【完結済】高校時代に書いたファンタジー小説を原文ママで投稿してみる

蒼(あお)

文字の大きさ
174 / 177
外伝(連載初期に「読んでも読まなくてもいい」扱いでサイトの片隅に置いていた)

3ー10

しおりを挟む
・・・・・・・ああ・・・・気分悪いな・・・。

何故だろう?神界の為に闘って死ねるなら、本望なのではないのだろうか?
私は命を懸けて神界を護ろうとしただろう?なら何故スッキリしない?何故だ?

・・・・・・・私は本当に、神界の為に闘ったか?
心まで神界の為に尽くすことが出来ていただろうか?・・・・・違う気がする。
確かに私は神界のことを第一に考えていたかも知れない。
しかし・・・・本当に大切だと思っていたのは・・・・本気で心
を捧げることができたのは・・・・神界ではない。
神界は・・・・私が生きるための舞台だ・・・。
大切な人がいる。ひとりではない。たくさんいる。
大切な人が安心して暮らせる世界が良かった。
その者達が安心して暮らせる世界は、誰もが平和に笑って暮らせる神界だった。
だから護った。護り続けてきた。
私はただ、大切な者達が幸せになってくれればそれで良かった・・・・・・。

・ ・・・・私がここで死んだら・・・皆死ぬのだろうか?
たとえ誰かが助かったとしても・・・・神界が平和になる保証はない。
・・・・神界が崩壊するかも知れない。
私には七大神の中で一番強い"ものを維持する力"が与えられている。
死ぬわけにはいかない。神界を崩壊させるわけにはいかない。ここは私の舞台だ。

・ ・・・・・それに・・・・。

私がいなくなったら・・・・悲しむ者もいるだろう・・・・。
少なくとも・・・・彼らは悲しむだろう・・・・。私はそう信じている。
お互いがお互いを信じて、ここまでやってきたのだ・・・。

死ぬわけにはいかない。・・・・・・なのに、身体は動かない。
どんなにあがいても、ぴくりとも動いてくれない。

・ ・・・・・・ああ・・・・気分悪いな・・・。

「・・・・・すまない・・・・・・。」
誰にも聞こえないような弱々しい声で、彼は言った。

「さて・・・どうします?」
イーヴルはにやにやしながら羅唯に言った。
「・・・・・問題ない。」
問題ないことは無いが、まぁ大丈夫だろう。
そんなことより、そういうせこいことを思いつくイーヴルの脳味噌に腹が立つ。
桜に呪詛を和らげてもらった羅唯は、全盛期の能力を取り戻していた。
だから魔王の"分身"など簡単に倒すことが出来る。
「問題ない・・・ですか。」
「七大神の魂がそんなにヤワだったら、この神界はとっくに崩壊しているさ。」
多少強引に奴を壊しても、魂は傷つかないだろう・・・・多分。
「じゃあ、どうぞ壊してくださいな。」
イーヴルは懐から7輪目の彼岸花を出し、今までのものの上に落ちるように投げた。
「・・・・・。」
「これが誰なのかはわかりますよね?」
「貴様・・・・。」
「・・・・たとえ時雨を救えても、もう手遅れかもしれませんね。」
「・・・・・ち・・・。」

・ ・・・・・・月明かりに照らされた、寂しい彼岸花。雪に散った、紅い花・・・・・。


今晩は満月だろうか?
丸い月が、雪に倒れていった者達の冷たい肌を照らす。
焼刃、時雨、ローザ、波人、シヴァ、風真・・・・・そして聖夜。閉じられた瞼。
その中には、空の黒よりも暗い暗黒が広がっているのだろうか。

シルヴァーは、まだ聖夜の前にいた。
彼は・・・・聖夜はまだ生きていた。彼だけではない。他の七大神達も。
彼らには光があったから。どんなに消えかかっても、
彼らにはまだ光が残っていたから。身体が動くなら、闘うだろう。

