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外伝(連載初期に「読んでも読まなくてもいい」扱いでサイトの片隅に置いていた)
3ー7
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シヴァは息を整えるためその場に座っていた。はやく雪を掘り起こしたい。
・・・焼刃、時雨、波人、ローザ・・・戦闘可能な七大神はもう半分も残っていない。
・・・・・自分も奴とまともに渡り合える可能性はきわめて低い・・・。
と、なるとあとは聖夜と風真だけということになる。
「・・・・・最悪だな。」
シヴァはマントを広げて、自分に積もりかけた雪を払う。
「・・・・どうしたんだ?」
「!?」
知っている声がシヴァに聞く。シヴァは振り向いた。
「・・・・焼刃!?」
「お待たせ。」
焼刃はボールを回しながら言った。
「・・・なんで来てんだよ?」
「みんな命懸けて闘ってると思ったから。・・・ひとりだけ寝てるなんてなんかズルいじゃん。」
「どいつもこいつも・・・・・バカばっかりだな・・・。」
シヴァの呟いた。焼刃には聞こえなかったようだ。
「・・・・ところで・・・。」
「?」
せっかく焼刃が来たのだ、一番最初に頼みたいことがある・・・・・。
「この雪に波人とローザが埋まってるらしいんだが・・・。」
「・・・・・・わかった。」
雪の中に人がいるというのを聞けば、自分のやるべき事は自ずとわかる。
焼刃はボールを右手で構えて、雪の中に軽く放り込んだ。
「烈火!」
ボールの付近から炎が発生し、あっという間に雪を溶かす。
さすが炎だ。雪が無くなるとふたりの目には波人とローザの姿が飛び込んできた。
「あ!」
波人がローザを抱え・・・水のシールドを張っているのを見たとき、シヴァは聖夜のセリフを思い出した。
「・・・・・助かったみたいや。」
波人はシールドを解いた。
「大丈夫?」
焼刃はしゃがんで聞く。
「・・・・わしはええけどな・・・ローザがヤバいわな・・・。」
「・・・何?」
話によるとローザは一度雪に飲まれたらしい。
波人は地道に雪を溶かしながら彼女を捜し・・・・本当によく見つけだせたものだ。
「・・・体温さがってるね。」
焼刃がローザの頬に手を触れ言った。
「はよ連れて行かんと・・・。」
慌てる波人に、シヴァはひとこと。
「神域に逃げろ・・・俺の魔法陣が近い。」
「・・・・・じゃあ・・・お言葉に甘えて・・・・。」
波人はローザを抱いたまま去ろうとした。時間が無いのだ。
「待ちなさい。」
誰かが言った。もちろんシヴァでも焼刃でもない。
「・・・・なんや・・・?」
聞き覚えのある声だった。できればもう聞きたくなかった嫌な声。
「・・・どうせ皆死ぬんです。ここで死んだ方が楽でしょう?」
・ ・・・・魔王・・・イーヴル・・・。
「どういう訳だ?お前はさっき聖夜と・・・・。」
シヴァが言いかけるとイーヴルは腕を組み余裕でこう返した。
「・・・・僕の分身がひとりだけだと思っていたのですか?」
「!!」
「なめないでくださいね。僕は"魔王"です。」
「・・・・・ちぃっ!」
シヴァは剣を出し大きく振った。イーヴルが少し後ろに下がった瞬間叫ぶ。
「行け波人!」
「え・・・んな・・・。」
「いいからっ!!」
魔王が寄ってくるとシヴァはまた剣を振る。
「早く!」
「わかった!」
波人は後ろを気にしつつ、その場を去った。
神域。窓の外の霧は段々黒くなっていく。夜が近いのだろうか・・・。
焼刃が去ったあとふたりはしばらく何も話さなかった。
扉の向こうで足音が通り過ぎて行った気もしたが、何も思わなかった。
「・・・・・・うい・・・。」
先に声を出したのはすばるだった。
「何?」
「・・・・あの人・・・・死んじゃう・・・・・。」
光の無いすばるの瞳が、どこか悲しそうに見える。
「何言ってるの!?」
「・・・死んじゃうよ・・?・・・・わたしにはわかった・・・。」
焼刃は・・・"帰ってくる"とは言っていたが確かに死ぬ気かも知れない。
「なんでそんなこと思うの・・・・。」
「・・・・わたし・・・あの人知ってる・・・・。」
「え?」
さっき、"誰?"と聞いていたのに・・・。
「でも誰かわからない・・・・ただ、なつかしかった・・・それだけ・・・。」
「すばる・・・。」
少しずつだが、すばるは正気に戻ろうとしている・・・そんな気がした。
「・・・・ほら・・・憶えてない・・・?
