【完結済】高校時代に書いたファンタジー小説を原文ママで投稿してみる

蒼(あお)

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本編(最終章『神界防衛』後編・ニ班編~最終決戦)

第百十四話 裏切り者

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「レンディ。いるか?」

「はい、ここに。」

黄緑の髪に金目の女性は、スッキリした口調で答える。

七大神に見せる態度とは対極だ。

「お前は・・・七大神を引き付ける役をやって欲しい。

これは、先程フィーラルにも頼んだのだが。」

「あのコと一緒に闘うって事でしょうか?」

カーティスはレンディに近づく。

「いや、違う。お前は全く別の場所に現れて、七大神の戦力を嫌でも分散させるんだ。

さすがにフィーラルひとりでは辛いだろうからね。」

「・・・・・・・・・!」

「我の作り物が神界に現れただけで、どこかの都市を壊される可能性が出てくる。

だから別々の場所に現れられると、相手は少し困ってしまうのだ。

殺す必要はない。一日だけ、引き付けていてくれ。」

レンディは、自信のなさそうな顔をした。

「どうした、レンディ。」

「・・・その・・・霜月 聖を一日も引き付けているのは・・・。」

「無理じゃないだろう?」

レンディは手を震わせる。

「・・・あの目・・・あの目に睨まれると・・・一瞬、カーティス様を信じられなくなって・・・

その・・・。」

「奴の意志に負けちゃいけない。向こうは向こうで、真剣だからね。」

「・・・・・・・・・!」

レンディはその場に立ちつくす。

「シャレアは神界から“消えた”。彼の力が神界に及ぶことはもう無い。

何万年も前から、“神の書”まで創らせていたのに

それが無駄になるのは惜しいが・・・。

我が、決着をつけに行く。ルーシャンと我で、最後の揺さぶりをかける。

三大神はそれで間違いなく降伏するだろう。」

「・・・・・・・・・!」

カーティスは、優しく笑いかける。

「あと少し、あと少しで良い。あと少しお前が頑張ってくれるなら・・・。

あの世界は救われる。」

「・・・・・はい。」

レンディは頭を下げた。

カーティスは、闇に消えていく。

「・・・・・・・・・・・・・。」

 

 

「聖さん!皆さん!!一体何が・・・!」

シャレアは、牢の鉄格子をがちゃがちゃ揺らす。

「見苦しいぞ、シャレアよ。」

低い声が、そう言った。

「誰です、貴方は・・・?」

するすると長い青い髪。深い青の瞳。

「ルーシャン。あと一歩で、お前になれなかった者。」

「・・・・・・・?」

シャレアはきょとんとする。

「お前はカーティス様に全てを任されたというのに・・・なぜ逆らった?

お前は、あのお方に誰よりも信じられ期待されていたのだぞ。

あの黒髪の下品な魂は払っておいた。苦しむこともない。

だが、お前はもう何もすることもない。」

「・・・・・・・・・・!?」

ルーシャンは、腕を組んで牢の鉄格子にもたれかかっている。

「誰よりも期待された最高傑作、シャレア=リヴァースド。

カーティス様の創造物の中で唯一姓を持つお前。

誰もがお前の地位を、羨んだ。だがお前は、全ての期待を裏切った。」

「僕は・・・神界の・・・・!」

「黙れ!!」

シャレアはビクッとした。

「頭を冷やせ。お前は、あれだけカーティス様を裏切っても死刑にはならない。

この計画にはもう参加できないだろうが・・・それでもカーティス様はまだ、

お前に期待しておられるのだ。

この牢で、それをしっかりと理解するが良い。」

「・・・・・・・!」

言いたいことだけ言うと、ルーシャンと名乗る男は去った。

「・・・・聖さん・・・・。」

シャレアは、冷たい鉄格子を握ったままひとことだけ呟いた。

 

・・・・友の名を。
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