぎ、彼女の存在が心の支えとなっていた。三千穂もまた、澄斗の誠実さや真摯な姿勢に深く惹かれており、次第に彼に対する信頼が強まっていた。
「澄斗、最近、少しずつあなたに頼ることができるようになった気がする。」三千穂は静かに話を切り出した。
 澄斗は少し驚いたように彼女を見つめ、静かに答えた。「本当に?僕が頼りにされることは嬉しいけど、君がいつでも自分でしっかりと物事をこなしているから、頼りすぎてもいけないんじゃないかって思っていたんだ。」
 三千穂は微笑みながら答えた。「でも、澄斗がそばにいると、すごく安心できる。だから、これからもっと頼ってみようかな。」
 澄斗はその言葉に優しく頷き、「僕も、三千穂の力になれるなら、何でもするよ。」と答えた。
 その言葉に三千穂は静かに頷き、二人の間には深い信頼と絆が確かに芽生えていることを感じた。澄斗の存在が、三千穂にとってはもう欠かせないものになっていた。

 りゅすけと純音の関係は、まだ少しぎこちなさが残っていたが、確実に進展していた。りゅすけは、純音の強い意志を尊重しながらも、彼女の心を開かせるために少しずつ努力していた。純音も、最初は警戒心を持っていたが、りゅすけの誠実さと心配性の優しさに触れるうちに、少しずつ自分の気持ちを彼に伝えることができるようになっていた。
 ある日、二人は作業の合間に少しだけ休憩を取ることにした。りゅすけが飲み物を買って戻ってくると、純音が静かに言った。
「りゅすけ、最近、あなたがすごく頼りになる存在だって思うようになった。」
 りゅすけは驚きながらも少し照れくさく笑い、「そんな風に思ってくれてるなんて、嬉しいよ。僕も、君が心配する姿を見て、もっと君を支えたくなったんだ。」
 その言葉に純音は少しだけ顔を赤らめながら答えた。「りゅすけ、私は本当に…怖がりで、頼りすぎることが怖いんだ。でも、あなたがいると、少しずつ頼ってみようって思える。」
 りゅすけはその言葉に優しく頷き、「無理して頼らなくても、君が心から頼んでくれるなら、僕は何でもしてあげたいよ。」と答えた。
 純音はその言葉に心から安心し、少しずつ彼に頼ることの大切さを実感し始めていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

出逢いがしらに恋をして 〜一目惚れした超イケメンが今日から上司になりました〜

泉南佳那
恋愛
高橋ひよりは25歳の会社員。 ある朝、遅刻寸前で乗った会社のエレベーターで見知らぬ男性とふたりになる。 モデルと見まごうほど超美形のその人は、その日、本社から移動してきた ひよりの上司だった。 彼、宮沢ジュリアーノは29歳。日伊ハーフの気鋭のプロジェクト・マネージャー。 彼に一目惚れしたひよりだが、彼には本社重役の娘で会社で一番の美人、鈴木亜矢美の花婿候補との噂が……

結婚する事に決めたから

KONAN
恋愛
私は既婚者です。 新たな職場で出会った彼女と結婚する為に、私がその時どう考え、どう行動したのかを書き記していきます。 まずは、離婚してから行動を起こします。 主な登場人物 東條なお 似ている芸能人 ○原隼人さん 32歳既婚。 中学、高校はテニス部 電気工事の資格と実務経験あり。 車、バイク、船の免許を持っている。 現在、新聞販売店所長代理。 趣味はイカ釣り。 竹田みさき 似ている芸能人 ○野芽衣さん 32歳未婚、シングルマザー 医療事務 息子1人 親分(大島) 似ている芸能人 ○田新太さん 70代 施設の送迎運転手 板金屋(大倉) 似ている芸能人 ○藤大樹さん 23歳 介護助手 理学療法士になる為、勉強中 よっしー課長(吉本) 似ている芸能人 ○倉涼子さん 施設医療事務課長 登山が趣味 o谷事務長 ○重豊さん 施設医療事務事務長 腰痛持ち 池さん 似ている芸能人 ○田あき子さん 居宅部門管理者 看護師 下山さん(ともさん) 似ている芸能人 ○地真央さん 医療事務 息子と娘はテニス選手 t助 似ている芸能人 ○ツオくん(アニメ) 施設医療事務事務長 o谷事務長異動後の事務長 雄一郎 ゆういちろう 似ている芸能人 ○鹿央士さん 弟の同級生 中学テニス部 高校陸上部 大学帰宅部 髪の赤い看護師(川木えみ) 似ている芸能人 ○田來未さん 准看護師 ヤンキー 怖い

叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する

花里 美佐
恋愛
冷淡財閥御曹司VS失業中の華道家 結婚に興味のない財閥御曹司は見合いを断り続けてきた。ある日、祖母の師匠である華道家の孫娘を紹介された。面と向かって彼の失礼な態度を指摘した彼女に興味を抱いた彼は、自分の財閥で花を活ける仕事を紹介する。 愛を知った財閥御曹司は彼女のために冷淡さをかなぐり捨て、甘く変貌していく。

手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】

まぁ
恋愛
ワイン、ホテルの企画業務など大人の仕事、そして大人に切り離せない恋愛と… 「Ninagawa Queen's Hotel」 若きホテル王 蜷川朱鷺  妹     蜷川美鳥 人気美容家 佐井友理奈 「オークワイナリー」 国内ワイナリー最大手創業者一族 柏木龍之介 血縁関係のない兄妹と、その周辺の何角関係…? 華やかな人々が繰り広げる、フィクションです。

雪の日に

藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。 親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。 大学卒業を控えた冬。 私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ―― ※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。

秘められた薫り

La Mistral
恋愛
エブリスタにて、トレンド#恋愛で最高位 55位を獲得した作品です。 「愛しているよ」という夫の言葉が、今の美咲には虚しい空気にしか聞こえない。 欠けていたのは、理性を焼き尽くすような衝動。 ​クライアントの慎吾と交わす視線。ビジネスという仮面の下で共有される、剥き出しの欲望。 指先が触れる。名前を呼ばれる。ただそれだけで、美咲の積み上げてきた「良き妻」としての世界は音を立てて崩れ去る。 ​完璧なアリバイ、塗り固めた嘘。 夫の隣で微笑みながら、心は別の男の指先を求めている。 一度知ってしまった濃厚な「薫り」は、もう彼女を元の場所へは戻してくれない。 ​守るべき家庭と、抗えない本能。 二つの世界の境界線で、美咲が選ぶ「最後の一線」とは――。 欲望の熱に浮かされた女の、美しくも残酷な堕落の記録。

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

フリーランスエンジニアの優しすぎる無償の愛

春咲さゆ
恋愛
26歳OLの木崎茉莉は人生のどん底にいた。上手くいかないことに慣れ、心を凍らせることで自分を守る毎日に絶望した茉莉は、雨の夜に思わず人生の終わりを願ってしまう。そんな茉莉に手を差し伸べたかっこいい彼。茉莉は、なぜか無償の愛のような優しさをくれる不思議な男性に少しずつ救われ、前を向いていく。けれど、疑ってしまうほど親切な彼には、親切であり続ける理由があって……。雨の夜の出会いがもたらした、優しくも切ない物語。

処理中です...