いつも貴女の傍に居た人・・・・毎日のように貴女を抱いてた貴女の最愛の夫・・・・。」
そう言って初衣は焼刃のリストバンドを見せる。
・・・・・これを置いていったということは、やはり焼刃はもう帰って来ないのだろうか・・・・?
「・・・・・知ってる・・・それ知ってる・・・。」
すばるはリストバンドを見て繰り返す。しかし同時に怯えている・・・・。
「・・・・・怖いの・・?」
「・・・いい・・・貸して・・・。」
すばる・・・先程までのただ怯えるだけの彼女とは違う。
・・・いつもの・・・気丈なすばるに戻りつつある・・・。
彼の持ち物を手にした瞬間、すばるはその場にペタンと座り込んだ。
「・・・・・いば・・・・。」
「・・・・・・!」
・ ・・・・すばるの口から、彼の名が・・・・。
「・・・・・やいば・・・・・。」
すばるはうつむいて、かくかくと震えている・・・・。
絨毯が濡れる・・・雫が・・・彼女の頬を伝い落ちていく・・・。
「すばる・・・・大丈夫?」
初衣はゆっくりすばるに近寄る。
「・・・・・初衣!」
すばるは突然顔を上げた。初衣は少し驚いた。
「・・・な・・・何?」
「ここどこ?焼刃はどうしたの?」
「・・・・すばる!」
戻った・・・・。初衣はすばるに抱きついた。
「・・・・なによ・・・?」
「・・・あはは・・・ごめん。焼刃くんのことだったよね?」
すばるは何も憶えてないらしい。
「そうよ・・・・焼刃・・・私庇って魔王に肩やられて・・・・。
やめてって言ったのに反撃して・・・・それで・・・。」
"それで"の続きは出てこなかった。理由は恐らく・・・・。
「・・・いいよ。思い出したくないんでしょ?」
・・・焼刃、時雨、波人、ローザ・・・戦闘可能な七大神はもう半分も残っていない。
・・・・・自分も奴とまともに渡り合える可能性はきわめて低い・・・。
と、なるとあとは聖夜と風真だけということになる。
「・・・・・最悪だな。」
シヴァはマントを広げて、自分に積もりかけた雪を払う。
「・・・・どうしたんだ?」
「!?」
知っている声がシヴァに聞く。シヴァは振り向いた。
「・・・・焼刃!?」
「お待たせ。」
焼刃はボールを回しながら言った。
「・・・なんで来てんだよ?」
「みんな命懸けて闘ってると思ったから。・・・ひとりだけ寝てるなんてなんかズルいじゃん。」
「どいつもこいつも・・・・・バカばっかりだな・・・。」
シヴァの呟いた。焼刃には聞こえなかったようだ。
「・・・・ところで・・・。」
「?」
せっかく焼刃が来たのだ、一番最初に頼みたいことがある・・・・・。
「この雪に波人とローザが埋まってるらしいんだが・・・。」
「・・・・・・わかった。」
雪の中に人がいるというのを聞けば、自分のやるべき事は自ずとわかる。
焼刃はボールを右手で構えて、雪の中に軽く放り込んだ。
「烈火!」
ボールの付近から炎が発生し、あっという間に雪を溶かす。
さすが炎だ。雪が無くなるとふたりの目には波人とローザの姿が飛び込んできた。
「あ!」
波人がローザを抱え・・・水のシールドを張っているのを見たとき、シヴァは聖夜のセリフを思い出した。
「・・・・・助かったみたいや。」
波人はシールドを解いた。
「大丈夫?」
焼刃はしゃがんで聞く。
「・・・・わしはええけどな・・・ローザがヤバいわな・・・。」
「・・・何?」
話によるとローザは一度雪に飲まれたらしい。
波人は地道に雪を溶かしながら彼女を捜し・・・・本当によく見つけだせたものだ。
「・・・体温さがってるね。」
焼刃がローザの頬に手を触れ言った。
「はよ連れて行かんと・・・。」
慌てる波人に、シヴァはひとこと。
「神域に逃げろ・・・俺の魔法陣が近い。」
「・・・・・じゃあ・・・お言葉に甘えて・・・・。」
