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終章:白き時を越えて
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目を開くと、そこは一面の花畑だった。
私が指定したとおりのポイントだ。
成功、したんだ……!
「おはよう、華菜ちゃん!」
「……華菜!!」
みんなが駆け寄ってくる。
「…………」
でも、最初から一番近くにいたのはこの人。
何も言わないけれど、
多分ずっと傍にいてくれたんだろうな。
「ごっめん華菜!! 私、また自分中心だった!」
真っ先に謝る綾。
いいよ、成功したんだから。
終わりよければ全てよし、って言うじゃない。
きっと……きっと、
違う綾に足りなかったのは、空山さんなんだね。
だからあんなことに、なったんだろうね。
「気にしてないよ」
私は微笑む。
「ここは、どこなのだ?」
「そうそう、俺も気になってた」
「えへへ、すっごい過去の無人島」
私は少し照れながら言った。
「えぇっ!?」
みんな驚く。
「皆さんずっと海底暮らしだったなら、
空も、風も、大地も知らないんじゃないかなと思って」
「い、いや……そうじゃなくて」
「なぜ過去なのか、ですか?」
「う、うん」
「パラレルワールドは無限のように
増え続けているものなんでしょう?
だったら、
大きな時間軸がひとつ増えても、
たいした問題ではないとは思いませんか?」
「ははーん。つまり、自分たちが
最初の人になるわけか~」
空山さんがにやにやしている。
「そうなりたかったら、頑張ってくださいね。
私は、そんなつもりないですけど」
「へ?」
「ただ、のんびり出来そうな場所に
皆さんを連れてきたかっただけなんです。
この世界にも他の島には人がいるし
もしかしたら私たちも見つかっちゃうかもしれません。
でも、今は無人です。
だから……すごくのんびりできるでしょう?」
「長い休みかー! えらく懐かしい響きだわ~!」
千春さんが、思い切り伸びをしている。
「空気って、こんなに澄んでるものだったんだね」
「いえ、私たちの世界でも
空気は結構汚れてましたけど」
綾と千秋さんが、仲良さそうに話をしてる。
「やはり貴女も、空が好きだったのだな」
柊さんが呟いた。
「……え?」
「あの日、屋上でも空を見ていた。
違う貴女も、よく、空を見ていた。
気がついたら俺も……
空を眺めるようになっていた」
「あ、あぁ……」
言っちゃおうかな。
この際だし。
「柊さん」
「……なんだ?」
「私、別に空が好きな訳じゃないんです。
ただ、上を見てると、下を見なくて済むから……
だからあの日はたまたま、空を眺めていたんです」
「……は?」
「あの屋上、通学路が見えちゃうから」
「…………」
「違う私が、なんで空ばかり見てたのかは、
わかりません。
でも……やっぱり、逃げてたんじゃないかな。
上を見れば、下の現実から逃げることができるから」
柊さんは、黙って私の話を聞いている。
「でもそれじゃ、駄目なんです。
上ばっかり見てると、つまづいちゃう。
上を見ていられるのは……
呑気に空を見ていられるのは、
立ち止まってる時だけなんですよ」
「…………」
「だから、私は今は空は見ません。
貴方を見ます」
「……は?」
そこで、柊さんは一瞬、動きを止める。
「だって、空なんか見てたら……
貴方には一生、こっちを向いて
もらえないだろうから」
「初恋じゃなくていいです。
引きずっていてもいいです。
私を、二番目の恋人にしてください」
「い、いや……俺は
前の貴女と付き合ってはいない……いや!
それ以前に、貴女はなぜそれを……」
「薄れゆく意識の中で、聞こえました。
柊さんの声が」
「…………!」
「……いや、待て。
だが貴女は元の世界に戻る予定だったはず……」
「まだそんなこと言ってるんですか?
そんな気、途中から無くしていたに
決まっているでしょう?
確かに……失うものはとっても多いけど……
それでも、私は皆さんと一緒に
生きていきたいって、そう思ったんです」
「…………」
「柊さん。私と一緒に、生きてくれますよね?」
私がそう尋ねると、柊さんは
優しい笑みを浮かべた。
もちろん、私の方を見て。
私はこれから、自分の選んだ世界で生きていく。
この人と、一緒に――。
「……やはり、空を見ないか?」
「柊さぁん?」
「こんなに美しい空を俺にくれたのは、貴女だ。
他の誰でもない、貴女だ」
「……え?」
「だから。
だから共に空を見ないか。
ここにある空は、これから俺達が見る空は、
貴女がくれた新しい現実だ。
俺達が共に作っていく未来だ……」
「…………。
空、綺麗ですね。……とても」
「……あぁ」
私が指定したとおりのポイントだ。
成功、したんだ……!