神界は・・・・平和な神界は・・・・・七大神の誇りだ。

誰にも奪わせやしない。誰にも壊させやしない。そんなこと、プライドが許さない。

シルヴァーは聖夜に手を伸ばす。・・・・・・・・・最期か・・・・・・?
そのとき奴の後ろで何かが光った。奴は振り向く。そこには影神・・・・・・在人がいた。
「・・・・・・・・!?」
在人は大きな剣を出す。
「三大神・影神兼戦闘係の在人だ。・・・・・久しいなシルヴァー。」
「・・・・・・・・。」
シルヴァーは初めて焦りを見せた。
「なぜ俺が今まで出てこなかったかわかるか?
わからないだろうな、闘うことにしか興味のないお前には。」
「!」
シルヴァーは少し怒った顔になる。
「七大神の面目もあるしな。聖夜が本当に限界いくまでは待っといてやったんだ。」
在人は不敵に笑う。シルヴァーは戦闘態勢に入った。
「・・・変わらないなシルヴァー。焦るとまた負けるぞ?」
・・・・・在人は奴に向かって走っていった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

無能烙印押された貧乏準男爵家三男は、『握手スキル』で成り上がる!~外れスキル?握手スキルこそ、最強のスキルなんです!

飼猫タマ
ファンタジー
貧乏準男爵家の三男トト・カスタネット(妾の子)は、13歳の誕生日に貴族では有り得ない『握手』スキルという、握手すると人の名前が解るだけの、全く使えないスキルを女神様から授かる。 貴族は、攻撃的なスキルを授かるものという頭が固い厳格な父親からは、それ以来、実の息子とは扱われず、自分の本当の母親ではない本妻からは、嫌がらせの井戸掘りばかりさせられる毎日。 だが、しかし、『握手』スキルには、有り得ない秘密があったのだ。 なんと、ただ、人と握手するだけで、付随スキルが無限にゲットできちゃう。 その付随スキルにより、今までトト・カスタネットの事を、無能と見下してた奴らを無意識下にザマーしまくる痛快物語。

【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ
ファンタジー
10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~ 大筋は変わっていませんが、内容を見直したバージョンを追加でアップしています。単なる自己満足の書き直しですのでオリジナルを読んでいる人は見直さなくてもよいかと思います。主な変更点は以下の通りです。 話数を半分以下に統合。このため1話辺りの文字数が倍増しています。 説明口調から対話形式を増加。 伏線を考えていたが使用しなかった内容について削除。(龍、人種など) 別視点内容の追加。 剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。 高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。 特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長し、なんとか生き抜いた。 冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、ともに生き抜き、そして別れることとなった。 2021/06/27 無事に完結しました。 2021/09/10 後日談の追加を開始 2022/02/18 後日談完結しました。 2025/03/23 自己満足の改訂版をアップしました。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

転生の水神様ーー使える魔法は水属性のみだが最強ですーー

芍薬甘草湯
ファンタジー
水道局職員が異世界に転生、水神様の加護を受けて活躍する異世界転生テンプレ的なストーリーです。    42歳のパッとしない水道局職員が死亡したのち水神様から加護を約束される。   下級貴族の三男ネロ=ヴァッサーに転生し12歳の祝福の儀で水神様に再会する。  約束通り祝福をもらったが使えるのは水属性魔法のみ。  それでもネロは水魔法を工夫しながら活躍していく。  一話当たりは短いです。  通勤通学の合間などにどうぞ。  あまり深く考えずに、気楽に読んでいただければ幸いです。 完結しました。

外れギフト魔石抜き取りの奇跡!〜スライムからの黄金ルート!婚約破棄されましたのでもうお貴族様は嫌です〜

KeyBow
ファンタジー
 この世界では、数千年前に突如現れた魔物が人々の生活に脅威をもたらしている。中世を舞台にした典型的なファンタジー世界で、冒険者たちは剣と魔法を駆使してこれらの魔物と戦い、生計を立てている。  人々は15歳の誕生日に神々から加護を授かり、特別なギフトを受け取る。しかし、主人公ロイは【魔石操作】という、死んだ魔物から魔石を抜き取るという外れギフトを授かる。このギフトのために、彼は婚約者に見放され、父親に家を追放される。  運命に翻弄されながらも、ロイは冒険者ギルドの解体所部門で働き始める。そこで彼は、生きている魔物から魔石を抜き取る能力を発見し、これまでの外れギフトが実は隠された力を秘めていたことを知る。  ロイはこの新たな力を使い、自分の運命を切り開くことができるのか?外れギフトを当りギフトに変え、チートスキルを手に入れた彼の物語が始まる。

異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜

mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】 異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。 『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。 しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。 そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

処理中です...