パークラの荷物持ちと魔法使いがパーティーを組んだら

クロタ

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第17話 初めての摂食 2

「…………本当にこの格好じゃなきゃダメか?」
「逆でも良いが、やる事はどうせ同じだぞ」
「……………じゃあ、これで」

ダメ元の抗議はあえなく却下された。
溜息を吐くと否応なくそれが視界に入り、いったん決めた覚悟が挫けそうになる。

その…………………………ロワのアレだ。いわゆる男の象徴、男根だ。
そして俺の下で逆向きに横たわっている彼には、当然俺のアレがぶら下がって見えているだろう。
なんとも情けない格好だ。
何でこんな事態に陥っているかと言うと、全てはロワの『優しさ』から端を発する———


彼との口付けで俺のレベルが上がった——つまり精気を得た事は確実となった。
自分が人外だと言う事実は衝撃的だったけれど、今はレベルの数字以外、自覚出来る変化は無い。

『私がラントを抱いて、精液をその腹に注ぎ込めば、もっとレベルは上がるだろう』
『いやいや!! 逆だろう!? そもそも魅了が女性限定だって事は、俺が抱く側で———』
『今この場には私とお前しかいないが?』
『それは………そうだけど………』
『精気を提供する側の魔力の多さが関係するなら、私は最高の適任者だ』
『まあ、ロワの魔力に関しては同意するが……』
『どのように精気を自らの魔力に変換してるかは謎だが、吸収効率を考えるなら私が与えた方が良いだろう』
『う……うん? そう、なのか? そう言うもんか??』
『そう言うものだ』
『いやっ、でも俺なんかじゃ勃たないだろ!?』
『これを見ても?』
『うっ!』

グイッと腰を抱き寄せられれば、ゆるく反応しているロワのアレと、俺のソレがぶつかった。

『お前もその気になっているじゃないか』

くすりと鼻で笑われ、再び唇を奪われた俺に、もはや逃げる術は残されていなかった———


「おい、何をぼんやりしている」

回想で現実逃避していた俺を、ロワの声が現実に引き戻す。
それどころか、先程からゆるく扱かれていた陰茎を、パクリと彼の口が食んだ。

「ひやぁぁぁぁっっ!!?」
「何だ。その情けない声は」

あまりの衝撃に腰を浮かせたら、ロワの口から俺のアレが外れた。
良かったと思う間も無く、亀頭と彼の唇をどちらの物か知れない体液が繋いでいるの見てしまい、股間に熱が集まる。

「い、いきなり口に入れるヤツがあるか!?」
「私だけだと不公平かと思って、やってやってるんだろう? それともお前だけ、快楽も何もなく問答無用で突っ込まれたいのか?」
「うっ………」
冷ややかな目で凄まれれば反論出来ない。
そもそも俺の人生、こう言う色事とは無縁だったんだ。
慣れてなくたって仕方ないだろう!?

「わ、悪かったなぁ。ロワと違って、俺は性交の経験は皆無なんだよ!」
半ばヤケクソで喚き散らせば「私もだ」と同意された。嘘だろ!?

「私も知識があるだけだ。何しろ人目を引く顔だろう? 望まなくとも、男女問わず寄ってくる。でも私にとって、彼ら彼女らは興味を引く対象ではなかった」
「あ………」
言ってる事は上から目線の皮肉だが、ロワの声はどこか諦観に満ちていた。
「男同士の行為についても、幼い私に頼んでもないのに教えてくれる、ありがた迷惑な輩がいてな」
「まさか、ロワ——」
「そんな顔をするな。手を出される前にそいつの腱を魔法で切ってやった。余分な知識も今こうして役に立っているし、問題はない」
平然と言ってのけるロワにホッとしつつも、俺の知らない彼の過去が少しだけ気になった。
俺達はロワの目的——黒い花の採取さえ終われば解散する、一時的なパーティーだ。