「おはよう、華菜ちゃん!」
「……華菜!!」
みんなが駆け寄ってくる。
「…………」
でも、最初から一番近くにいたのはこの人。
何も言わないけれど、
多分ずっと傍にいてくれたんだろうな。
「ごっめん華菜!! 私、また自分中心だった!」
真っ先に謝る綾。
いいよ、成功したんだから。
終わりよければ全てよし、って言うじゃない。
きっと……きっと、
違う綾に足りなかったのは、空山さんなんだね。
だからあんなことに、なったんだろうね。
「気にしてないよ」
私は微笑む。
「ここは、どこなのだ?」
「そうそう、俺も気になってた」
「えへへ、すっごい過去の無人島」
私は少し照れながら言った。
「えぇっ!?」
みんな驚く。
「皆さんずっと海底暮らしだったなら、
空も、風も、大地も知らないんじゃないかなと思って」
「い、いや……そうじゃなくて」
「なぜ過去なのか、ですか?」
「う、うん」
「パラレルワールドは無限のように
増え続けているものなんでしょう?
だったら、
大きな時間軸がひとつ増えても、
たいした問題ではないとは思いませんか?」
「ははーん。つまり、自分たちが
最初の人になるわけか~」
空山さんがにやにやしている。
「そうなりたかったら、頑張ってくださいね。
私は、そんなつもりないですけど」
「へ?」
「ただ、のんびり出来そうな場所に
皆さんを連れてきたかっただけなんです。
この世界にも他の島には人がいるし
もしかしたら私たちも見つかっちゃうかもしれません。
でも、今は無人です。
だから……すごくのんびりできるでしょう?」
「長い休みかー! えらく懐かしい響きだわ~!」
千春さんが、思い切り伸びをしている。
「空気って、こんなに澄んでるものだったんだね」
「いえ、私たちの世界でも
空気は結構汚れてましたけど」
綾と千秋さんが、仲良さそうに話をしてる。
「やはり貴女も、空が好きだったのだな」
柊さんが呟いた。
「……え?」
「あの日、屋上でも空を見ていた。
違う貴女も、よく、空を見ていた。
気がついたら俺も……
空を眺めるようになっていた」
「あ、あぁ……」
言っちゃおうかな。
この際だし。
「柊さん」
「……なんだ?」
「私、別に空が好きな訳じゃないんです。
ただ、上を見てると、下を見なくて済むから……
だからあの日はたまたま、空を眺めていたんです」
「……は?」
「あの屋上、通学路が見えちゃうから」
「…………」
「違う私が、なんで空ばかり見てたのかは、
わかりません。
でも……やっぱり、逃げてたんじゃないかな。
上を見れば、下の現実から逃げることができるから」
柊さんは、黙って私の話を聞いている。
「でもそれじゃ、駄目なんです。
上ばっかり見てると、つまづいちゃう。
上を見ていられるのは……
呑気に空を見ていられるのは、
立ち止まってる時だけなんですよ」
「…………」
「だから、私は今は空は見ません。
貴方を見ます」
「……は?」
そこで、柊さんは一瞬、動きを止める。
「だって、空なんか見てたら……
貴方には一生、こっちを向いて
もらえないだろうから」
「初恋じゃなくていいです。
引きずっていてもいいです。
私を、二番目の恋人にしてください」
「い、いや……俺は
前の貴女と付き合ってはいない……いや!
それ以前に、貴女はなぜそれを……」
「薄れゆく意識の中で、聞こえました。
柊さんの声が」
「…………!」
「……いや、待て。
だが貴女は元の世界に戻る予定だったはず……」
「まだそんなこと言ってるんですか?
そんな気、途中から無くしていたに
決まっているでしょう?
確かに……失うものはとっても多いけど……
それでも、私は皆さんと一緒に
生きていきたいって、そう思ったんです」
「…………」
「柊さん。私と一緒に、生きてくれますよね?」
私がそう尋ねると、柊さんは
優しい笑みを浮かべた。
もちろん、私の方を見て。
私はこれから、自分の選んだ世界で生きていく。
この人と、一緒に――。
「……やはり、空を見ないか?」
「柊さぁん?」
「こんなに美しい空を俺にくれたのは、貴女だ。
他の誰でもない、貴女だ」
「……え?」
「だから。
だから共に空を見ないか。
ここにある空は、これから俺達が見る空は、
貴女がくれた新しい現実だ。
俺達が共に作っていく未来だ……」
「…………。
空、綺麗ですね。……とても」
「……あぁ」
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