波人はローザを抱いたまま去ろうとした。時間が無いのだ。
「待ちなさい。」
誰かが言った。もちろんシヴァでも焼刃でもない。
「・・・・なんや・・・?」
聞き覚えのある声だった。できればもう聞きたくなかった嫌な声。
「・・・どうせ皆死ぬんです。ここで死んだ方が楽でしょう?」
・ ・・・・魔王・・・イーヴル・・・。
「どういう訳だ?お前はさっき聖夜と・・・・。」
シヴァが言いかけるとイーヴルは腕を組み余裕でこう返した。
「・・・・僕の分身がひとりだけだと思っていたのですか?」
「!!」
「なめないでくださいね。僕は"魔王"です。」
「・・・・・ちぃっ!」
シヴァは剣を出し大きく振った。イーヴルが少し後ろに下がった瞬間叫ぶ。
「行け波人!」
「え・・・んな・・・。」
「いいからっ!!」
魔王が寄ってくるとシヴァはまた剣を振る。
「早く!」
「わかった!」
波人は後ろを気にしつつ、その場を去った。
神域。窓の外の霧は段々黒くなっていく。夜が近いのだろうか・・・。
焼刃が去ったあとふたりはしばらく何も話さなかった。
扉の向こうで足音が通り過ぎて行った気もしたが、何も思わなかった。
「・・・・・・うい・・・。」
先に声を出したのはすばるだった。
「何?」
「・・・・あの人・・・・死んじゃう・・・・・。」
光の無いすばるの瞳が、どこか悲しそうに見える。
「何言ってるの!?」
「・・・死んじゃうよ・・?・・・・わたしにはわかった・・・。」
焼刃は・・・"帰ってくる"とは言っていたが確かに死ぬ気かも知れない。
「なんでそんなこと思うの・・・・。」
「・・・・わたし・・・あの人知ってる・・・・。」
「え?」
さっき、"誰?"と聞いていたのに・・・。
「でも誰かわからない・・・・ただ、なつかしかった・・・それだけ・・・。」
「すばる・・・。」
少しずつだが、すばるは正気に戻ろうとしている・・・そんな気がした。
「・・・・ほら・・・憶えてない・・・?
いつも貴女の傍に居た人・・・・毎日のように貴女を抱いてた貴女の最愛の夫・・・・。」
そう言って初衣は焼刃のリストバンドを見せる。
・・・・・これを置いていったということは、やはり焼刃はもう帰って来ないのだろうか・・・・?
「・・・・・知ってる・・・それ知ってる・・・。」
すばるはリストバンドを見て繰り返す。しかし同時に怯えている・・・・。
「・・・・・怖いの・・?」
「・・・いい・・・貸して・・・。」
すばる・・・先程までのただ怯えるだけの彼女とは違う。
・・・いつもの・・・気丈なすばるに戻りつつある・・・。
彼の持ち物を手にした瞬間、すばるはその場にペタンと座り込んだ。
「・・・・・いば・・・・。」
「・・・・・・!」
・ ・・・・すばるの口から、彼の名が・・・・。
「・・・・・やいば・・・・・。」
すばるはうつむいて、かくかくと震えている・・・・。
絨毯が濡れる・・・雫が・・・彼女の頬を伝い落ちていく・・・。
「すばる・・・・大丈夫?」
初衣はゆっくりすばるに近寄る。
「・・・・・初衣!」
すばるは突然顔を上げた。初衣は少し驚いた。
「・・・な・・・何?」
「ここどこ?焼刃はどうしたの?」
「・・・・すばる!」
戻った・・・・。初衣はすばるに抱きついた。
「・・・・なによ・・・?」
「・・・あはは・・・ごめん。焼刃くんのことだったよね?」
すばるは何も憶えてないらしい。
「そうよ・・・・焼刃・・・私庇って魔王に肩やられて・・・・。
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"それで"の続きは出てこなかった。理由は恐らく・・・・。
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