深入りするな———と、心の奥底で声がする。

情を移せばそれだけ離れ難くなるのは、今までいくつものパーティーで、加入と追放を繰り返してきた俺にとって分かり切った事だ。

「私も実践は初めてだが……とりあえず、私の真似をしてみろ」

ちろりと舌先で亀頭の先端を舐められ、思わず腰が引けたが、ヤツの手がそれを許しはしない。

「……………んっ」

観念してロワの陰茎に手を添え、思い切って舌を這わせる。
お互いに身体を洗ったばかりだからか、嫌悪感はさほど感じられなかった。

「んっ……、あっ、そこ、はっ……!」

しかし右手による手淫の経験しかない俺に、いきなりの口淫は刺激が強過ぎた。
真似をしろと言われても、ロワの巧みな愛撫に翻弄されて、口が疎かになる。

「おい、1人でよがってないで、お前も咥えろ」
「わ、分かってる……!」

恐る恐る口を開けて亀頭を咥えれば、独特の匂いが鼻を突く。
俺が拙い口淫をしている間にも、同様に、いやそれ以上の愛撫が俺自身のものに加えられる。

「ふっ、んぅっ! ふぅ、んんっっ!」

初めてだと言う割に、ロワの舌は的確に俺の弱い所を突いてくる。
自然にゆらゆらと腰が動いてしまう。
望んでいない行為なのに、これじゃあもっともっとと彼の愛撫を強請っているようで、居た堪れない。

「ふん、随分良さそうじゃないか」
「そんな、ことっ、ああぅ!」

意地悪く揶揄われても、いったん快楽に溺れた身体は吐き出すまで抑えようがない。
羞恥に顔が熱くなるが、下半身の方はロワの舌に翻弄され、もじもじと身悶えるばかりだ。

それに引き替え、彼の男根は勃ったままで変化は無い。
負けじとロワのやり方を真似て、ズポズポ口内で抜き差ししてみるが、まだ吐精する兆しが無い。

「そんなんじゃ、いつまで経っても終わらないぞ」
「え?」
「こう——やるんだ」
「あっ———!!?」

今までの行為が児戯に思える程の激しさで、俺の肉茎を彼の指と口に責め立てられた。
ジュポジュポとロワの形の良い唇から出入りする男根も、眩暈がするほど扇情的で、俺は呆気なく果ててしまった。

「———っは!! はぁ、ハ、はぁ………ふっ……」
「お前が先にへばってどうする。仕方のないヤツだな」

射精の余韻でぐったりと弛緩した俺の下から這い出して、ロワが位置を変える。
頬を両手で持ち上げられたかと思うと、有無を言わさず唇に彼の怒張をねじ込まれた。

「んぐっ!!? んぅっ!!」
「少し苦しいかもしれないが、死なないから我慢しろ。ラントだって、こんな事は早く終わらせたいだろ?」

彼にしては優しい声音だが、やっている事は極めて嗜虐的だ。
グポグポと、喉の奥まで突き入れられ、犯される。

「んっ、んんっ、ふぐっ、んーっ!!!」

圧倒的な体積で喉を塞がれ、生理的な涙が溢れる。
じゅぶじゅぶと口の端から垂れる体液は、俺のものか彼のものか、もはや分からなくなっていた。

「………っふ、出すぞ、全部、飲み込め!」
「んんんっっー!!」
抽送がいっそう速くなる。
ぶるりとロワの身体が震えたかと思うと、どくどくと喉奥に粘り気のある液体を流し込まれた。
飲み込みたくないのに、身体の方が勝手に彼の精液を嚥下する。
全部飲み込んだのを確認して、ようやく凶器のような肉棒が俺の口からずるりと引き出された。

「………ゲホッ! ゲホッ! はっ、はぁっ、う………っ」
「何だ。お前が悦んでいるなら、私は咥えなくても良かったな」
「どこがだよ!? こんな苦しい真似もう二度と」
「では何故興奮している」
「っ!!?」

