心霊整体師 東條ちずる

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心霊整体師東條ちずる

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東條ちずるは27歳。現在彼女は文京区にある、自宅から500メートル離れたマンションの一室に、オフィスを構え
、ここでカウンセリングと整体セラピストとして看板を出していた。看板を出した当初はわずか4~5人の予約者ほどであったが、ちずるから治療を受けた人々が口々に言うことは、どこの整形外科に通っても痛むカ所が治る事がなかったのに、一瞬にして痛みが無くなった事だ。この不思議な出来事を誰にも話さない訳がない。口から口へと広まりほんの3ヶ月程で予約困難な状態となった。しかし、同じ整体師として看板を出している者達の中には、その技術
を盗もうと、名前を偽って治療を受け、その治療の仕方を頭に入れて自分の仕事場に引用するもちずるのようにはいかない。それもそのはず、ちずるはただの整体セラピストとは違っていた。何故ならちずるは新霊能力を持った整体セラピストであったからだった。

                 「ちずるの父親まさると母親なみえとの出合」
ちずるは父東條まさる、母なみえの長女としてこの世に生いを受けた。父まさるは公務員として働き、母なみえは、編み物教室を開いて、30人ほどの生徒達に編み物を教えている。そもそもまさるとなみえの馴れ初めは、共にスキ_と言う趣味を持っていた。まさるは文京区根津の生まれで、大学卒業後、公務員として文京区内の役所に勤務していた。一方なみえは、奈良の生まれで、幼い頃から編み物が好きで、将来は、編み物教室を開くことが夢だった。いろいろな編み物を勉強したいと有名なニット商品メーカーに就職していた。なみえの住まいは、東京に住む叔母夫婦のもとに、居候させてもらっていた。なみえは毎年スキ一シ一ズンになると、いろいろなスキ一場へと足を運んだ。
そんなある日、いっものようにスキ一を滑っていると、前方から女性がしりもちをっいた形でなみえ目掛けて滑って来た。女性は大声出して盛んに助けお呼んでいる。
  「キャー助けてー」
なみえはまるで金縛りにでもあったかのように、その場に立ちすくんでしまった。後僅かで、滑り落ちてくる女性と正面衝突するところであった。だが、その時、2人の男性が滑り寄ってきた。一人はしりもちをついて滑り落ちてくる女性を、もう一人の男性はなみえを抱きかかえたとたん、2人は数メートル先まで雪の上を転げ落ちていった。きがっくと、なみえは自分を庇ってくれたその男性の胸の上に倒れていた。         
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