いつの間にか背後に回ったロワの右手が、俺の勃ち上がったそれを、やんわりと掴んだ。

「何で………?」

俺自身訳が分からない。
口内を犯されると言う、苦しくて屈辱的な行為に快楽を見出す訳がない。
その筈なのに、彼の手の中にある男根はビクビクと張り詰めていた。

「まあ、良い。これはちゃんと言う事を聞いたご褒美だ」
「え? ———あっ!?」

ロワが何を思ったか、俺のブツを扱き出す。
いや。意図する事なんて明らかだが、口淫が終わった今、改めて俺に触れるヤツの気が知れない。

「あっ! はぁっ、んぁ、はなっ、はなせって!! ああっ!」
「苦いものを口にした後の飴玉代わりだ。大人しく快楽を甘受しておけ」
偉そうにそう言うと、ロワの手は陰茎を扱くだけに止まらず、もう片方の手が前に回り、あろう事か胸を弄り始めた。
強烈な快楽ではないけれど、戯れのようにクニクニと弄ばれる乳首からはもどかしい刺激が下半身に伝わり、俺は腰を無意識に揺らめかせた。

「胸も感じるようなら、次はここを舐めてやろうか」
「次ってっ!? また、こんな事やるのか!!?」
「当然だろう」

乳首を執拗に弄っていた指が不意に離れる。
あともう少しでいきそうになっていたせいで、その僅かな刺激の喪失すら、物足りなくなってしまった。
胸から離れた左手は俺の尻の奥、本来は排泄する為の穴の縁を優しくなぞる。
それとは裏腹に、俺のアレを扱く右手はより速く上下し、射精を促す。

「なっ!? 何で、そんなとこ触って——」
「次はこの奥に注いでやる。私の……をな!」

ロワの右手が鈴口を思い切り爪で擦り、左手の中指が穴に突き立てられる。

「ひっ———っっ!!」

もう我慢出来なかった。
一度目より勢いをなくした静液を放ち、俺はくたりと彼にもたれ掛かった。

「はっ、はぁ、ふっ、ん………」

ぜいぜいと上下する胸を、ロワの手が再び弄る。
いや、彼の目的は乳首などではなく、俺が首から下げている冒険者カードだった。
本人の断り無くカードを掌で弄び、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
その様は、まるで悪事が成功した悪役のようだ。

「ほら、ラントも見てみろ。私の予想通りだ」
「え……何……?」

俺の目の前に、ひらりとカードを翳す。

「は」

目に入った数字は、口付けでレベルが上がった以上の衝撃があった。

「レベル……『27』!!?」
「そうだ。今ので15も上がったな」
「嘘……だろ?」

ロワの手からカードを取り返し、いくらひっくり返してみても『レベル27』の表記は消える事なく燦然と輝いている。
『12』に上がった時もそうだが、『レベル10』から倍以上も上がった事実がにわかには信じられない。

「何だ。てっきり大喜びすると思ったのに、案外冷静な反応だな」
俺を背後から抱きかかえるような体勢で、ロワがつまらなそうに言う。
「実感が無さ過ぎる………だって、ついさっきまで『レベル10』だったんだぞ? それが倍って……普通あり得ないだろ」
「そうだな。しかしこのカードの発案者はもちろん冒険者だが、実際に作ったのは魔法使い達だ。当然魔力に関する比重が大きい。魔力の無い者を冷遇した結果だろう」

彼の言う事は分かる。
魔力が強ければ、それだけ攻撃力でも守備力でも己の地力に上乗せ出来る。
俺には今までその恩恵が全く無かったのだ。

意味も無く掌をグーパーしている俺の肩に、ロワが顎を乗せる。
そう言えばお互い全裸で、今まで言い逃れしようのない淫らな行為に耽った後だった。
今更ながら、自分がした事に羞恥心が湧いてくる。
一刻も早くロワと距離を取りたいが、彼は俺とは真逆で距離を詰めて来る質のようだ。
俺が拘束を解こうと焦ってジタバタしているのとは反対に、ロワは心底楽しそうに笑顔でこう言った。

「実感が湧かないのなら仕方がない。習うより慣れよだ。さあ、第50階層に降りるぞ、ラント!」

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